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七話 『真面目っ子キャラ繋ぎは『し』』

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 さあやってまいりました。今回のお題は真面目なキャラ。は、口調に『し』を入れることでそれっぽくとなるという技です。

 生徒会長や班長、リーダーなど真面目っぽいキャラは丁寧語を使うと良いのですが、更にそこに女性らしさをプラスさせるためには『し』が欠かせません。

 ──ですし
 
 今日は暑いですし、あの子の胸は私のより大きいですし、

 と、『し』を使って文章を繋げていきましょう。後は語尾の『せん』

──せんよ
──せんね

 を使うことでキャラが少しずつ見えてくるのです!


 それでは早速適当に練習してみましょー。

 お題はビールです。

「ぷッはー!」

 ユウキは発泡酒の缶をガンと当ててテーブルに置く。こうやって飲むと気持ちよく飲めるのだ。

「そんなに飲むと飲み過ぎですし、控えた方がよろしいかと思うのです」

「うるへーんだよ。ツグミは子供なんだからテレビでも見てればいいんじゃねーか。毎回俺の世話ばかりしやがって注意とかいらねーからあっちに行ってろよな」

「こないだもそう言って飲みすぎてたでしょう。ほっとくと飲みすぎて朝まで布団に入らずにここで寝てるのでそろそろやめて貰えないでしょうか?」

 本当にうちの子なんだろうか。たまに世間ではトンビが鷹を生んだなんて言葉があるがまさにそうだ。うちのツグミは出来すぎてやがる。

「知りませんよ。明日は早番なのでしょう。遅刻してもいいんですか?」

 ──いいわけないけど、子供にはたまにはガツンと言っとかないと、舐められてからでは遅い。

「ツグミは宿題は終わったのか? 人のことはいいからあっちで勉強でもしといた方がいいんじゃないのか?」

 ツグミは目を大きく見開き、カバンから中間テストの答案用紙を出して缶ビールの横に置く。

「やることはやってます。テストの結果はいつも90点以上ですし、学年でもトップクラスなんですよ。何かの合間にちょこちょこ教科書を読んでますし他の生徒に負けたくないのです」

──ダメだ。結果も出してるじゃないか。こいつは口だけのやつとは違う。俺はそんな奴が大好きなんだ。

 ツグミを抱きしめると、

「すまなかった。少し控えるようにする。今度家族で遊園地でも行こうか!」

 バン

 と、襖が開き、

「あなた何言っての! 低収入なんだから残業してきなさいよ!」

 箒を持った嫁が鬼の形相で立っていた。コイツは家事もやらずに文句ばかりじゃないか……。ため息をつきながらビールに口をつけた。
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