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第2-1章 紅玉宮妃→????(新版)
「扇動者には逃げ切られました」
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「壁、抜け……」
「そう、壁です。扉も窓も柵も駄目です。とにかく壁だけをこうしてすり抜けられるんです。日常生活だと意外に使い道無いんですよね」
「そ、そう……なのか?」
少しの間目を凝らし続けてようやく薄暗さに慣れたあたりで調査開始だ。
部屋の中には飾り立てられた調度品や家具はほとんど置かれておらず、簡素な寝具や机、それから棚と壺が幾つか並んでいる程度だった。
机の上に並べられた筆や墨はつい最近まで使われていた形跡があった。それと明らかに定期的に掃除していたように埃が少ない。
どうやらわたしの推測が正しかったらしく、この隠し部屋で皇太子妃は別の何かを記していたんだと確信した。
「……やはり、皇太子妃様はこうして密かに本音を吐き出していたんだな」
机に重ねられた紙束を読んだ青玉宮妃は頁を開いたままこちらへとそれを突きつけてきた。
促されるままに読んだわたしは……正直後悔してしまった。想像を遥かに超えていただけに、後で青玉宮妃から概要だけ教えてもらえばよかったんだ。
それは、恨み、妬み、怒り、悲しみ。あらゆる負の感情の集合体だった。
自分から心が離れていく皇太子への、最愛の夫の心を奪った魅音への、そして皇太子から魅音を遠ざけない皇帝への。それに留まらず、好き勝手言う第二皇子や第三皇子、わたし達皇子妃についても矛先が向けられていた。
けれどそれは最初のうちだけ。最後の方はいかに自分が皇太子を愛していて、いかに皇太子が魅音に惑わされているかを嘆き悲しみ、自分が必ず皇太子を救うのだ、と締めくくられていた。
「その救いの手段があろうことか無理心中とは、な……」
「……青玉宮妃様。もしかしたら、皇太子妃様はわたし共が殺したのかもしれません」
「は? 何を馬鹿なことを言うんだ。あの場には紅玉宮妃様もいただろう」
「お忘れですか? そこまであの方を追い込んだのは、他ならぬわたしと貴女様だと」
青玉宮妃は息を呑んだ。ようやくわたしの言いたい事が理解出来たらしい。
先日、第二皇女が開いたお茶会で、皇太子妃は魅音を亡き者とすることで解決を図ろうとした。その凶行を止めたのはわたし達。あの時はすぐに衛兵にあの方を委ねてしまったけれど、もし彼女に歩み寄ってその苦しみを分かち合えていたら……。
「いや、結局私達が手を差し伸べても振り払っていただろう。皇太子妃様はご自分に誇りを持っていたからな。同じ皇子妃とはいえ彼女にとって私達は義理の妹、つまり格下だ。助けを乞うのは自分の矜持が許さなかったに違いない」
「そんな! それだと皇太子妃様は自分で自分を追い込んだみたいじゃないですか!」
「残念だが私はそう解釈する。ただ、紅玉宮妃様にまで考えを強要するつもりはない」
青玉宮妃様は他の紙束へと手を伸ばして視線を走らせていった。既に動機が判明したのに何を調べたいんだろう、と不思議に思っていると、彼女はまたしても頁を開いた状態でわたしに見せつけてきた。
「問題は、この厳重に警備されている宮廷内、それも皇太子夫妻が住む金剛宮に二人分の毒をどうやって持ち込んだか、だ」
「……皇太子妃様が御用達の商人に密かに運ばせたのでは?」
「それならそれで構わないが、可能性は低いと見ている」
「何故?」
「皇族御用達にまで上り詰めた大商人がそんな危険を犯す理由に乏しい。ましてや自害のための毒を準備する、などと上客を失う真似をするか?」
「確かに。ですが裏商売専門の同業者を紹介したかもしれませんよ」
「その辺りの経緯を皇太子妃様が記していないか探していたんだが……几帳面なことに記録していたよ」
そこに記されていたのは皇太子妃がどのように無理心中に救いを求めたか、だった。わたしと青玉宮妃に邪魔されて彼女は精神的に限界まで追い込まれていた。そんな彼女には天の導き、しかし実際には悪魔の囁きが成されたんだ。
