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第二部
リリアside⑨
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「あーあ。エドガーに会いたいなあ」
卒業パーティー以来、会うことも禁止された。デートの約束していたのにな。それも流れてしまった。侯爵夫人教育だって中止になっている。
結婚式の準備だってあるのに。ドレスのデザインを決めたり招待客をどうするかって忙しかったのに、動きがピタッと止まって動き出す気配がない。
まさか、中止になったりしないよね。一抹の不安が心の中をよぎる。エドガーがあたしを裏切ることなんてないと信じているから、大丈夫よ。エドガーとあたしは強い愛の絆で結ばれているから、大丈夫。あたしは自分に言い聞かせた。
クッションを抱えたままコロンと横に転ぶと寝がえりを打つように仰向けになる。
程よく弾力性のあるベッドはふかふかで寝心地が良くて、シーツも滑らかで肌触りがいいし夏はひんやりとして冬は暖かい。毛布も布団も季節によって厚さや素材が違う。快適な睡眠を得られるように気配りがされていた。
食事だって三食きちんと食べられる。おまけに美味しいおやつまである。今はないけど。ケーキ食べたいな。甘いもの欲しい。すっかり贅沢になれてしまった。
平民の時の暮らしと比べれば、段違いに恵まれた生活をしている。
硬くて動くたびにキシキシと軋むベッドと薄い毛布。部屋も狭くて粗末な家具がいくつかあるだけで、すきま風が年中入ってくる。食べ物も固いパンに見切れ品のしおれた野菜のスープ。たまにお肉が入っていればごちそうだった。
父が生きていた頃はまともな生活をしていたと思う。
家も一軒家で食事だってちゃんとしてた。パンやスープの他に肉や魚も食卓に上がっていたのを覚えている。父も母も優しくて笑顔が絶えない明るい家庭だった。けれど、稼ぎ頭の父が亡くなると生活が一変した。
家賃が払えなくなると借りていた一軒家を追い出され、やっと見つかった家は古い長屋の一室。その日から母と身を寄せ合うように生きてきた。
貧乏だけど、何もないけど、それでも必死で生きてきた。働き過ぎて身体を壊した母が亡くなって途方に暮れていた時に父の生家であるチェント男爵家に拾われたのだ。
あたしは運がよかったのだと思う。
あのままだったら野垂れ死にしていたかもしれない。
養女にしてもらい男爵令嬢として貴族の仲間入りをして、学園でエドガーに出会い恋に落ちた。婚約者がいたけど、婚約はスムーズに解消されて、あたしが婚約者になった。
上手くいきすぎるくらい上手くいきすぎて、有頂天になっていたのかもしれない。
安穏とした生活に慣れ切って、甘やかされて、それで世間を渡っていけると根拠のない自信に満ち溢れていた。
覆水盆に返らず。
取り返しのつかないことをしでかした後では、どうにもならないことにあたしはまだ気づかなかった。
「お嬢様、旦那様がお呼びです」
あれこれと考え込んでいるとマギーの声がした。
案内された部屋に入るとお義父様とお義兄様が椅子に座っていた。
空いている椅子に着席するとメイドがお茶とケーキを運んできた。
ケーキ。
夢にまで見たケーキが瞳いっぱいに映りこむ。謹慎中は目にすることさえなかったケーキ。真っ白な生クリームの上には色とりどりの果物が艶を放っている。我慢できずにケーキを頬張った。
合間に紅茶を喉に流し込むようにして飲んだ。ケーキを食べることに夢中でマナーなど忘れていた。そんなあたしをお義父様とお義兄様が軽蔑の眼差しで見ていることなど知らずに。
「リリア。少しは反省したか?」
ケーキを食べ終わったのを見計らったのかお義兄様が話しかけた。
反省か。一応はしたと思う。あやふやではダメだよね、ここは。
「しました」
「どんなところを反省したんだ」
「えっ? えっと……」
胸を張って答えた分、具体的に突っ込まれると返事に困る。どうしよう。なんて答えよう。
「えっとですね。リチャード君を誘ったのが悪かったのかな、なんて」
そうだよね。元凶はそこよね。あたしがリチャード君に興味を示さなければ、謹慎することもなかったし、エドガーに会えなくなることもなかったと思う。
確信はないから、曖昧に笑って答えた。正解? 不正解? どっち?
