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学園
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座学にて。それは俄然起こった。教室中に轟音が鳴り響いたのである。俺たちは何事かとあたりを見回す。そして、ベルは緊急事態を告げた。俺たちは避難する。流石頭脳明晰な奴らが集まるところということもあり、避難もスムーズだった。だが、俺はその中で小首を傾げていた。何故か。その轟音が俺たちの方に近づいているように聞こえたからだ。そして遂には壁一枚向こうで聞こえた。そして次の轟音で現れたのはワイルドな女性だった。
「おーすおーす、悪りぃな。ここに王家の小僧はいるかな?」
すると周りは一斉に俺を向く。
「ほう、お前か。何、ちょっと小手調べに来ただけだ」
そう言ってその女性は豪炎を放った。刹那、一つの人影が俺の前に現れ、それを両断した。
「すまないな。生憎そいつは俺の教え子でね。手を出させる訳にはいかんのさ」
あの大男、名前はガイル、が来た。
「ほう、これまた強そうな。人間のくせに今のを両断するとは……面白い!今日はお前で我慢してやろう!」
そして瞬きを一つした瞬間には女がガイルに蹴りを入れていて、ガイルは俄かに防いだ。
「せいぜい楽しませてくれよ!」
「はは!こりゃいい!こんな強者に会ったのはいつぶりか!」
その言葉が響き渡った瞬間、二人の姿は残像となり、遂には見えなくなり、打撃音と音速を超えた拳の、空を穿つ音のみが聞こえている。
そして一方が壁に打ち付けられた。
音速を超えるその速度は壁を粉々にし、どっちが吹っ飛ばされたのかが、瓦礫に隠れて見えなかった。
然し、俺たちの目の前にあの女が現れた瞬間、打ち付けられたのはガイルだと分かった。
「はは!人間!お前強いな!名前を覚えておいてやる!なんて名だ!」
瓦礫から出てきたガイルはそれに応える。
「ガイルだ。お前は」
「混沌勢幹部、ドラゴニルだ」
「ちっ、混沌勢ってことはドラゴンじゃねぇか。そりゃあ強い訳だ」
そう言ってガイルは構え直す。それに合わせて女も構え直した。刹那――
「失礼。教え子の学舎から聞き慣れぬ音が聞こえたもんでな」
そう言って現れたのはケインさんだった。
「お前はまさか……ケインとかいう名前か?」
女の目が鋭くなる。
「ああ、そうだが」
ケインさんはメガネを掛け直して応える。
「ほう、とするとあの一行の仲間か……悪いなガイル!私は本気を出す!決して死ぬでは無いぞ!」
「ってことは今まで本気じゃなかったんですかね」
「おい、名前はガイル、と言ったか?私に合わせられるか?」
「まあついて行かせてもらうぜ」
「よろしい」
女は唸り始める。すると、体はどんどんと変わり、遂には本で見たドラゴンになった。
「ハハハハハ!この姿はいつぶりか!周りなど気にせず戦おうぞ!」
その言葉に応えてケインさんたちが駆け出した。
「おーすおーす、悪りぃな。ここに王家の小僧はいるかな?」
すると周りは一斉に俺を向く。
「ほう、お前か。何、ちょっと小手調べに来ただけだ」
そう言ってその女性は豪炎を放った。刹那、一つの人影が俺の前に現れ、それを両断した。
「すまないな。生憎そいつは俺の教え子でね。手を出させる訳にはいかんのさ」
あの大男、名前はガイル、が来た。
「ほう、これまた強そうな。人間のくせに今のを両断するとは……面白い!今日はお前で我慢してやろう!」
そして瞬きを一つした瞬間には女がガイルに蹴りを入れていて、ガイルは俄かに防いだ。
「せいぜい楽しませてくれよ!」
「はは!こりゃいい!こんな強者に会ったのはいつぶりか!」
その言葉が響き渡った瞬間、二人の姿は残像となり、遂には見えなくなり、打撃音と音速を超えた拳の、空を穿つ音のみが聞こえている。
そして一方が壁に打ち付けられた。
音速を超えるその速度は壁を粉々にし、どっちが吹っ飛ばされたのかが、瓦礫に隠れて見えなかった。
然し、俺たちの目の前にあの女が現れた瞬間、打ち付けられたのはガイルだと分かった。
「はは!人間!お前強いな!名前を覚えておいてやる!なんて名だ!」
瓦礫から出てきたガイルはそれに応える。
「ガイルだ。お前は」
「混沌勢幹部、ドラゴニルだ」
「ちっ、混沌勢ってことはドラゴンじゃねぇか。そりゃあ強い訳だ」
そう言ってガイルは構え直す。それに合わせて女も構え直した。刹那――
「失礼。教え子の学舎から聞き慣れぬ音が聞こえたもんでな」
そう言って現れたのはケインさんだった。
「お前はまさか……ケインとかいう名前か?」
女の目が鋭くなる。
「ああ、そうだが」
ケインさんはメガネを掛け直して応える。
「ほう、とするとあの一行の仲間か……悪いなガイル!私は本気を出す!決して死ぬでは無いぞ!」
「ってことは今まで本気じゃなかったんですかね」
「おい、名前はガイル、と言ったか?私に合わせられるか?」
「まあついて行かせてもらうぜ」
「よろしい」
女は唸り始める。すると、体はどんどんと変わり、遂には本で見たドラゴンになった。
「ハハハハハ!この姿はいつぶりか!周りなど気にせず戦おうぞ!」
その言葉に応えてケインさんたちが駆け出した。
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