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シマシマパンツ
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マーリンの話では、勇者はアップル王国の宿屋に一週間くらい滞在するらしい。
時間に余裕が無いから、早く計画を立てないといけない。
勇者とは人気商売。、人一倍、噂を気にするはず。そんな人が盗みをしていた。それも派手な女性物の着古した下着を盗んでいると公表したらどうなるの?
それを王国の衛兵に言ったところで、勇者は「そんなわけないと」しらばっくれるに決まってる。準備は周到におこなわないといけない。
「実は言ってなかったことがある」
マイが話し合いの最中に、ぽつりと言った。普段真面目な話なんてあまりしないから、どうしたんだろと思ってると。
「私の以前所属していた強盗団なんだけど、元はあの勇者が先導してたんだ。アイツが徒党を組んで魔物の攻撃を受けた村をターゲットにして、面白半分に金品を奪い、女を襲ってたんだ」
私はいちごジャムパンを持つ手が止まる。マドカは口元を抑えてワナワナしてるし、ユウキは天井を見つめている。何か思い当たる節でもあるんだろうか。
「それで、こないだ話した今のリーダーは勇者の弟でさ。こんなこと誰にも言えないだろ。公にしても、もみ消されるだけだしな」
マイは床にあぐらをかいて目を伏せてそんなことを語り始めた。
だとしたら、他にも被害にあっている人は大勢いるはず。そもそもどうしてそんな問題のある人が勇者に選ばれたんだろうか。
「アタシは単独で動いてた。勇者はどうやら偽名を名乗っているらしい。元の名はユダ。今はカミューと呼ばれている。本物のカミューはどこかに幽閉されているらしい」
「ゆっ、幽閉っ!」
まさか、現勇者を名乗っているユダは本物の勇者よりも強いのかな……。心配になってくる。勇者と言えば、最高の魔法と剣技を習得したものだと聞いたこともあるし、本当に私たちだけで捕まえられるの?
「ユダを現行犯で見つけても捕まえられなかったらなんの意味もないよね」
私は、もしかしたらあまりに無謀なことをしているんじゃないかって思えてきた。村人は村人らしくやられっぱなしで、足で踏んずけられるような人生を送るしかないのかなって。
そんなふうに思ってたけど、マイも、ユウキも、マドカもマーリンも目を輝かせて勇者に一泡吹かせることを信じてる。
私がもっとしっかりしないと。
「私も勇者には猫のペットを殺されかけたし、暴力を振るわれたの」
あの忌々しい事件なんて思い出したくもない。
「わたしもなのです」
え? マーリンは勇者パーティで可愛がられてたんじゃないの? まだ小さいし。
「何か酷いことされたの?」
「お母さんを殺されたのです。ウチの一家は有名な魔法使い『サリバン』の家で、他人に魔力を分けてあげられるのですが。あの勇者は……ママが仲間になるのを拒むと、持ってた剣で突き刺して…」
マーリンの瞳が暗くなり、肩が小刻みに揺れている。
「あー、もー、いいわ」
マイはそう言ってマーリンの言葉を遮った。
「分かったよ……」
私は震えるマーリンを優しく抱きしめる。もうさ、何も言わなくていいの。何でだろう。自分がやられたことは震えが止まらないのに、こんな小さい子がやられたと知ったら、力になりたいとか思ってしまう。
昔からそうだった。自分が酷い目に合わされても泣き寝入りとかしてるのに、自分より弱い人がやられてると何故かかばいたくなる。
「皆で仇を打つよ!」
問題は現行犯で捕まえないといけない。ならまずは餌を撒かないと。勇者の通りそうな民家にお母さんの勇者の好きそうな派手目のパンツをぶら下げてとっ捕まえることにした。
時間に余裕が無いから、早く計画を立てないといけない。
勇者とは人気商売。、人一倍、噂を気にするはず。そんな人が盗みをしていた。それも派手な女性物の着古した下着を盗んでいると公表したらどうなるの?
それを王国の衛兵に言ったところで、勇者は「そんなわけないと」しらばっくれるに決まってる。準備は周到におこなわないといけない。
「実は言ってなかったことがある」
マイが話し合いの最中に、ぽつりと言った。普段真面目な話なんてあまりしないから、どうしたんだろと思ってると。
「私の以前所属していた強盗団なんだけど、元はあの勇者が先導してたんだ。アイツが徒党を組んで魔物の攻撃を受けた村をターゲットにして、面白半分に金品を奪い、女を襲ってたんだ」
私はいちごジャムパンを持つ手が止まる。マドカは口元を抑えてワナワナしてるし、ユウキは天井を見つめている。何か思い当たる節でもあるんだろうか。
「それで、こないだ話した今のリーダーは勇者の弟でさ。こんなこと誰にも言えないだろ。公にしても、もみ消されるだけだしな」
マイは床にあぐらをかいて目を伏せてそんなことを語り始めた。
だとしたら、他にも被害にあっている人は大勢いるはず。そもそもどうしてそんな問題のある人が勇者に選ばれたんだろうか。
「アタシは単独で動いてた。勇者はどうやら偽名を名乗っているらしい。元の名はユダ。今はカミューと呼ばれている。本物のカミューはどこかに幽閉されているらしい」
「ゆっ、幽閉っ!」
まさか、現勇者を名乗っているユダは本物の勇者よりも強いのかな……。心配になってくる。勇者と言えば、最高の魔法と剣技を習得したものだと聞いたこともあるし、本当に私たちだけで捕まえられるの?
「ユダを現行犯で見つけても捕まえられなかったらなんの意味もないよね」
私は、もしかしたらあまりに無謀なことをしているんじゃないかって思えてきた。村人は村人らしくやられっぱなしで、足で踏んずけられるような人生を送るしかないのかなって。
そんなふうに思ってたけど、マイも、ユウキも、マドカもマーリンも目を輝かせて勇者に一泡吹かせることを信じてる。
私がもっとしっかりしないと。
「私も勇者には猫のペットを殺されかけたし、暴力を振るわれたの」
あの忌々しい事件なんて思い出したくもない。
「わたしもなのです」
え? マーリンは勇者パーティで可愛がられてたんじゃないの? まだ小さいし。
「何か酷いことされたの?」
「お母さんを殺されたのです。ウチの一家は有名な魔法使い『サリバン』の家で、他人に魔力を分けてあげられるのですが。あの勇者は……ママが仲間になるのを拒むと、持ってた剣で突き刺して…」
マーリンの瞳が暗くなり、肩が小刻みに揺れている。
「あー、もー、いいわ」
マイはそう言ってマーリンの言葉を遮った。
「分かったよ……」
私は震えるマーリンを優しく抱きしめる。もうさ、何も言わなくていいの。何でだろう。自分がやられたことは震えが止まらないのに、こんな小さい子がやられたと知ったら、力になりたいとか思ってしまう。
昔からそうだった。自分が酷い目に合わされても泣き寝入りとかしてるのに、自分より弱い人がやられてると何故かかばいたくなる。
「皆で仇を打つよ!」
問題は現行犯で捕まえないといけない。ならまずは餌を撒かないと。勇者の通りそうな民家にお母さんの勇者の好きそうな派手目のパンツをぶら下げてとっ捕まえることにした。
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