「リチャード殿下の御名を気安く呼んではいけない。そんなこともわからないのか? それとも殿下自身が許したのか?」
答えを期待していたら、説教されてしまった。
「うーん。許してもらったわけではないですけど、子供ですよ」
「年齢など関係なく相手は王族だ。我々よりも遥かに身分が高い。敬意を払い礼儀を弁えて接していかねばならないのに。本来なら男爵家ごときがお目通りが叶うような方々ではないんだぞ」
あたしの訴えを無視して延々と説教が続く。聞きたくない。
うんざりしてきた。何を言っても取り合ってくれない。
「どこだろうと関係ない。その緩んだ心根がいざという時に出るんだ。貴族の立ち居振る舞いを身につけるには時間がかかる。しかし、最低限のマナーは習得しておかないと困るのはお前なんだぞ」
「わかっているけど、難しくて、頭がこんがらがってよくわからないんだもん」
これに尽きた。
あいさつや話し方や言葉遣いは相手によって変わってくるらしい。カーテシーとかいう礼の仕方だって、まだ合格点をもらっていない。人のを見ると簡単そうに見えても実際やってみると足にも腰にも来る。辛い姿勢なのだ。
とにかく何もかもがややこしすぎる。
あたしはレッスンの日々を思い出して肩を落とした。
「テンネル侯爵家令息エドガー殿との婚約は白紙に戻す。そして、リリアお前は修道院に入れることにした」
「はっ? 今、なんて言ったの?」
白紙って? まさか、そんなことあるわけないよね。聞き間違いかも。
「かねてから言っていたはず。問題を起こせば婚約を白紙撤回すると。だから、きちんとマナーと教養を身につけるように約束していたはずだな」
分かってる。だからさぼらずに侯爵家に通っていた。
「問題って、何?」
白紙撤回の言葉に動転して頭が真っ白になった。
卒業パーティー以来、会うことも禁止された。デートの約束していたのにな。それも流れてしまった。侯爵夫人教育だって中止になっている。
結婚式の準備だってあるのに。ドレスのデザインを決めたり招待客をどうするかって忙しかったのに、動きがピタッと止まって動き出す気配がない。
まさか、中止になったりしないよね。一抹の不安が心の中をよぎる。エドガーがあたしを裏切ることなんてないと信じているから、大丈夫よ。エドガーとあたしは強い愛の絆で結ばれているから、大丈夫。あたしは自分に言い聞かせた。
クッションを抱えたままコロンと横に転ぶと寝がえりを打つように仰向けになる。
程よく弾力性のあるベッドはふかふかで寝心地が良くて、シーツも滑らかで肌触りがいいし夏はひんやりとして冬は暖かい。毛布も布団も季節によって厚さや素材が違う。快適な睡眠を得られるように気配りがされていた。
食事だって三食きちんと食べられる。おまけに美味しいおやつまである。今はないけど。ケーキ食べたいな。甘いもの欲しい。すっかり贅沢になれてしまった。
平民の時の暮らしと比べれば、段違いに恵まれた生活をしている。
硬くて動くたびにキシキシと軋むベッドと薄い毛布。部屋も狭くて粗末な家具がいくつかあるだけで、すきま風が年中入ってくる。食べ物も固いパンに見切れ品のしおれた野菜のスープ。たまにお肉が入っていればごちそうだった。
父が生きていた頃はまともな生活をしていたと思う。
家も一軒家で食事だってちゃんとしてた。パンやスープの他に肉や魚も食卓に上がっていたのを覚えている。父も母も優しくて笑顔が絶えない明るい家庭だった。けれど、稼ぎ頭の父が亡くなると生活が一変した。
家賃が払えなくなると借りていた一軒家を追い出され、やっと見つかった家は古い長屋の一室。その日から母と身を寄せ合うように生きてきた。
貧乏だけど、何もないけど、それでも必死で生きてきた。働き過ぎて身体を壊した母が亡くなって途方に暮れていた時に父の生家であるチェント男爵家に拾われたのだ。
あたしは運がよかったのだと思う。
