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29話 斜陽の王国1
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正午を告げる鐘の音が響く。私は壇上から調練の終了を指示した。
「よし最後三回! 気合いを込めろ!」
ビュッ、ビュッ、ビュッ。
真剣に取り組んでいる者もいれば適当にやっている者もいる。私は教官として注意するべき立場なのだが、調練とは別の任も兼ねているため敢えて口はださない。そして調練を終え、家路に着く途中で後ろから声をかけられた。
「ちょっとそこいく凛々しいお姉さん。私と食事でもどうかしら?」
「すまないがそんな気分ではないのでな、他をあたって......」
「随分イライラしてるわね。端から見てもわかるから気を付けないと」
「......これは魔導教官殿。そんなつもりはありませんでしたが、わかるものですか?」
「ううん、適当に言っただけ」
「......」
「でも今イライラが増したのはわかるわよ?」
「ええ、それは未熟な私でもわかりました」
「「......ぷっ!」」
私達はしばらくの沈黙のあと同じタイミングで笑いだし、近くの料理屋に入った。個室を頼み適当に料理を注文する。
「さてと......団長殿発案の『プレミアム・デイ』だったかしら? 効果は出てる?」
彼女......魔導教官ライミーネ殿がきいているのは、私の上官にあたる近衛騎士団長キドウがとりいれた、『半日で仕事を終わらせ英気を養う』のが目的の日の事で、今日がそれにあたる。
「ええ、出ていますよ。やる気のない者が凄い勢いでダメダメになっていってますね。近衛の名が泣きます」
「リン師範も大変ね。現場を理解していないキドウが自分の人気取りをしたいだけの方針を組み込んだせいで、オーシンの今までの努力が無駄になりそうだものねぇ」
このライミーネ殿は外見は二十代前半の私より少し上くらいにしか見えないのに、オーシン先生とは旧知の仲だ。
「オーシン先生がいなくなってまだ間もないというのに情けない......」
「で、キドウは近衛騎士団五万を三万に減らしてかかる維持費等を浮かせて王国の運営に役立てたい。とか王に提案したんでしょ?」
「はい。やる気のない二万を選別するのが私の別の仕事でもあります。それ故に調練でもあまり口うるさくせずにいるのですが」
私はオーシン先生にきつく鍛えられた。得意とするのは剣よりも槍や棒でオーシン先生が居たときは槍棒師範の地位にいた。腕にもそれなりの覚えがある。なのでオーシン先生が居なくなった後、すぐにキドウから近衛騎士団武芸指南役に任命する命令がきた。けれど、今の方針の為、オーシン先生流で指導が出来ずにフラストレーションがたまっているという訳だ。
「ついでにあのバカ。研究費ばかりかかり成果の出せない魔導兵団は不必要とも訴え、その浮いた費用も王国の運営に回せと言ってくれたのよね」
「え? それは越権行為では」
「そうね、近衛も魔導も規模は違うとは言え、王直轄。立場は対等なんだけど......」
そこへエールと料理のいくつかが運ばれてきた。 ライミーネ殿はその場でエールを飲み干しておかわりを頼み、
「人員の魔法適性がなくて使い物にならない事まではぶっちゃけ私のせいじゃないわよ!」
声を荒げてそう言った。ライミーネ殿自身は王国一の魔法の使い手だ。オーシン先生もそれは言っていたし、私も認めている。けど、それが彼女の立場を特殊なものにしている......とも先生が言っていたのを思い出す。
「人間は魔法の適性がないに等しいってやつでしょうか?」
「そうそうそれそれ。私が例外なのは最初から説明してあるのよ。でも私みたいなのを野放しにするより管理下に置いておいた方が安心でしょ? 人間の魔法適性が解明されてない以上、私みたいな存在がいつ現れないとも限らない。そこで手元に置きつつ新たな適性を持つ人間を探そうとして発足したのが......名目上の魔導兵団って訳」
「たった一人の精鋭中の精鋭ですね」
「リン師範までそんな事言う~」
「すみません、冗談です」
「まぁ、私としてみれば王国にある資料も見放題だし、研究と称して貴重な本なんかも入手できたりもしたから得をした点なんかもあるにはあるんだけどね。おかげで今や魔族や亜人関連の知識にも人間の中では第一人者の自負あるし?」
彼女は愚痴を言いたいが為に私を食事に誘ったのだろうか。そういえば先生がいなくなってから、彼女が誰かと一緒にいる姿を見た事がないような気もする。私はそんな事を考えていた。
「預かった人間が適性を開花させるかどうかは、結局本人次第なところがある訳なのよ。本人の意思を無視して改造とかしちゃう訳にもいかないんだから」
「それはそうですね」
そこは近衛にも通じるのでよく理解できる。
「で、よくわからない『国難』に備えるために近衛を減らして魔導を解散? 立派なものよね~。王直轄とは言え、たかだか騎士団長の一人が国政に口を出そうっていうんだから。王に取り入ったお気に入りだかなんだか知らないけど」
「あ......」
「ん......?」
「近衛が魔導に口を出して越権って訳じゃなかったんですね。国政にまで口を出すと言うのはそれ以上の行為......」
「お堅いリン師範も気付いてくれたか~。じゃあ、その意味するところはなんだと思う?」
意味するところ? まだなにかあるのだろうか。国難に備える......そう言って今回の話を提案した。例えば敵勢力が軍事力を持って侵攻しようとしている情報を得たのならば、軍事を担う者として発言するのは有りだ。あれ? だけどそれだと人員の削減と調練時間の減少をとりいれる方針の辻褄が合わなくなる。その場合なら増員と調練時間の増加になるべきだ。費用を浮かせて人員にその分いい待遇や装備をとかならまだわかるかな? だけどその事については何も......
