良識のある異世界生活を

Hochschuler

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学園

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時は飛んで翌日。
俺はマイケルの怨嗟の視線、昨日の戦いの顛末を知ったマイケルからの恨みがましい視線を感じながら教室で机に突っ伏して微睡んでいた。
天下のシャーロット様は授業後の休憩時間だと言うのにテスト勉強をしておられる。
やれやれ、シャーロットさん、今はではなくってですよ。その意味から考えれば今の時間は俺のほうが優秀な生徒であるわけだ。然し、もちろん成績簿にと言う項目はないのでそれは何時まで経っても認知されないのだが。
俺は横目でそれを確認するとまた頭を下げる。
然し――
然し、マイケルの視線以外にも、どこかそわそわとした落ち着かない視線が俺の辺りを泳いでいた。
その視線の正体は――リリーである。
目が合うと、まずいと思ったのかふいっと顔を背ける。
俺はため息を一つすると、重たい体をあげ、リリーの席へ歩いて行った。
なんだ。お前は俺に恋でもしているのか。
「い、いや、そうではない」
はぁ、だったらさっきからなんなんだ。人のことをチラチラと盗み見て。それが恋慕から来るものならともかく、それ以外のものだとしたら気狂いかストーカーの類を疑わざるを得ないぞ。
リリーは話しかけられると思ってはいなかったのか目を白黒させながら応える。
「……そ、そういえばテスト勉強はどうなんだ」
テスト勉強?そりぁあシャーロットに――ああ、そう言うことか。お前も一緒にやりたいと。
「そ、そんなわけではない」
本当か?ならなんでもない。
俺はその場から立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待て」
なんだ。テスト勉強1人でできます君。
「わ、私はそんな名前ではない」
じゃあ、変な仮面をつけます君。
「そんな名前でもない。ただ――仕方ない。友のアルがテスト勉強にここまで困っているんだ。ここで友を見捨てるほど私は酷くない」
おい、俺が何時困っていると言った。むしろ――
「そう、そこで仕方なく、そう、仕方なくテスト勉強を手伝ってあげようではないか。然しながら聞くにアルはもうシャーロットたちと勉強しているだとか。だとしたら、恥ずかしながら私めがその末席を汚させてもらおう。うむ、異論はないな」
……はぁ、まあいいが。――つまりお前は今まで友を持ったことがなかったから友達との行事を楽しんでみたいってことだな。
「な、何を言っている。これは仕方なく――」
なぁリリー、お前って嘘を言う時は声震えるよな。
俺はそれだけ言ってその場を後にした。
その後、リリーが赤面していたことは言うまでもない。
「あんたもなかなか大変ね」
そう言ったシャーロットは、俺とリリーの会話を聞いていたのか肩をすくめて見せる。
お前が言うか?
俺は思わずそう返してしまった。返事は拳で返ってきたが。
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