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どくどく

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25・・・超回復

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皆さんは超回復というのをご存じだろうか。超回復、それは筋肉などが軽度損傷し回復する際、前回以上に高い能力を付けて肉体が回復させようとしてしまう事を言う。

そう今俺は、その状態だ。ただし回復させようとしているのは体じゃなくて、女の子が・・・・

〈ですからそれでは効率が悪すぎます!!もっと効率を上げ前回以上の力を付けてもらいませんと!〉

「…この辺…ぜんぜん…敵いない…です」

〈いえ!ですから。まずステータスより重視すべきはスキルです。できるだけ高純度のスキルをマスターにはお渡ししたいんです!!〉

「…ちがう…スキルより…ステータス…ステータスが…いい…です」

〈な!じゃあ、 マスターのスキルの一部である私も、スキルだから劣っていると言いたいのですか?〉

「…ちがう効率の問題…です」

〈ですから効率で言えばより高効果のスキルを!!〉

「…高ステータス…です」

と二人が言い合っている。

「あのー俺はスライム1匹からコツコツ行けばいいんじゃないかな?と思うんd」


〈「だめ!!」〉

うーん俺は、なぜか他の奴みたいにHPが0になってもしゃべったり歩いたり普通に動く分には全く問題なくできる。さすがに攻撃力0守備力0では戦おうとは思わないが。獲物さえ目の前にいれば何とか行けると思うんだが。

と、そんな調子で話が一向に前に進まないどうしよう。

ベキッ!!バキッ!!ヒューーー・・・

とこっちに向かって3mの木が空を飛んできた。
「へ?」 

ズッド―――ン!!

俺の目の前に木が生えた。(あっぶなっ)

俺等がいる場所は、元々俺が倒したゴブリンキングの集落があった場所だ。だがゴブリンキングがいた集落にしては水も食料の保管も無くゴブリンも100匹を超えない数しかいなかった。
これはクコが言うには本来ならありえないそうだ。特別な理由が無い限りは。

「…囲まれてる…です」
〈向こうから来てくれたようですね。まあ、良質ではないですが。しょうがありませんね。〉
「あれは、なんだ?」
木々の陰からあたりをうかがい進むオーク達とその後ろに行進するように進むオーガの集団が俺達の前に姿を現した。
「すごい集団だな。クコこいつらに気づかなかったのか?お前ステータスはそのままだろ?」

「…気づいてた…これちょうどいい…です」
「いやちょうどいいって今死にかけましたけど俺。」
〈それは大丈夫です。思考加速であの木がご主人様に当たらないのは計算済みです。〉
「ああ・・・そうなんだ(前もって教えてほしかった。)」。

そうこうしているとオーガ集団の奥の方から、さらにでかく黒いオーガが先頭まで進み出てきた。
おれはそのオーガに《身分証明》ッを使ってみた。

「おーすごい奴が出て来たな。だがこれでこの場所にゴブリンキングなんかがいた訳が分かったな。」

特別理由がないとこの場所でたった100程度の仲間を連れたゴブリンキングが現れる事は無いのだ。
そう、ゴブリンキングを隷属させるような、上位種が後ろに居たりしいない限りは。

エンペラーオーガ:冒険者S級超え指定魔物

「オマエカ、ニンゲン、ヤッテクレタナ、ユルサンゾ・・・ガッ、ガァルァァァァァ――――!!」

すると他のオーガ達も
「「「「「「ガァァァァーーーー」」」」」」

(えーーーー運の数値が0になったとたんこれって。千超えてた時何かいい事あったっけ?)

〈私が、マスターから産まれました。(ポッ)〉

(割りにあわね―。しかも0になった原因はシエルだしな。)
と、やり取りしている間中ずっと俺はいっさい動く事が出来なくなった。

(グッ!うるっさいと思ってたけど・・・これは)

〈これは[威圧]と[咆哮]というスキルを使っています。[咆哮]これは魔物の上位種が持っている種族固有のスキルです。[威圧]はステータスの低い者に、[咆哮]は、吠えることで総合的な戦力の低い者に行動制限をかける事が出来ます。〉