青玉宮妃の顔は怒りに満ちて歪んでいた。紙束こそ丁寧に机の上に戻したものの、次にはわたしの手を乱暴に掴んで壁に手を叩きつけた。その動作だけで早くここから出せとわたしを急かしている、と受け取れた。
「落ち着いてください。外からは入り口を隠さなきゃ駄目ですけれど、内側からの出口まで分かりにくくする必要は無いでしょう」
「……そう言えばそうだったな」
わたしが指し示した部屋の片隅の両脇には扉があった。片方が皇太子の部屋に、もう片方が皇太子妃の部屋に通じているんでしょう。
わたし達は今度は皇太子の部屋へ続く出口の扉を二人がかりで開いた。全体重を乗せて踏ん張ってかろうじて、だった。
いきなり壁の向こうから現れた青玉宮妃とわたしに向こう側で調査を行っていた兵士達が驚いてきた。そんな彼らに青玉宮妃は隠し部屋を調査するよう命じて速やかに退室した。
足早に向かう先は、金剛宮に務める使用人達が集められた大部屋だった。
「侍女頭はいるか!? 出てこい!」
青玉宮妃が怒鳴り声をあげつつ入室。部屋の中に居た者達の反応は様々だった。彼らが動揺している間にも青玉宮妃は部屋中を見渡し、目的としていた人物を見つけ出した。今にも飛びかからんばかりに睨みつけられ、周りは怯えてすくみ上がった。
「皇太子妃様に皇太子殿下との無理心中を勧めたのは貴様に相違無いか!?」
「間違いございません、青玉宮妃様」
名指しされた年を召した金剛宮の侍女頭は恭しく頭を垂れた。落ち着き払った物腰はその場にはとても相応しくなく、むしろ異質と言い切ってよかった。
「皇太子妃様に毒を準備したのも……!」
「ええ、わたくしです」
青玉宮妃は怒りを抑えきれなくなって腰にかけていた剣の柄に手をかけ、必死になって歯を食いしばって衝動をこらえた。あとほんの少し怒りが高まれば即座に周りを押しのけてでも金剛宮の侍女頭を切り捨てたでしょうね。
「何故自分が仕える主をみすみす死なせるような選択肢を取らせた! 貴様ほど長年仕えてきた侍女ならあの方を諌めることも出来ただろう!」
「主? 皇太子妃様が? あいにくそこからまず違っておりますよ」
青玉宮妃に責められた侍女頭は、むしろ笑みをこぼした面を上げた。
それは余裕でも挑発でもなく、恍惚。
あまりに理解が及ばなくて思わず恐怖を覚えた。青玉宮妃も同じだったらしく、絶句した様子だった。
「わたくしは真の主から当代の皇太子殿下ご夫妻に仕えるよう命じられただけに過ぎません。そして自害を勧めたのも真の主の意に従ったまでのこと」
「なん、ですって……?」
侍女頭は天を仰いだ。もはや周りの同僚達や青玉宮妃のことなんて完全に気にしないで。
部屋の中を見張っていた兵士の何名かが剣を抜いて構えを取ったのも防衛反応なんでしょう。わたしも青玉宮妃も身構えちゃったもの。
「太上皇后様! このわたくしは貴女様からのご命令を果たして見せました!」
「「な……!?」」
太上皇后、二代前の皇后。そして、女狐と呼ばれた女性。
思わぬ人物の名が語られて、わたし達は驚愕するばかりだった。
「貴女様の来世に仕えられないのは残念ですが、その次に生まれ変わった際はまたこの哀れなわたくしに貴女様の愛と慈悲を賜りたく存じ上げます!」
大声を上げた侍女長はひとしきり言い終えると、下顎を大きく動かした。それはまるで奥歯をこすり合わせるようで。何も食べていないのにその動作をする意味は、この場においては一つしか無かった。
次の瞬間、侍女頭の身体が震え、膝から崩れ、喉元と胸元を押さえながら倒れ伏し、苦しみ悶え、口から大量の血を吐き出した。すぐさま兵士達が駆け寄るも、侍女長は身体を痙攣させ、最後には事切れた。
「歯の奥に毒を仕込んでいたんでしょうか……?」
「太上皇后様、だと……?」
どうして今は亡き太上皇后の名が出てくるのか、何のために皇太子夫妻を死に至らしめたのか、新たな傾国の女狐として魅音が現れたことと関係するのか。様々な疑問が侍女長の自害によって闇に葬られた。