「浮いた費用って何に......」
「浮かすだけなのよね」
「え......?」
「まずは......よ。おそらくだけど次は自分の人気取りに使えそうなアイデアをだしてくるんじゃないかと見てるけどね」
「え? 宰相でもないのにそんな事まで口にしなくても......」
「は~い、リンちゃん正解!」
思わず言った事に正解と言われ、ちゃん呼ばわりされた事に私は気付かなかった。
「え? え?」
「宰相でもないのに。じゃあ宰相ならいい訳でしょ」
「そう......なりますよね?」
「つまりキドウは、宰相の地位を狙っているって事よ」
「まさか、そんな」
「キドウならこの国の為に身を粉にして働いてくれるわよね? これで王国も安泰だわー」
「そんな訳ないじゃないですか!」
私は思わず机を叩いて立ち上がった。あの男が国の為に働く? 私怨だけでオーシン先生を追い出したような奴が? 妻もいる身でありながら、息子のキトウと同じように私に言い寄ってくるような色ボケ親子が? むしろあれだけ表と裏の顔が違う男を他にしらない! 私は普段できるだけ考えない様にしていた事を考えてしまい、虫酸が走った。目の前には絶句して固まっているライミーネ殿が。私はコホンと咳払いしてイスに座り直した。
「もし、キドウのやりたい放題がまかり通ってしまう様になれば......」
「なれば......リン師範はどう考える? せーので一緒に。せーの」
「「国が滅ぶ」」
私とライミーネ殿の言葉は一字一句違わず見事に重なった。
「よし最後三回! 気合いを込めろ!」
ビュッ、ビュッ、ビュッ。
真剣に取り組んでいる者もいれば適当にやっている者もいる。私は教官として注意するべき立場なのだが、調練とは別の任も兼ねているため敢えて口はださない。そして調練を終え、家路に着く途中で後ろから声をかけられた。
「ちょっとそこいく凛々しいお姉さん。私と食事でもどうかしら?」
「すまないがそんな気分ではないのでな、他をあたって......」
「随分イライラしてるわね。端から見てもわかるから気を付けないと」
「......これは魔導教官殿。そんなつもりはありませんでしたが、わかるものですか?」
「ううん、適当に言っただけ」
「......」
「でも今イライラが増したのはわかるわよ?」
「ええ、それは未熟な私でもわかりました」
「「......ぷっ!」」
私達はしばらくの沈黙のあと同じタイミングで笑いだし、近くの料理屋に入った。個室を頼み適当に料理を注文する。
「さてと......団長殿発案の『プレミアム・デイ』だったかしら? 効果は出てる?」
彼女......魔導教官ライミーネ殿がきいているのは、私の上官にあたる近衛騎士団長キドウがとりいれた、『半日で仕事を終わらせ英気を養う』のが目的の日の事で、今日がそれにあたる。
「ええ、出ていますよ。やる気のない者が凄い勢いでダメダメになっていってますね。近衛の名が泣きます」
「リン師範も大変ね。現場を理解していないキドウが自分の人気取りをしたいだけの方針を組み込んだせいで、オーシンの今までの努力が無駄になりそうだものねぇ」
このライミーネ殿は外見は二十代前半の私より少し上くらいにしか見えないのに、オーシン先生とは旧知の仲だ。
「オーシン先生がいなくなってまだ間もないというのに情けない......」
「で、キドウは近衛騎士団五万を三万に減らしてかかる維持費等を浮かせて王国の運営に役立てたい。とか王に提案したんでしょ?」
「はい。やる気のない二万を選別するのが私の別の仕事でもあります。それ故に調練でもあまり口うるさくせずにいるのですが」
私はオーシン先生にきつく鍛えられた。得意とするのは剣よりも槍や棒でオーシン先生が居たときは槍棒師範の地位にいた。腕にもそれなりの覚えがある。なのでオーシン先生が居なくなった後、すぐにキドウから近衛騎士団武芸指南役に任命する命令がきた。けれど、今の方針の為、オーシン先生流で指導が出来ずにフラストレーションがたまっているという訳だ。
「ついでにあのバカ。研究費ばかりかかり成果の出せない魔導兵団は不必要とも訴え、その浮いた費用も王国の運営に回せと言ってくれたのよね」
「え? それは越権行為では」
「そうね、近衛も魔導も規模は違うとは言え、王直轄。立場は対等なんだけど......」
