上 下
4 / 218

4 ジェスチャーゲーム

しおりを挟む
何か言ってるけどやっぱり解らない。
頭を撫でられてる、子供と間違えられてるんだろうなぁ。彼等からしたらチビッ子だもんな・・・一応165㎝はあるけど2mからしたらチビだよねぇ。どうせもうすぐ弟にも抜かれるチビですよ。くすん。

それより、これからどうするかだ。言葉が通じないと色々困る、とりあえず名前からだよね。海外生活経験者なめんなよ!

先ず、自分を指差しながら名乗り次に相手を指して首を傾げる。これで通じるはず!もう一度繰り返し自己紹介している事が分かったはず!・・・だよね?

「★◇†〒♭&※@◎♯□?☆◇アルブレンヒ。」 

同じ様にやってくれた!けど、何だって?

「ある・・・?」

「アル☆◇♯&〒。アル。」

よく分からんがアルでいいらしい。アルと呼んだら頭を撫でられた。もう一人はリカルド、こっちは聞き取れた。小さい時から人の名前が苦手だ、日本人だろうと外国人だろうと、だからいつも、あだ名や略して呼んでた。単語なら覚えられるのに人名になった途端に聞こえない。

まぁアルさんで大丈夫そうだからいいや。敬称は分からないから呼び捨てで。日本人としては呼び捨ては気が引けるけどね。明らかに年上だし。顔がヨーロピアンな顔立ちだから抵抗は少ない。アジアンだったら気が引けるかも。


とりあえず!
無事自己紹介終了!第一関門突破!

気が緩んだ俺は豪快に

ぐるるるるーーー。

静かな部屋に俺の腹の虫が響き渡った。
恥ずかしい!!そういえば、夕食を食べる前に転移させられたんだ。あれからどれ位だったか分からないけど、腹はめっちゃ空いた。

アルは腹を抱えて赤くなる俺の頭を笑いながら撫でてリカルドに何か言うとリカルドは部屋を出て行った。


こんな大きな音初めて聞いたぞ。
羞恥心に悶えた。


しおりを挟む

処理中です...