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戦争の残骸
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「ただいま」
俺は自宅である町外れの廃墟へと帰宅した。
「お帰りケーゴにぃ、何を買ってきたの?」
所々焦げ付いていて今にも崩れだしそうなぼろぼろ階段をドタドタとあわただしくユリが駆け下りてきた、ユリに危険だから階段を駆け下りるなと軽く注意をして、今日の成果を服の中から取り出した。
「わぁ、今日はいっぱい買い物をしたんだね、あっユリが食べたいって言ったリンゴも買ってきたんだね、ありがとうもう食べてもいい?」
「いいぞ、ところでアベルはどこに行ったんだ?」
「外に魔物を狩りに行ったよ、じゃあユリは買ってきたものを仕舞っとくね」
ユリはトテトテと買ってきたものを抱えてキッチンへ歩いていった、アベルは俺たちと比べ魔力が多く、よくこの家の辺りにいる魔物を追い払ったりしている。
アベルが帰って来て食事になるまでに少し時間があるな、俺はユリが駆け下りてきた階段を上り自分の部屋に入るとよく軋む手作りのベットで少し寝ることにした。
日が暮れて辺りが薄暗くなった頃、町への買い物を終えて村に帰ると辺り一面に鉄臭い血と何かが焼け焦げた臭いが広がっていてまるで地獄の有り様だった、沢山あった家もほとんど無くなり僅かに焼けずに残った家も半壊してもう使い物にならなそうだった、町で買い物していた時に聞いてしまった話を思い出す。
「この辺りに帝国のやつらが居るらしいぞ」
「帝国ってあのうちと戦争してるやつ?」
「そうだ、何でも戦争が長期化し過ぎて働き手が足りなくなったから、人を拐いに来たらしい」
「まぁ、そうだとしても戦線から遠く離れているこの町とは関係ないだろうけどな」
父さんは戦争に駆り出されていて二人で暮らしていた母親を探すために恐怖に飲まれつつ歩き出した。
「うわぁ」
何かにつまずいて転けてしまった、足元を見ると最初は大きな黒い岩だと思っていたが、よく見るとそれは焼け焦げた人間だった……
恐怖に駆り立てられ目を閉じて俺は走り出した、何度もつまずいて転けたが、後ろを振り返らず走り続けた。
どこからか女の子の声が聞こえて目を開けて辺りを見渡すと近くで僕より小さい少女が泣いている、少女に声を掛けてみるが、少女はずっと泣いてばっかりでこっちの言葉には反応してくれなかった。
「ほら孤児園に行こうよ、あそこはここから少し離れた所にあるからもしかしたら大丈夫かもしれない」
「ウワァァァン」
泣いている少女のてを引き歩き出した、辺りは相変わらず地獄の有り様だったが一人じゃないからか、さっきより冷静でいられる。
少し間歩いているとまだ焼けていない家をいくつか見つけた、中に入ってみたけど中には誰も居なかったが、テーブルの上に置いてあったまだ湯気が経っているお茶を見るにさっきまで誰か居たに違いない、しかしどんなに探しても誰も見つからなかったので、また孤児園に向かって歩き出した、しばらくすると少女はいつの間にか泣き止んでいてふと口を開いた。
「おにぃちゃん、まだつかないの?」
「もう少しだよ、僕はお兄ちゃんじゃなくてケーゴだよ」
「ふーん」
この後は特に話すこともなく孤児園に着いた、孤児園に入ろうと入り口の門へと向かうと門の前に少年が座り込んでいた、少年に手を伸ばした瞬間、辺りに発砲音が鳴り響く。
少年と少女の手を無理矢理引っ張り近くの誰も居ない民家に逃げ込み、夜が明けるのをただただ震えて待った。
「ケーゴにぃ誰か来たよー」
ユリの大声によって目が覚めた、どうやら俺はユリとアベルと出合った時の夢を見ていたらしい、結局あのあと母さんどころか生きている村の人すら見つけることができなかった、そしてその後戦争は多大な犠牲を残し終結した、残された居場所のなかった俺らは、燃え残った家がちらほらとあるだけのここで肩を寄せあって暮らしていた。
今は何時だろう、壁にかかった時計を見ると9時を過ぎていた、こんな時間に廃墟しかないここに何の用だろうか、アベルはこの家の鍵は持っているし、少し確認しにいくか。
