降格処分寸前の人間嫌い淫魔ちゃん♂は頑張って働くことになりました

おさかな

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 まさに搾りつくされた、というような有様だった。田加井は完全に眠りから覚める少し前から、身体がひどく重くて頭が痛いことに気づいた。

「朝……?」
 目を覚ますとすっかり朝になっていて、隣にはミリーも眠っていた。
 いつの間にかベッドもふたりの身体も綺麗になっていて、昨日のことは夢だったのかと思うほどだった。それでもこの身体の気怠さが、明らかにそうではないと物語っている。

 時刻は午前十時。昨日休日だったはずがヘルプのせいで半分潰れていたからと改めて休みにしてもらっていて本当に良かった。こんな状態で仕事などできるはずもないし、そもそも出勤時間に起きられていない。

 隣ですやすやと寝息を立てているミリーのあどけない寝顔は、昨晩あれだけ乱れていた影もない。
 ミリーは初めて出会ったタイミングで、年齢は忘れてしまったと言っていた。悪魔に年齢という概念はあれど、あまり重要でないのかもしれないし、忘れてしまうくらいなのだからもしかしたらミリーは自分よりも長く生きているのかもしれないと田加井は思った。
 だから、こんな若い子にあんなにも夢中になって後先を考えず無茶苦茶に抱いたことは気にしなくてもいいのかもしれないと思いつつ、やはり気になった。

 それもこれも、淫魔のフェロモンというやつのせいなのだろうか。まるでひどく酒に酔ったかのように浮かされた気分になり、目の前の誘惑に従うことしか考えられなかった。
 田加井は、こんなことは初めてだった。


 昼過ぎになってミリーも起き出して、夜のうちにどこかへ行っていたラビも戻ってきた。
 田加井はミリーから宝石についての話は聞いていた。ラビの見守るなか、ミリーは石作りをするようだった。

 むむむ、と真面目な表情をして、ぐっと握った手に何かを念じている様子のミリー。その小さな手がぱっと開かれると、きらきらと眩しい宝石がいくつも現れた。

「わ! ねえ、たくさんだよ!」
 ミリーは真剣に手元を見つめていた顔をパッと上げてる瞳を輝かせて喜んでいた。
「まあ、昨日あれだけやればね~」
「えへへ……」
 ラビにそう返されると、ミリーは照れくさそうに、でも嬉しそうに笑った。

「青が五個に、緑三個、黄色が四個ね。結構すごいじゃん」
 ラビがひとつひとつ数えてそう言った。
「目標数があるんだっけか?」
「はい。青が五十個必要なんです」
「緑色のとか黄色のとかは、青ほどじゃない小さな価値の石で、端数って感じです。まあそれも集まった分はちゃんと換算してくれるから」

 ラビの評価はまずまず良い滑り出しだといった感じだった。魔界のことや宝石のことはよく知らない田加井と同じように説明を聞くミリーもまた、あまりよくその仕組みを理解していないのだろう。

「単純計算、一ヶ月で昨日みたいなのをあと十回くらいやればいいって話だから! ねっ、簡単でしょ?」
「か、かんたんじゃないよぉ!」
「き、昨日みたいなのを……!?」

 ラビがにっこりと笑って言ったことに、動揺を隠せない二人。ミリーはまだまだ人間との性行為に慣れたというわけではないし、何より少なくとも今日中には色んなものが回復しそうにない田加井にとっては無理難題に聞こえた。

「あと今初めて聞いたんだが、一ヶ月と言ったか? もしかしてこれを集めるのに、期限があるのか?」
「あれ、言ってませんでしたっけ……」
「聞いてない……」

 田加井が驚いていると、ラビも呆れた顔をしていた。
 一ヶ月と言っても、既にミリーがここに来てから三日経ってしまっている。まだまだ時間はあるようで、ない気もする。

 あんなにも無我夢中になって誰かを抱いたのは田加井は初めてだったのだ。抑えがきかなかったし、何回出したのかも定かではない。
 ミリーの能力の手助けがあるとはいえ、あんなことをひと月のうちにあと十回もすると思うだけでくらくらした。
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