命を救った美女令嬢の家でVRMMOをプレイする。いつか彼女と付き合いたい。

茜色 一凛

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四十五話 『魔女っ子温泉郷』

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 俺たちは魔王の転移魔法で魔女の住む森へと一瞬にして飛んだ。
 瞬きをした瞬間体がふわっと軽くなったかと思えばすぐに森の中へと移動していた。あっという間だった。

「えっ、えっ、早くないですか?」

 アイカは驚きを隠せないような表情を浮かべ、魔王は満足気に俺たちを見ていた。

 髭を擦りながら魔王は言う。

「わしの出来るのはここまでだ。ここから先はお前たちにかかっている。無事僧侶になるための書物を持ってここに来るように!」
「ちょい待て、アイカは女だから魔女の温泉に入っても大丈夫だけど、俺はどうしたら? ここで魔王と待つしかないよな?」

 魔王は首を傾げながら、俺の肩をガシッと掴む。俺は腰が痛いんだ。掴むなよ。

「いたっ、やめろよ!」
「今からわしもお主らのパーティーに加わる。一緒に探してやる」
「いや、無理だろ? ここ女風呂っぽいし。アイカに任せるしか方法はないんじゃないのか?」
「私が後は何とかするからそこのベンチで待ってなさい」

 アイカは『魔女っ子温泉郷』と書かれたのれんのすぐ脇にあるベンチに視線を向ける。

「そうだな。さすがにゲームのキャラだとしても、男性が入るとまずいよな」

 魔王はさっきから何やらうずうずしてる。いつの間にか手にバッグを持ち、バスタオルが出ていた。

 ──こ、これはどういうことだ? アイカのバスタオルだよな?

 魔王は頬を赤らめて、

「実はな、ここは混浴なんだ。そもそもこの世界の魔女というのは妊娠しても女子しか生まれない生き物なんだ。この温泉郷はそんな男性との憩いの場となっておる。俺が囮になるから、三人で参るぞ! いざっ!」

 アイカは魔王の両ほっぺを思いっきり引っ張りだす。

「えっ、えっ嘘でしょ。まさか私の裸も見ようとしてたの? このスケベ!」
「待て待て、何でアイカも湯船に浸かろうとしているんだよ! もう時間がないんだからちゃんとやってくれよ!」

 やばい、この二人完全にやばい。アイカは温泉にゆったりと入り堪能してからボタンを探すようだったし、魔王は最初から魔女っ子達の裸目当て下手すればその先の展開を望んでいる。

 何でなんだよ。杖に体重を乗せながら少しずつ歩く。

「あーもー、分かったわ。脱衣所に探しに行くわよ」
「さてと、目の保養に行くか」

 こんな二人の後を俺は追いかけていく。受付があり、どうやら男性はタダで入れるようだ。ちなみに女性は30万ジュエルらしい。

「なんなのよ! そんな大金持ち合わせがある訳ないじゃない。私どうしたらいいの?外のベンチで待ってればいいの?」

 アイカが大声をあげて叫んでいるので受付のお姉さんが、

「良かったら、この近くに足湯と言うものがありますのでそちらへ行かれてはいかがですか?」

 と、教えてくれた。気づけばアイカは受付の女性に貰った地図を頼りにどこかへ行ってしまう。

 何しに来たんだよ! ったく。俺と魔王は受付でタオルを貸してもらうと、脱衣所に向かって歩き始めた。

 すれ違う女性たちが美しい。魔女と言うと年配の女性のイメージがあるが、ここにいるのは20代が多いのではないか?

「ここって若い子が多いですね。来たことあります?」

「昨日も来たんだが……」

 魔王は呟く。

「あの、もしかしてその前の日もここに来てます?」

「いや、そんな毎日ここに来るほど暇じゃないわ!」

 魔王は少し怒って、いそいそと先へと急ぐ。前から歩いてきた魔女が、

「あら、魔王さん。毎日来てますね。ここは温泉が気持ち良いのでクセになりますよね?」

「人違いじゃないか? ワシ、ん?いや俺はプレイヤーだ」

 そう言っても、

「ご冗談はやめてください。昨日もその前も私と温泉でイチャついていたじゃありませんか? 首の後ろのホクロこれが間違いのない証拠です」

 魔王はちっと舌打ちをするが、彼女は後ろに回り込みホクロを探し当てた。

「ほら、ほらこんなとこにホクロがあります。これが紛れもない証拠ですよ。そんなことよりこないだのあれで分かるでしょ。出来たのよ」

 その瞬間魔王は真っ青になりその場に立ち尽くしてしまった。

 あーやっぱり。こいつこんな調子だから、ジャンヌに逃げられるんだろうな。

「俺先に脱衣所行って探してくる」

 俺はそう言うと、一人向かった。まあ少しぐらい見ても良いだろう。

 風呂場のドアを開けるとそこはまさに桃源郷であった。皆たわわな巨乳を露わにして体をプルンプルン洗っているのだ。

 そんな若い女性が30人ほど先客としていた。駄目だ何やってんだよ。すぐにドアを閉めて脱衣所に戻ると。

 「あ、あの……お風呂入る前にこれ飲むと良いですよ。お風呂入る前に水分取っておかないと倒れたら困りますからね!」
「いえ、結構です。忙しいものですから」

 俺は脱衣所の中をキョロキョロ見回している。それにしてもカゴの数が多い。100ぐらいあるのではなかろうか。そんな中、バスローブを巻いたポニーテールの女性が声をかけたのだ。

 緊張したのか喉がかわいていたので、お風呂に入る訳じゃないけど、その好意に甘えることにした。

 ごくっ、うん? 味は良くあるエナジードリンクの様な味だ。

「おや。何飲ませた? ん、何か下半身元気になってるような。おいっ、なんだこれ。まさかやりやがったか?」

 俺のズボンが東京スカイツリーになるのをその美人魔女は目線を逸らさずじっくりと凝視していた。
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