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学園
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テスト返却が終わって、無事、マイケルの渾名が「クソ雑魚ナメクジ」と確定した日の午後。
俺たちはテスト頑張ったね記念の2回目として、大型ショッピングモールに行く予定を立てた。
前、シャーロットといったあの暗い場所は、まあ、サステナビリティはひしひしと感じたが、いかんせん盛り上がりに欠けるからもう少し煌びやかなところに行った。
しかも、シャーロットといった場所はどこからどこまでブランド品だったしな。
と、集合場所で腕時計を見ると、まだまだその時間ではない。
そこで俺は近くのカフェでぱふぇとすることにした。
わからないものたちに言うと、ぱふぇとは寛ぐことである。
知らなかったと言う人は、頻出単語であるから自身の辞書に彫刻刀で刻み込むように。
と、俺が今思いついた適当な造語で読者の辞書をズタズタに引き裂いたところで、カフェのメニュー表をみよう。
いろいろなコーヒーが列挙されているが、やはりここはこの店ご自慢のオリジナルコーヒーとやらを注文してみようではないか。
そして俺なりの大声が店員に素通りされると、「ほう、面白い」と最初に倒される四天王の、まるで主人公を試すような言葉を口にして、今度は店員さんの肩を叩き注文をお願いした。
と、虎穴に入るよりも手に汗握る緊張が、当然あるはずの注文を終えて安寧が訪れると、蛙鳴蝉噪の店内を見渡す。
すると、何と見覚えのある顔があるではないか。
あちらはすでにこちらに気づいていたらしく、目が合うと気まずそうに目を逸らした。
俺は歩み寄りて一言。
なぁシャーロット、何で目を逸らすんだ。
「気まずいからよ」
シャーロットはよそよそしげにそう答える。
なんで。
「そういうもんでしょ」
彼女はそう言い放つ。
そんなもんか?
「……で、何であんたはこんなに早くきているのかしら」
話題を変えるが如く、彼女はそんなことを聞く。
……何でだろうな。そういう癖かもしれない。そういうシャーロットこそ何で。
「私もそういう癖よ」
そうか……
俺は客席を見渡す。
そしてそこからは殺気を感じた。
なるほど。そういうことか。
「……わかったみたいね。そうよ。雑魚どもを見張っているの」
その、シャーロットに雑魚と表現された奴らはおざなりな認識阻害しかできない模様で、俺たちのレベルになると角がしかと見える。
やっぱりリリーか?
「……情報によるとその可能性が高いわ」
面倒だな。どうする。
「……私たちがリリーの関係者だということを明かして裏におびき寄せましょう」
そうするか。
俺は俺なりの大声でリリーのことを噂した。
「あんた、それで聞こえると思っているの? 」
結局、シャーロットが肩をすくめるだけだったが。
あの後、シャーロットがリリーについて大声で語り、それを俺が首肯するということで、追っ手たちに気づかせた俺たちは、わざと人目のつかない場所に出た。
そしてそのドラゴンたちを誘き寄せると、こう声をかけた。
ヤァ諸君。我々に何かようかな?
ガバッと後ろを振り返った2人は、漸く誘き出されたことに気づいたらしく、苦虫を潰したような顔をしていた。
ただ、俺たちが人間2人だと気づいて、その顔は笑みに変わった。
「ヤァヤァ人間お二人さん、誰に喧嘩を売っているかわかるかな? 」
スキンヘッドの男が舌なめずりする。
時計を見ると集合時間まで後少し。
すまんな、お前らと遊んでいる時間はないみたいだ。
俺はそういって肩をすくめる。
「はっ! 舐め腐りやがって! 俺たちは腐っても龍だ! その力、見せてやる! 」
といって、一瞬にしてあたり一体を炎の海にした。
流石龍。曲がりなりにも一般冒険者であれば相手にならないと。
俺はもう1人の長髪の男の生首を掴みながら、スキンヘッドの男に言う。
「ひ、ひっ! 」
スキンヘッドは俺に気づいた、と言うより漸く実力差に気づいたらしく、腰を抜かす。
お前にはやってもらうことがある。
そういって俺はそいつに近づく。
男は及び腰ながら逃げようとする。
まあ待て。簡単なことだ。お前らにも仲間はいるだろう? じゃあ、そいつらにこう伝えてくれ。リリーに手を出したらどうなるか……分かっているな? と。
俺は長髪男の生首に目を遣る。
男はしきりに首を振ると、一目散に逃げていった。