〈あ、ちなみにマスターは、このステータス差でこれを聞き続けたら。心臓の活動も止まります。〉

それを聞いたクコが俺に駆け寄ってくる。
「…ご、ごしゅっじん…様」

〈さあ、ここからはマスターの前に立つ貴方次第ですよ?〉

と言われクコは自分の持っている[威圧]のスキルを解放する。

〈さあ、行きなさい!今だけは休戦ですよ。クコ!!〉

「…うん…シエル…休戦…です」

とこれから戦いのため休戦条約を結んだ二人。主である俺は座ったまま動けない

(かっこいい二人とかっこ悪い主・・・やばい挫けそう。あ、心が痛いキュッてなった。・・・きっとこれは[咆哮]のせいだ、うん)

〈いえ、いまクコの[威圧]で相殺されています。〉

「いやーー」

〈それにしても筋ばかりの肉、筋力馬鹿ばかりですね。こんなステータスをマスターにお渡しするのはちょっと。・・・・迷ってしまいます。〉

「嫌!お願い速く!!さっきから誓約書が俺の服の中で重なってきてカサカサするし。正直HP0で心中穏やかじゃないんだって。」

〈ですが、《契約書制作》から《正当署名》《強制徴収》の代行をまかされた私としては、妥協は出来ません。はい。〉

そう言ってシエルと話しながらクコの戦い方を見ていた。

「…分かった…つぎ…つぎ…まだ?」

と、どうやらシエルと、連携を取りながら契約した奴から順に倒していく。
今のクコは、あの裏ギルドの暗殺部隊が持っていた短剣を両手に持って戦っている。これで【固有技能】二刀流の効果もプラスされ、ほぼ一撃で首か胸を突き刺し斬り裂き絶命か行動不能にしていく。今のクコなら、オークもオーガも大差なく倒す事が出来るようだ。だがさすがにこれだけの数が居るとだんだんと息が上がってきていた。

「……フゥ……フゥ…」

「ドウヤラ、オワリハ、チカイ、ヨウダナ」

「…んん…」 

だんだんとクコの戦いにも焦りが見えるようになって行た。
数の多さとその集団を統率する上位者、後ろにいる足手まとい(俺)に契約成立の為の行動制限。
この(主に俺)せいでだんだんと追いつめられていった。

そしてエンペラーオーガとうとう自ら動き出した。背中には二本の長刀。普通のオーガでも取り扱いが難しそうな長さの刀が二本だ。その二本の刀をエンペラーオーガは軽々と抜きクコへと向かって言った。

二刀流対二刀流だ刃も体も大きさが違いすぎる戦いだ。最初に動いたのは、クコの方だった足で撹乱しようと動き回り横や後ろに回り込もうとする。だが相手のエンペラーオーガは見向きもせずにそっと構えを取り、動かない。
そして、クコが死角から攻撃を仕掛けた。短剣がオーガの後頭部に吸いこまれる。


「…んッ…終わり…です」

キィ―――――ン!!

短剣が折れた

「モロク、カルイ、ナント、ヤワイ」

後頭部に突き刺さったかに見えた短剣は後頭部に当たりその硬さに耐えきれず根元から折れてしまった。そしてエンペラーオーガは、振り返り左手を上段から下方へ振り下ろし右手は下段から上方へ斬り上げる、まるで鋏のように交差させるように斬りかかってきた。クコも剣が折れ一瞬驚き動きが止まりその長い刃先から逃げる事はできなかった。

ガキッ

だが瞬時に折れた方ともう一つの短剣を持ち直し剣を上下で受けとめようとした。

「イッタハズダ、オマエハ、モロイト」

パキパキッ・・スッ・・・・ジュシュー!!

クコの短剣は砕け散りエンペラーオーガの長刀がクコの体に食い込み斬り裂く。クコの体が後方へ弾かれたように吹っ飛び地面を転がる。

「…うっ…ハアハア…まだ、…終わって…ない…です」

どうやら短剣で防いだと同時に後ろへ飛んでいたようだ。
だがその足には避けきれなかった傷がくっきりと残っていた。とてももう一戦出来るような傷じゃなかった、右の太ももと左の脛にある深い斬り口から冗談じゃない量の血が流れ出してた。

