さすがに異世界では学校に行くよ!

キムチ鍋

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希望の未来への世代交代編

最終話 未来へ

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魔界の中心にある大きな城の中にある王室では......剣を握ったユグドラとヴァレンシア、右手を突き出しているリューネと剣を構えている優希が向かい合っている。
「いったいどういうつもりだ......」
ヴァレンシアがユグドラの耳元で囁いた。
「恐らく洗脳魔法が解けたのかと......」
優希が素早く、ヴァレンシアに斬りかかった。ヴァレンシアはその攻撃を剣で受け止めた。ユグドラが動けない優希を狙い、剣を構えながら優希に突撃した。その瞬間、ユグドラを炎の玉が突き飛ばした。リューネの魔法攻撃だった。
「貴様ら......何をする気だ......」
いつの間にか優希がリューネの後ろに立っていた。リューネの背中に手を置いた。
「悪いけど、お前たちにはここで消えてもらう」
リューネが両手を空に突き出した。
「この城とあんたたちごと吹っ飛ばす!」
リューネの体が光った。
「破壊の魔法!」
すると、リューネの頭上に大きな黒い炎の玉が出現した。
「貴様......まさか自分ごと!?」
気がつくと、四人の体は衝撃に包まれた。ユグドラとヴァレンシアの肉体は完全に消え去った。リューネと優希は薄れゆく意識の中、手を握りあった。
「愛してる......もしも天国で朝日の本当の父親に会ったら伝えないとな」
リューネの涙は風圧で後ろに流れていった。
「そうね......もうすぐあの人に会えるのね」
(朝日......この世界に朝日を照らしなさい)
二人の肉体はその言葉を最後に消えてなくなった。魔界の大きな城は爆発により跡形もなく消し飛んだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから朝日たちはテストに挑み、結果は見事に朝日は赤点を取らず、ステラは学年一位、由奈は学年二位というものだった。サアヤも順調に女王の仕事をこなしている。ナナとカイと春樹は弓矢の修行をするために山に篭っているという。その間はユウとカナとマイサンとイッカク羊が畑仕事を手伝っている。しばらくはそれぞれが平和な日常を送り続けていた。しかし、事件は突然起きるものであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
テストの日から三ヶ月ほど経ったある日.....慌ただしい様子でイッカク羊がステラの屋敷の中庭に着陸した。朝日とステラと由奈が屋敷の中から出てきた。
「なんだ?どうしたんだ?」
「めえ!めえ!めえ!」
三人はイッカク羊の慌てぶりにただ事ではないことが理解できた。三人はイッカク羊の背中に乗った。イッカク羊は翼を広げ、大空をかけた。途中、王城に降りて、サアヤも共に連れて行った。しばらくすると、田舎町にあるナナたちが住んでいる屋敷の中庭に降り立った。居間で布団に寝転んでいる誰かを深刻な表情でユウ、カナ、マイサン、カイ、春樹、町長が囲んでいる。四人と一匹が朝日たちを見た。
「朝日......」
弱々しい声で朝日の名前を呼んだのは、布団の上で寝転がっているナナだった。冷汗を流し、息も荒く、顔も赤い。町長が哀れむような目でナナを見ながら言った。
「龍滅病......おぬしの両親もこの病気で亡くなられたのじゃな」
サアヤが町長のその言葉に食いついた。
「どういうことですか!?私はこんな病気聞いたことありません」
朝日はいつの日か図書館で見た龍滅病について書かれた本のことを思い出した。
「この病は一千万分の一の確率で代々家系で受け継がれ発病するんじゃ。治療魔法は無効、原因も不明で、龍をも滅ぼすと言われているんじゃ」
カイが悔しそうな表情をし、歯を食いしばりながら言った。
「弓矢の練習中にいきなり血を吐いて......そのまま倒れちゃって......」
ステラと由奈が涙を流しながら、ナナの手を握った。
「ナナ......お願いだから......逝かないで」
「なんでナナちゃんがこんな目に合わなきゃ行けないんですか......」
ナナはゆっくりとステラと由奈を見上げた。
「あなたたちも......来てくれたのね......ごめんね......もっとみんなと笑い合いたかった」
朝日が前に出て、ナナの手を力強く握った。
「何言ってんだ!!まだこれからだろ!?これからもみんなと笑い合える!!だから......」