わたしも青玉宮妃も、ただその惨劇を呆然と見つめる他なかった。
「そう、壁です。扉も窓も柵も駄目です。とにかく壁だけをこうしてすり抜けられるんです。日常生活だと意外に使い道無いんですよね」
「そ、そう……なのか?」
少しの間目を凝らし続けてようやく薄暗さに慣れたあたりで調査開始だ。
部屋の中には飾り立てられた調度品や家具はほとんど置かれておらず、簡素な寝具や机、それから棚と壺が幾つか並んでいる程度だった。
机の上に並べられた筆や墨はつい最近まで使われていた形跡があった。それと明らかに定期的に掃除していたように埃が少ない。
どうやらわたしの推測が正しかったらしく、この隠し部屋で皇太子妃は別の何かを記していたんだと確信した。
「……やはり、皇太子妃様はこうして密かに本音を吐き出していたんだな」
机に重ねられた紙束を読んだ青玉宮妃は頁を開いたままこちらへとそれを突きつけてきた。
促されるままに読んだわたしは……正直後悔してしまった。想像を遥かに超えていただけに、後で青玉宮妃から概要だけ教えてもらえばよかったんだ。
それは、恨み、妬み、怒り、悲しみ。あらゆる負の感情の集合体だった。
自分から心が離れていく皇太子への、最愛の夫の心を奪った魅音への、そして皇太子から魅音を遠ざけない皇帝への。それに留まらず、好き勝手言う第二皇子や第三皇子、わたし達皇子妃についても矛先が向けられていた。
けれどそれは最初のうちだけ。最後の方はいかに自分が皇太子を愛していて、いかに皇太子が魅音に惑わされているかを嘆き悲しみ、自分が必ず皇太子を救うのだ、と締めくくられていた。
「その救いの手段があろうことか無理心中とは、な……」
「……青玉宮妃様。もしかしたら、皇太子妃様はわたし共が殺したのかもしれません」
「は? 何を馬鹿なことを言うんだ。あの場には紅玉宮妃様もいただろう」
「お忘れですか? そこまであの方を追い込んだのは、他ならぬわたしと貴女様だと」
青玉宮妃は息を呑んだ。ようやくわたしの言いたい事が理解出来たらしい。
先日、第二皇女が開いたお茶会で、皇太子妃は魅音を亡き者とすることで解決を図ろうとした。その凶行を止めたのはわたし達。あの時はすぐに衛兵にあの方を委ねてしまったけれど、もし彼女に歩み寄ってその苦しみを分かち合えていたら……。
「いや、結局私達が手を差し伸べても振り払っていただろう。皇太子妃様はご自分に誇りを持っていたからな。同じ皇子妃とはいえ彼女にとって私達は義理の妹、つまり格下だ。助けを乞うのは自分の矜持が許さなかったに違いない」
「そんな! それだと皇太子妃様は自分で自分を追い込んだみたいじゃないですか!」
「残念だが私はそう解釈する。ただ、紅玉宮妃様にまで考えを強要するつもりはない」
青玉宮妃様は他の紙束へと手を伸ばして視線を走らせていった。既に動機が判明したのに何を調べたいんだろう、と不思議に思っていると、彼女はまたしても頁を開いた状態でわたしに見せつけてきた。
「問題は、この厳重に警備されている宮廷内、それも皇太子夫妻が住む金剛宮に二人分の毒をどうやって持ち込んだか、だ」
「……皇太子妃様が御用達の商人に密かに運ばせたのでは?」
「それならそれで構わないが、可能性は低いと見ている」
「何故?」
「皇族御用達にまで上り詰めた大商人がそんな危険を犯す理由に乏しい。ましてや自害のための毒を準備する、などと上客を失う真似をするか?」
「確かに。ですが裏商売専門の同業者を紹介したかもしれませんよ」
「その辺りの経緯を皇太子妃様が記していないか探していたんだが……几帳面なことに記録していたよ」
そこに記されていたのは皇太子妃がどのように無理心中に救いを求めたか、だった。わたしと青玉宮妃に邪魔されて彼女は精神的に限界まで追い込まれていた。そんな彼女には天の導き、しかし実際には悪魔の囁きが成されたんだ。
青玉宮妃の顔は怒りに満ちて歪んでいた。紙束こそ丁寧に机の上に戻したものの、次にはわたしの手を乱暴に掴んで壁に手を叩きつけた。その動作だけで早くここから出せとわたしを急かしている、と受け取れた。