そこへエールと料理のいくつかが運ばれてきた。 ライミーネ殿はその場でエールを飲み干しておかわりを頼み、
「人員の魔法適性がなくて使い物にならない事まではぶっちゃけ私のせいじゃないわよ!」
声を荒げてそう言った。ライミーネ殿自身は王国一の魔法の使い手だ。オーシン先生もそれは言っていたし、私も認めている。けど、それが彼女の立場を特殊なものにしている......とも先生が言っていたのを思い出す。
「人間は魔法の適性がないに等しいってやつでしょうか?」
「そうそうそれそれ。私が例外なのは最初から説明してあるのよ。でも私みたいなのを野放しにするより管理下に置いておいた方が安心でしょ? 人間の魔法適性が解明されてない以上、私みたいな存在がいつ現れないとも限らない。そこで手元に置きつつ新たな適性を持つ人間を探そうとして発足したのが......名目上の魔導兵団って訳」
「たった一人の精鋭中の精鋭ですね」
「リン師範までそんな事言う~」
「すみません、冗談です」
「まぁ、私としてみれば王国にある資料も見放題だし、研究と称して貴重な本なんかも入手できたりもしたから得をした点なんかもあるにはあるんだけどね。おかげで今や魔族や亜人関連の知識にも人間の中では第一人者の自負あるし?」
彼女は愚痴を言いたいが為に私を食事に誘ったのだろうか。そういえば先生がいなくなってから、彼女が誰かと一緒にいる姿を見た事がないような気もする。私はそんな事を考えていた。
「預かった人間が適性を開花させるかどうかは、結局本人次第なところがある訳なのよ。本人の意思を無視して改造とかしちゃう訳にもいかないんだから」
「それはそうですね」
そこは近衛にも通じるのでよく理解できる。
「で、よくわからない『国難』に備えるために近衛を減らして魔導を解散? 立派なものよね~。王直轄とは言え、たかだか騎士団長の一人が国政に口を出そうっていうんだから。王に取り入ったお気に入りだかなんだか知らないけど」
「あ......」
「ん......?」
「近衛が魔導に口を出して越権って訳じゃなかったんですね。国政にまで口を出すと言うのはそれ以上の行為......」
「お堅いリン師範も気付いてくれたか~。じゃあ、その意味するところはなんだと思う?」
意味するところ? まだなにかあるのだろうか。国難に備える......そう言って今回の話を提案した。例えば敵勢力が軍事力を持って侵攻しようとしている情報を得たのならば、軍事を担う者として発言するのは有りだ。あれ? だけどそれだと人員の削減と調練時間の減少をとりいれる方針の辻褄が合わなくなる。その場合なら増員と調練時間の増加になるべきだ。費用を浮かせて人員にその分いい待遇や装備をとかならまだわかるかな? だけどその事については何も......
「浮いた費用って何に......」
「浮かすだけなのよね」
「え......?」
「まずは......よ。おそらくだけど次は自分の人気取りに使えそうなアイデアをだしてくるんじゃないかと見てるけどね」
「え? 宰相でもないのにそんな事まで口にしなくても......」
「は~い、リンちゃん正解!」
思わず言った事に正解と言われ、ちゃん呼ばわりされた事に私は気付かなかった。
「え? え?」
「宰相でもないのに。じゃあ宰相ならいい訳でしょ」
「そう......なりますよね?」
「つまりキドウは、宰相の地位を狙っているって事よ」
「まさか、そんな」
「キドウならこの国の為に身を粉にして働いてくれるわよね? これで王国も安泰だわー」
「そんな訳ないじゃないですか!」
私は思わず机を叩いて立ち上がった。あの男が国の為に働く? 私怨だけでオーシン先生を追い出したような奴が? 妻もいる身でありながら、息子のキトウと同じように私に言い寄ってくるような色ボケ親子が? むしろあれだけ表と裏の顔が違う男を他にしらない! 私は普段できるだけ考えない様にしていた事を考えてしまい、虫酸が走った。目の前には絶句して固まっているライミーネ殿が。私はコホンと咳払いしてイスに座り直した。
「もし、キドウのやりたい放題がまかり通ってしまう様になれば......」
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