葛木裕美の天国と地獄の旅行話

tetudou1014

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第1章 彼氏に会う前の一困難。

1話「楽しみの前の決戦直前‼」

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8月10日



 明日から彼氏の元へ行くことが我慢できずに
うずうずしているのが、今日の朝からの私の様子だ。

 再会が楽しみすぎてしょうがない状態なのだ。

 今は、今日の仕事の中で一番難関な人のところに行く最中だ。

 その人の名前は、杉並さん。かなりのご年配だ。

 奥さんは聞いたところによるとかなり前に他界。

 子供は、養子が一人いるが今まで病院に来たことがない。

 少しやせてはいるが、しっかりとしたお爺さんだ。

 最初のイメージ的には、
 ここまで厄介な風には思わなかったしか言えない。
 
 本当に普通の隠居したお爺さんという形に見えた。



 背中全体のヘルニアの病気を患って入院しているが、
手術の話もないし、特にリハビリ以外の、
治療がしていないのは病気の元々の特徴だからまあ、
わからなくはないけど、だが、看護士・看護婦のグループのお話によると、
ここ数年ずっと入退院を繰り返しているみたいだが、
どう見ても、病気はヘルニアではないらしい。



 先生の診察の時だけ仮病を偽っているのではないのかという話が
出ているぐらい元気がいい。



 一番そう思えるのは、私たちとの会話の時だ。

 どう見ても、病人の会話ではない。



 かなり喋りがうまく、笑わせることができるみたいなのはいいのだが、
それを時間稼ぎに使って、リハビリ等をさぼっているのが毎日だ。



 そして今日も、恐らく杉並さんはさぼろうと企んでいる。

 だけど、私は今日、杉並さんに勝てる自信がある!



 でも…昨日のリハビリ中に、
「明後日から、彼氏に会いに行く~」と、うっかり漏らしてしまった…。



 杉並さんは、いい【ネタ】をもらったと思い、次から次へと質問の嵐だった。 

 私の性格上、すぐに顔に出てしまうので、
しまったな~というのが、分かってしまったのだと思う。



 それでも、頑張りますか!彼氏に会うためにも‼
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