あのままだったら野垂れ死にしていたかもしれない。
養女にしてもらい男爵令嬢として貴族の仲間入りをして、学園でエドガーに出会い恋に落ちた。婚約者がいたけど、婚約はスムーズに解消されて、あたしが婚約者になった。
上手くいきすぎるくらい上手くいきすぎて、有頂天になっていたのかもしれない。
安穏とした生活に慣れ切って、甘やかされて、それで世間を渡っていけると根拠のない自信に満ち溢れていた。
覆水盆に返らず。
取り返しのつかないことをしでかした後では、どうにもならないことにあたしはまだ気づかなかった。
「お嬢様、旦那様がお呼びです」
あれこれと考え込んでいるとマギーの声がした。
案内された部屋に入るとお義父様とお義兄様が椅子に座っていた。
空いている椅子に着席するとメイドがお茶とケーキを運んできた。
ケーキ。
夢にまで見たケーキが瞳いっぱいに映りこむ。謹慎中は目にすることさえなかったケーキ。真っ白な生クリームの上には色とりどりの果物が艶を放っている。我慢できずにケーキを頬張った。
合間に紅茶を喉に流し込むようにして飲んだ。ケーキを食べることに夢中でマナーなど忘れていた。そんなあたしをお義父様とお義兄様が軽蔑の眼差しで見ていることなど知らずに。
「リリア。少しは反省したか?」
ケーキを食べ終わったのを見計らったのかお義兄様が話しかけた。
反省か。一応はしたと思う。あやふやではダメだよね、ここは。
「しました」
「どんなところを反省したんだ」
「えっ? えっと……」
胸を張って答えた分、具体的に突っ込まれると返事に困る。どうしよう。なんて答えよう。
「えっとですね。リチャード君を誘ったのが悪かったのかな、なんて」
そうだよね。元凶はそこよね。あたしがリチャード君に興味を示さなければ、謹慎することもなかったし、エドガーに会えなくなることもなかったと思う。
確信はないから、曖昧に笑って答えた。正解? 不正解? どっち?
「リチャード殿下の御名を気安く呼んではいけない。そんなこともわからないのか? それとも殿下自身が許したのか?」
答えを期待していたら、説教されてしまった。
「うーん。許してもらったわけではないですけど、子供ですよ」
「年齢など関係なく相手は王族だ。我々よりも遥かに身分が高い。敬意を払い礼儀を弁えて接していかねばならないのに。本来なら男爵家ごときがお目通りが叶うような方々ではないんだぞ」
あたしの訴えを無視して延々と説教が続く。聞きたくない。
うんざりしてきた。何を言っても取り合ってくれない。
「どこだろうと関係ない。その緩んだ心根がいざという時に出るんだ。貴族の立ち居振る舞いを身につけるには時間がかかる。しかし、最低限のマナーは習得しておかないと困るのはお前なんだぞ」
「わかっているけど、難しくて、頭がこんがらがってよくわからないんだもん」
これに尽きた。
あいさつや話し方や言葉遣いは相手によって変わってくるらしい。カーテシーとかいう礼の仕方だって、まだ合格点をもらっていない。人のを見ると簡単そうに見えても実際やってみると足にも腰にも来る。辛い姿勢なのだ。
とにかく何もかもがややこしすぎる。
あたしはレッスンの日々を思い出して肩を落とした。
「テンネル侯爵家令息エドガー殿との婚約は白紙に戻す。そして、リリアお前は修道院に入れることにした」
「はっ? 今、なんて言ったの?」
白紙って? まさか、そんなことあるわけないよね。聞き間違いかも。
「かねてから言っていたはず。問題を起こせば婚約を白紙撤回すると。だから、きちんとマナーと教養を身につけるように約束していたはずだな」
分かってる。だからさぼらずに侯爵家に通っていた。
「問題って、何?」
白紙撤回の言葉に動転して頭が真っ白になった。
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