俺は自宅である町外れの廃墟へと帰宅した。
「お帰りケーゴにぃ、何を買ってきたの?」
所々焦げ付いていて今にも崩れだしそうなぼろぼろ階段をドタドタとあわただしくユリが駆け下りてきた、ユリに危険だから階段を駆け下りるなと軽く注意をして、今日の成果を服の中から取り出した。
「わぁ、今日はいっぱい買い物をしたんだね、あっユリが食べたいって言ったリンゴも買ってきたんだね、ありがとうもう食べてもいい?」
「いいぞ、ところでアベルはどこに行ったんだ?」
「外に魔物を狩りに行ったよ、じゃあユリは買ってきたものを仕舞っとくね」
ユリはトテトテと買ってきたものを抱えてキッチンへ歩いていった、アベルは俺たちと比べ魔力が多く、よくこの家の辺りにいる魔物を追い払ったりしている。
アベルが帰って来て食事になるまでに少し時間があるな、俺はユリが駆け下りてきた階段を上り自分の部屋に入るとよく軋む手作りのベットで少し寝ることにした。
日が暮れて辺りが薄暗くなった頃、町への買い物を終えて村に帰ると辺り一面に鉄臭い血と何かが焼け焦げた臭いが広がっていてまるで地獄の有り様だった、沢山あった家もほとんど無くなり僅かに焼けずに残った家も半壊してもう使い物にならなそうだった、町で買い物していた時に聞いてしまった話を思い出す。
「この辺りに帝国のやつらが居るらしいぞ」
「帝国ってあのうちと戦争してるやつ?」
「そうだ、何でも戦争が長期化し過ぎて働き手が足りなくなったから、人を拐いに来たらしい」
「まぁ、そうだとしても戦線から遠く離れているこの町とは関係ないだろうけどな」
父さんは戦争に駆り出されていて二人で暮らしていた母親を探すために恐怖に飲まれつつ歩き出した。
「うわぁ」
何かにつまずいて転けてしまった、足元を見ると最初は大きな黒い岩だと思っていたが、よく見るとそれは焼け焦げた人間だった……
恐怖に駆り立てられ目を閉じて俺は走り出した、何度もつまずいて転けたが、後ろを振り返らず走り続けた。
どこからか女の子の声が聞こえて目を開けて辺りを見渡すと近くで僕より小さい少女が泣いている、少女に声を掛けてみるが、少女はずっと泣いてばっかりでこっちの言葉には反応してくれなかった。
「ほら孤児園に行こうよ、あそこはここから少し離れた所にあるからもしかしたら大丈夫かもしれない」
「ウワァァァン」
泣いている少女のてを引き歩き出した、辺りは相変わらず地獄の有り様だったが一人じゃないからか、さっきより冷静でいられる。
少し間歩いているとまだ焼けていない家をいくつか見つけた、中に入ってみたけど中には誰も居なかったが、テーブルの上に置いてあったまだ湯気が経っているお茶を見るにさっきまで誰か居たに違いない、しかしどんなに探しても誰も見つからなかったので、また孤児園に向かって歩き出した、しばらくすると少女はいつの間にか泣き止んでいてふと口を開いた。
「おにぃちゃん、まだつかないの?」
「もう少しだよ、僕はお兄ちゃんじゃなくてケーゴだよ」
「ふーん」
この後は特に話すこともなく孤児園に着いた、孤児園に入ろうと入り口の門へと向かうと門の前に少年が座り込んでいた、少年に手を伸ばした瞬間、辺りに発砲音が鳴り響く。
少年と少女の手を無理矢理引っ張り近くの誰も居ない民家に逃げ込み、夜が明けるのをただただ震えて待った。
「ケーゴにぃ誰か来たよー」
ユリの大声によって目が覚めた、どうやら俺はユリとアベルと出合った時の夢を見ていたらしい、結局あのあと母さんどころか生きている村の人すら見つけることができなかった、そしてその後戦争は多大な犠牲を残し終結した、残された居場所のなかった俺らは、燃え残った家がちらほらとあるだけのここで肩を寄せあって暮らしていた。
今は何時だろう、壁にかかった時計を見ると9時を過ぎていた、こんな時間に廃墟しかないここに何の用だろうか、アベルはこの家の鍵は持っているし、少し確認しにいくか。
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