俺はシャーロットに目配せしてあたり一体を修復してもらうと、集合場所に急いだ。
俺たちはテスト頑張ったね記念の2回目として、大型ショッピングモールに行く予定を立てた。
前、シャーロットといったあの暗い場所は、まあ、サステナビリティはひしひしと感じたが、いかんせん盛り上がりに欠けるからもう少し煌びやかなところに行った。
しかも、シャーロットといった場所はどこからどこまでブランド品だったしな。
と、集合場所で腕時計を見ると、まだまだその時間ではない。
そこで俺は近くのカフェでぱふぇとすることにした。
わからないものたちに言うと、ぱふぇとは寛ぐことである。
知らなかったと言う人は、頻出単語であるから自身の辞書に彫刻刀で刻み込むように。
と、俺が今思いついた適当な造語で読者の辞書をズタズタに引き裂いたところで、カフェのメニュー表をみよう。
いろいろなコーヒーが列挙されているが、やはりここはこの店ご自慢のオリジナルコーヒーとやらを注文してみようではないか。
そして俺なりの大声が店員に素通りされると、「ほう、面白い」と最初に倒される四天王の、まるで主人公を試すような言葉を口にして、今度は店員さんの肩を叩き注文をお願いした。
と、虎穴に入るよりも手に汗握る緊張が、当然あるはずの注文を終えて安寧が訪れると、蛙鳴蝉噪の店内を見渡す。
すると、何と見覚えのある顔があるではないか。
あちらはすでにこちらに気づいていたらしく、目が合うと気まずそうに目を逸らした。
俺は歩み寄りて一言。
なぁシャーロット、何で目を逸らすんだ。
「気まずいからよ」
シャーロットはよそよそしげにそう答える。
なんで。
「そういうもんでしょ」
彼女はそう言い放つ。
そんなもんか?
「……で、何であんたはこんなに早くきているのかしら」
話題を変えるが如く、彼女はそんなことを聞く。
……何でだろうな。そういう癖かもしれない。そういうシャーロットこそ何で。
「私もそういう癖よ」
そうか……
俺は客席を見渡す。
そしてそこからは殺気を感じた。
なるほど。そういうことか。
「……わかったみたいね。そうよ。雑魚どもを見張っているの」
その、シャーロットに雑魚と表現された奴らはおざなりな認識阻害しかできない模様で、俺たちのレベルになると角がしかと見える。
やっぱりリリーか?
「……情報によるとその可能性が高いわ」
面倒だな。どうする。
「……私たちがリリーの関係者だということを明かして裏におびき寄せましょう」
そうするか。
俺は俺なりの大声でリリーのことを噂した。
「あんた、それで聞こえると思っているの? 」
結局、シャーロットが肩をすくめるだけだったが。
あの後、シャーロットがリリーについて大声で語り、それを俺が首肯するということで、追っ手たちに気づかせた俺たちは、わざと人目のつかない場所に出た。
そしてそのドラゴンたちを誘き寄せると、こう声をかけた。
ヤァ諸君。我々に何かようかな?
ガバッと後ろを振り返った2人は、漸く誘き出されたことに気づいたらしく、苦虫を潰したような顔をしていた。
ただ、俺たちが人間2人だと気づいて、その顔は笑みに変わった。
「ヤァヤァ人間お二人さん、誰に喧嘩を売っているかわかるかな? 」
スキンヘッドの男が舌なめずりする。
時計を見ると集合時間まで後少し。
すまんな、お前らと遊んでいる時間はないみたいだ。
俺はそういって肩をすくめる。
「はっ! 舐め腐りやがって! 俺たちは腐っても龍だ! その力、見せてやる! 」
といって、一瞬にしてあたり一体を炎の海にした。
流石龍。曲がりなりにも一般冒険者であれば相手にならないと。
俺はもう1人の長髪の男の生首を掴みながら、スキンヘッドの男に言う。
「ひ、ひっ! 」
スキンヘッドは俺に気づいた、と言うより漸く実力差に気づいたらしく、腰を抜かす。
お前にはやってもらうことがある。
そういって俺はそいつに近づく。
男は及び腰ながら逃げようとする。
まあ待て。簡単なことだ。お前らにも仲間はいるだろう? じゃあ、そいつらにこう伝えてくれ。リリーに手を出したらどうなるか……分かっているな? と。
俺は長髪男の生首に目を遣る。
男はしきりに首を振ると、一目散に逃げていった。
俺はシャーロットに目配せしてあたり一体を修復してもらうと、集合場所に急いだ。
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