「ガァルァァァ!!キニイッタ!、オマエハ、オレガモラオウ、オレノコヲウメ」

そういてって剣を背中に仕舞い、クコに近づいていく。そしてクコへと手を伸ばしてきた。

「…くっ…」

クコが目をつぶる。まるで自分の最後を覚悟したかのように。

すると、グッ、ギリッ、ギリという音がする

目を開くクコ・・・そしてその目の前には。動きを止められているエンペラーオーガの姿があった。

さっきのあの音はエンペラーオーガの伸ばされた手首を片手で握り止めている音だった。

「おいおい、メインディッシュはこれからだぜ?もう満足なのかい?つれないな!!」

そう言ってって手首を握っている方とは逆の手でエンペラーオーガの顔面を殴り飛ばす。そう、文字どうり殴って飛ばした。

「まあ、お前には俺が最後の晩餐だがな」。

時間は少しもどり
クコがオーク、オーガをばったばったと倒していた時。

「なあシエルおかしくないか?なんでこんな所にオーガの軍隊みたいのがいるんだ?」

〈確かにおかしいですね。ここら辺は街や村からも離れているとはいえせいぜい山三つ分くらいです。そこにこの規模の魔物の集団がいるなんて。信じられませんね。〉

「それにこの統率のされ方もおかしいしな。ま、何かあっても俺には関係ないけどね。よし、じゃあそろそろ行っていいよな]

〈いいえマスターまだです。あらかじめクコには実践の戦闘で経験を積ませる。と、言ってあるのでまだまだ大丈夫です。〉

「嫌でもなぁ、俺も実戦経験積んだ方がいいんじゃないか?」

〈全くマスターはクコに対して過保護すぎます。それにマスターが実際に経験を積む必要は有りません。 なんの為に今私、《電脳思考》と[並列思考]、[高速思考]、[思考加速]全開で使ってると思うんですか。〉

「嫌でも見てるだけだし。」

〈今。10分の一の世界つまり実際の1秒がご主人様と私には10秒に感じる世界にいます。その世界で出来るだけ情報処理を行い経験を得て実践に生かす必要があるんです。その上マスターのステータスは全て0です。0の人間がこれだけの戦闘情報を処理、戦闘認識向上ができるようになれば、ステータス以上の力が手に入ると思います。〉

「それになんでHP消費する高速思考や思考加速使えるの?」
〈それは私が居るからです。私、そもそも体がないのでHPの数値は関係ありませんし。仮にも神話級のスキルなのでそのくらいは。〉
「結局俺だけ何もしてないのね。」
〈・・・・・〉

俺もシエルの言うとおり、黙って戦闘に集中する事にした。


〈・・・・まあ本当はスキルレベルだけ最初に上げて経験を積んでその後ステータスを渡す予定だったんですえどね。でも休戦の約束しちゃいましたからね。しかたなくです!〉

なんだか和やかムードでクコの戦闘を見ていると今度は奥からエンペラーオーガが出てきた。

「うん、向こうはボスが出てきたぞ?そろそろいいだろ?」

〈いえ!この経験こそ重要です。いいですか動きを読むように予測しその力を予知の領域まで上げてください!そうすれば!いいですか、そうすればステータスをお渡しした時にスキルを使わず無意識での戦闘予知の様なものが可能になるはずです。〉

そういってシエルは俺を、押し止める。
そして、エンペラーオーガとの戦闘でシエルが斬られ吹っ飛び倒れた。

「・・・・・シエル、渡せ・・・・」

〈マスターまだですまだ不十分です情報と経k〉

シエルの声を静かな声で遮る

「シエルもう一度言う渡せ・・・・・殺すぞ」

〈(ゾクッ)はい・・・マスター・・・(ゾクッ)〉

〈《電脳思考》によりステータスサポートの能力のポイント凍結を解除しステータスに流入します。〉

〈《電脳思考》によりステータスサポート能力(ポイント凍結)を解除しスキル欄に流入します。〉

〈マスター完了しましたさっそく確認しますか?(ビクビク)〉

「いやいいそんな事よりクコを頼めるか?」

〈はい・・・・お、お任せください(ビクッビクッ)〉

とシエルはさっきから脅えているようだった。

(これは後でシエルに謝んなきゃダメかな?)