「落ち着いてください。外からは入り口を隠さなきゃ駄目ですけれど、内側からの出口まで分かりにくくする必要は無いでしょう」
「……そう言えばそうだったな」
わたしが指し示した部屋の片隅の両脇には扉があった。片方が皇太子の部屋に、もう片方が皇太子妃の部屋に通じているんでしょう。
わたし達は今度は皇太子の部屋へ続く出口の扉を二人がかりで開いた。全体重を乗せて踏ん張ってかろうじて、だった。
いきなり壁の向こうから現れた青玉宮妃とわたしに向こう側で調査を行っていた兵士達が驚いてきた。そんな彼らに青玉宮妃は隠し部屋を調査するよう命じて速やかに退室した。
足早に向かう先は、金剛宮に務める使用人達が集められた大部屋だった。
「侍女頭はいるか!? 出てこい!」
青玉宮妃が怒鳴り声をあげつつ入室。部屋の中に居た者達の反応は様々だった。彼らが動揺している間にも青玉宮妃は部屋中を見渡し、目的としていた人物を見つけ出した。今にも飛びかからんばかりに睨みつけられ、周りは怯えてすくみ上がった。
「皇太子妃様に皇太子殿下との無理心中を勧めたのは貴様に相違無いか!?」
「間違いございません、青玉宮妃様」
名指しされた年を召した金剛宮の侍女頭は恭しく頭を垂れた。落ち着き払った物腰はその場にはとても相応しくなく、むしろ異質と言い切ってよかった。
「皇太子妃様に毒を準備したのも……!」
「ええ、わたくしです」
青玉宮妃は怒りを抑えきれなくなって腰にかけていた剣の柄に手をかけ、必死になって歯を食いしばって衝動をこらえた。あとほんの少し怒りが高まれば即座に周りを押しのけてでも金剛宮の侍女頭を切り捨てたでしょうね。
「何故自分が仕える主をみすみす死なせるような選択肢を取らせた! 貴様ほど長年仕えてきた侍女ならあの方を諌めることも出来ただろう!」
「主? 皇太子妃様が? あいにくそこからまず違っておりますよ」
青玉宮妃に責められた侍女頭は、むしろ笑みをこぼした面を上げた。
それは余裕でも挑発でもなく、恍惚。
あまりに理解が及ばなくて思わず恐怖を覚えた。青玉宮妃も同じだったらしく、絶句した様子だった。
「わたくしは真の主から当代の皇太子殿下ご夫妻に仕えるよう命じられただけに過ぎません。そして自害を勧めたのも真の主の意に従ったまでのこと」
「なん、ですって……?」
侍女頭は天を仰いだ。もはや周りの同僚達や青玉宮妃のことなんて完全に気にしないで。
部屋の中を見張っていた兵士の何名かが剣を抜いて構えを取ったのも防衛反応なんでしょう。わたしも青玉宮妃も身構えちゃったもの。
「太上皇后様! このわたくしは貴女様からのご命令を果たして見せました!」
「「な……!?」」
太上皇后、二代前の皇后。そして、女狐と呼ばれた女性。
思わぬ人物の名が語られて、わたし達は驚愕するばかりだった。
「貴女様の来世に仕えられないのは残念ですが、その次に生まれ変わった際はまたこの哀れなわたくしに貴女様の愛と慈悲を賜りたく存じ上げます!」
大声を上げた侍女長はひとしきり言い終えると、下顎を大きく動かした。それはまるで奥歯をこすり合わせるようで。何も食べていないのにその動作をする意味は、この場においては一つしか無かった。
次の瞬間、侍女頭の身体が震え、膝から崩れ、喉元と胸元を押さえながら倒れ伏し、苦しみ悶え、口から大量の血を吐き出した。すぐさま兵士達が駆け寄るも、侍女長は身体を痙攣させ、最後には事切れた。
「歯の奥に毒を仕込んでいたんでしょうか……?」
「太上皇后様、だと……?」
どうして今は亡き太上皇后の名が出てくるのか、何のために皇太子夫妻を死に至らしめたのか、新たな傾国の女狐として魅音が現れたことと関係するのか。様々な疑問が侍女長の自害によって闇に葬られた。
わたしも青玉宮妃も、ただその惨劇を呆然と見つめる他なかった。
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