朝日の涙がナナの頬に落ちた。ナナの頬に冷たい感触が伝わった。ユウが冷やした白い布をナナの額に置いた。
「またクリスマスパーティにみんなで行こう......お嬢様と朝日くんと由奈ちゃん......今度はサアヤちゃんとカイ、春樹くん、マイサンと一緒に......」
ユウの体は震え、ユウは自分の口を手で押さえた。目から大量の涙が流れ始めた。ナナは朝日たちとクリスマスパーティに行った時のことを思い出していた。そんなに昔のことではないのにナナには遠い昔のように感じられていた。
「そうだ......朝日があの日に独りぼっちだった私に声をかけてくれて......そこからみんなと出会って......思い返すと良い人生だったよ」
由奈は無理やり笑顔を作り、震えた声を発した。
「朝日くんとステラちゃん......大人になったら結婚するだそうです......みんなで結婚式に出ましょう!」
ナナの目は遠くを見つめていた。
「結婚式......行きたかったなあ......もう......だめみたい......さよなら......さよなら......ありがとう」
その言葉を最期にナナは目を閉じ、そこからもう動くことはなかった。朝日たちはナナに縋るように泣き叫んだ。誰よりも、朝日、ステラ、由奈、ユウはサアヤたちやりもまあまあ付き合いが長く、その涙の量はサアヤたちとは比べ物にはならない。一人の少女はここで一生を終えたのだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
六年後......とある教会の聖堂に黒いタキシードを着た朝日と白いウェディングドレスに身を包んだサアヤが向かい合っていた。サアヤが十字架のガラスの下に立っている。席には、ユウ、由奈、身長が伸び大人っぽくなったカナ、カナに抱っこされているマイサン、町長、カイ、春樹が座っている。
「あなたたちはお互いを永遠に愛し続けることを誓いますか?」
朝日とステラは声を合わせた。
「誓います」
「では、指輪の交換を......」
朝日はステラの左薬指に金の指輪を通し、同じようにステラも朝日の左薬指に金の指輪を通した。
「では誓いのキスを」
朝日とステラはゆっくりと顔を近づけ、お互いの唇を重ねた。ユウたちは笑顔で盛大な拍手を送った。春樹が立ち上がり、大きな声で言った。
「ヒュー!ヒュー!お熱いね!!」
隣に座っていたカイが春樹の頭にげんこつを食らわせた。
「結婚式にそんなこというやついるか!!」
朝日たちは声をあげて笑い合った。朝日は何かを感じ、聖堂の天井を見た。そこには笑顔で朝日たちを見ているガイア、校長、王様、リューネ、優希、ナナが見えた。六人の背中にはそれぞれ天使の羽がついていた。六人はもう一度優しく微笑み、どこかへ羽ばたいて行った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
四年後......白いベッドの上に髪が長く伸びたステラが横たわっている。ステラを囲むように朝日、由奈、ユウ、サアヤ、15歳になったカナ、カナに抱っこされているマイサンが囲んでいる。ステラの頭の横には小さな赤ん坊が揺籃の中で眠っている。朝日がステラの手を握りながら優しく囁くように言った。
「よく頑張ったな......」
ステラがゆっくりと揺籃で眠っている赤毛の赤ん坊を見つめた。
「髪の毛は私ね......寝顔はあなたそっくり......」
ユウが頭を下げ、言った。
「お嬢様......本当におめでとうございます......」
由奈が赤ん坊の手を優しくつつきながら言った。
「男の子ですか......可愛いですね」
サアヤは赤ん坊をのぞき込みながら言った。
「名前はもう決めてるの?」
興味深々に目を輝かせながらマイサンとカナが赤ん坊をのぞきこんだ。
「可愛い~」
「御主人様そっくりだわん!」
朝日とステラが顔を見合わせ、優しく微笑んだ。
「名前は生まれる前から決めていたわ......」
「これからこの世界の未来を守る......鈴木 未来だ」
未来は大きくあくびをし、目を覚ました。希望を託した世代交代......。
~~~~~~未来は繋がった~~~~~
あとがき
御愛読本当にありがとうございました!色々詰め込んだ最終回でごめんなさい。この作品はシリーズになっていてまだまだ続きます!もし良ければまた読んでくださるとありがたいです。また特別編などもちょくちょく更新していきたいと思います。これからもよろしくお願いします!


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