自動翻訳だけでも欲しかった！

１９３ 独り

・・・・・・

何もする気にはなれない・・・。

アルが心配してくれているのは解っている。
それでも・・・

アルが朝の訓練に行って今は１人。
部屋には誰も居ない。

そう、
誰も居ない・・・・俺１人。

父さんも母さんも秋人も紗良も居ない。
俺１人・・・。

涙が止まらない。
俺は携帯のアルバムを開いて写真を見る。

楽しそうに皆が笑っている写真。
写真の中の皆は楽しそうに笑っているのに、どの写真にも俺は映っていない。俺が撮った写真なんだから俺が居ないのは当たり前だが、俺が皆と一緒に居ない事が悲しい・・・。まるで、俺という人間が最初から居なかった様で。

せめて写真だけでも一緒に居たかった。

写真の皆は俺が居なくても平気な様に笑っている。
俺の居ない俺の家族・・・。

逢いたい・・・。
帰りたい・・・。

皆は俺の事を覚えているだろうか？
友達が話していた異世界転移の話の中には、元の世界では主人公は最初から存在していない事になっている話もあった。俺の家族は俺の事を覚えてる？

帰りたい・・・。
声が聞きたい・・・。

父さん母さん
俺は生きているよ。

逢いたいよ。
声が聞きたいよ。
抱き締めてよ。

涙が止まらない・・・。
こんなに泣いたのは初めてだ。

いつも家族が一緒だった。
楽しい事も辛い事もいつも一緒だっただから平気だった。

だけど、
今は独り。誰も居ない・・・。

逢いたい。
どうすれば逢える？
どうすれば家族の元に帰れる？

どうして来たのか、
どうやって来たのか解らないのに、

帰る方法も解らない。


帰りたい・・・。