〈・・・(ビクッ)マスターに怒られちゃったっ♪(ゾクゾク)・・・(ポッ)〉

うん、必要無かった、大丈夫みたいだな。


そして
オーガを殴り飛ばし

「まあ、お前には俺が最後の晩餐だがな」に続く
・・・・・・

《身分証明》

エンペラーオーガ

LV489
HP:36440
MP:2630
筋力:8900
防御力:4900
俊敏力:3500
魔力:600
運:76

[魔法]
無魔法LV5(50/600) 総560ポイント

[スキル]
剣術LV10(190/20000) 総19700
見切りLV8(290/4800) 総5000ポイント
指揮LV8(290/4800) 総5000ポイント
腕力上昇LV10(30/20000)19840総ポイント
体力上昇LV8(1390/4800) 総6100ポイント
威圧LV7(1000/2400)総3310
咆哮LV8(290/4800) 総5000ポイント
気力操作LV9(9900/10000) 総19710ポイント
気配察知LV10(2250/20000)22060総ポイント
物理防御上昇LV9(7190/10000) 総17000
魔法防御上昇LV8(3490/4800) 総8100ポイント

[固有技能]

使役化
二刀流
帝王覇鬼

「ニンゲン、オマエ、ツヨイナ」

とエンペラーは、頬を摩りながら全くの無傷で立ちあがった。

「・・・・いいのか?それで」

「?ナニヲ、イッテイル。」

「いいのかそれがお前の最後の言葉で?」

と言うとエンペラーは少し間を置き、ぶち切れた。

「フッ・・・・ズニノルナヨ!!(スゥ――)ガァルアアァァ――!!」

それに煽られるように周りで見るしかできなかったオークとオーガ達とどこかから聞こえてくる鳥や獣の咆哮が混ざりあう。

「「「「「「ガァァァァ」」」」」

[威圧]、[咆哮]か・・・・

「礼を言っておくは。こんなに早く戻るとは思は無かった。」

そう言って俺は

「《強制徴収》!全てを奪え・・・」

すると、そこには全てのオーク、オーガが声すら出せずに倒れていた。そして上空から100を優に超える鳥系の上位魔物。ダーククロウ、ファイズバード、サンジーアロウ、アイアンホークなどが雨の様に降っていき、一面うめく事も出来ない魔物ので埋め尽くされる。すると殺意の波が治まった。
(これがさっきから、俺達に空から殺意を飛ばして来た奴らか、これで戦闘に集中できるな)

「オレノ、シエキジュウ(使役獣)、マデモ、ガナゼッ」

そして俺は

「もう一度言うぞ、いいのかそれが最後の言葉で」

そう言うとエンペラーは背中の二本の刀を抜き俺へ近づき、そのまま上段から俺に、斬りかかる

「オワリダ【帝王覇鬼】!!」

斬りかかる途中体から赤い炎が噴き出し刀身に燃え移る。すると急に速度が増した。
誰もがその刃が俺の両腕ごと斬り裂く、そう見えただろう。エンペラーもそうなるだろうと確信している。斬ってしまえば刀が当たりさえすれば俺の力が不明でもも関係が無いとそう思っている顔だ・・・・
だが俺にその刃が当たる事はない。

ズ、ザ――、ダ―ン!!

力の乗った刀の刃先が地面に突き刺ささり、そこから一直線に二本の線が地面を走る。そして・・・・
刀と刀の間で肩をずらし半身になった俺に屈んだ状態で喉を持たれたエンペラー・・・

「マテ、ゴロスナ、オネガィダ」

身動き一つ取れないエンペラーの命乞い。それに俺は、もちろん笑顔で答える。

「・・・(ニィ――)嫌だ。」

「ジョッ(ゴキッッ、り)・・・・」

「最後の言葉は、ジョ!になっちゃったな。ステータス0でお前の動きが見えていた俺が今の数値で負ける道理がねぇんだよ。」

〈勝者確認、契約により敗者の全財産が徴収されます〉
〈《強制徴収》発動の意思確認。徴収します〉
〈逃亡した者も敗者とみなし残りの者全てから徴収します。〉
〈《身分証明》発動。現在[スキル]、[魔法]、【固有技能】処理中の為ステータス数値のみ開示〉

《身分証明》

ユウ・タカイシ

[職業]
無し(異端の契約士)

LV ******
HP:688900
MP:48760
攻撃力:65870
防御力:62490
俊敏力:39730
魔力:21650
運:2239

こ、これも超回復っていうのかな?




ここからスキル説明、

[魔法防御上昇]ステータス上昇系 魔法攻撃の防御力にプラス補正がかかる。ただしレベル依存。

[咆哮]特殊系、総合戦力差のある相手に行動制限をかける事が出来る。逆境時、集団にプラス補正
ただし咆哮後数秒間のみ。

【帝王覇鬼】
【狂気化】上位スキル。エンペラーオーガ進化後取得。気力操作にプラス補正。筋力、防御力、俊敏力にプラス補正(大)。ただし発動時、個体別の外見、身体に変化あり。
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