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クレアと歓迎会
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「クレア。私のパーティに体験でお願いしてもいい?」
クレアは口の端を上げて、不気味に微笑むと、そっと私の前に手を差し出した。
ここで握手したら、私がクレアのことを好印象だと思われてしまう。これはまずいとは思いながら、頭の片隅でルナの言葉が頭を通り過ぎる。
一目見て同性でも目を奪われてしまう豊満なバストを持つクレア。それ目当ての冒険者が引き寄せられるのは自然の摂理に違いない。その中には屈強な冒険者も少なからずいるはず。
聖女ルナの言葉が何度も何度も反芻する。
パーティは戦士、調合師各々一人づつ。この先の冒険では心もとないし誰も入らないのだから背に腹はかえられない。
クレアの目はキラキラ輝き自信過剰な性格が伺える。変態だけど、悪い人では無いよね。私は確信した。
思い切ってその手に触れると、クレアは全身をぶるぶるっと震わせ、私の手を強く握ってきた。
変態の手汗がもの凄い。目も潤んでるし、何を考えているのか分からない。まさかレズ?。違う。感動しているんだ。
「それじゃ、メアリ。また明日公園でね。遅れないように!」
隣で私たちの様子を黙って眺めていた赤のドレスをヒラヒラさせるマミは安堵の表情を浮かべると、私にウインクして手を振り何度も後ろを振り返りながら街から去っていった。
「それじゃあ、私たちも行こうか」
「はいっ? クレアとどこへ?」
「言わせんなって! 私たちの親睦会に決まってるだろ!」
クレアは私の唇に視線を向けると、当たり前のように口にした。
親睦会を開くとか決めるのは私で。なんでクレアが勝手に決めるのよ!
クレアは私の腕をがっと掴むと引きずって、あのいきつけのハンバーガーショップへと連れていく。
「やめてー! 何でなのー」
嫌がっているのに全く聞いてない。モデル体形で痩せているのに想像できないくらい力強い。
本当にこんなボディコン女に集まる冒険者なんているのだろうか。仲間になってもらったけどもう後悔してる。短い間って言ったのにこのままだと恐らく魔王退治まで居続けるかもしれない。
背中に寒気ボロがプツプツでき痒くて背もたれに擦り付けた。テーブルの水を飲んで喉を潤した。
「久しぶりだ! この街に来るのは二年ぐらい。この店はあまり変わってないな。そうだ。強引に連れてきたから、アンタの好きなもの何でも好きに頼んでくれ。それにしても店員はいないのか。おーい!」
まるで自分の家で寛ぐようなクレアの振る舞いにこの人大物になるかもしれないと思っていると、店の奥からマーガレットの祖父のシェフが、のそのそと私たちのテーブルについた。
「メアリじゃないか? また来てくれたんだ。たまげたわ! 隣の色っぽい姉ちゃんは友達かい? いよいよ頼もしいパーティーメンバーが続々と集まっているな」
「いえ、そんなんじゃないです。単なる知り合いです。親しい仲でもありませんし」
焦る私の言葉に、クレアが私の声をさえぎろうとした。
「そうなのよー! 私とメアリは、それはそれは深い愛で結ばれてんの! 今日はアタシたちの親睦会にこの汚い店を利用してあげているのだから感謝しな!」
「はいっ? あの……っ、言葉遣い気をつけた方がいいよ……」
慌てて私はクレアに注意すると、おじいさんはニコニコしてるけど、目が笑っていない。
「大丈夫だから。マーガレットの友達なら大歓迎だ。ほんとに気にしなくていいから」
いやいや、おじいさんの手がプルプルと小刻みに震えているしどう考えてもイラついていることは明白だよ。
その割には、クレアを見る目がなにやら少しイヤらしい気もする。目線がボディコンの谷間を凝視してるのは気のせいなのだろうか。
そろそろハッキリと言わないといけない。ズルズルしててもしょうがないし。クレアは短い期間だけの仲間だと。
でも性格上、ハッキリと伝えるのが苦手で、なかなか口に出して言うことなんて出来なかった。
「メニュー、どうする?」
シェフが聞いてきたのでメニューを開いて選ぼうとしたらクレアが慣れた口調で読み上げた。
「一番高いセットを貰うわ、これなんてどう? シーフードのスペシャルバーガーセットとカニクリームコロッケバーガーのセット」
私にメニューを見せてくるが、胸が大きくて肝心のバーガーの写真が全く見えない。
――何カップあるのよ。この大きさはうちの母親ぐらいだからHカップはあるわね。ほんとうに邪魔な胸だわ。引っ込めなさいよ!
「ごめん見えないから胸を手で持ちあげるかメニューを貸してよ!」
私がそう言うとヨイショと掛け声をかけて胸を持ち上げる。そんな様子をシェフは鼻の下を伸ばしながら横目で見ている。ほんとこのクレアの周りの男たちはこんなんばっかりで嫌になる!
「もういいよ。それにしよ」
「さっきから言ってるけど、アタシが誘ったんだから奢るし! あとはどんなパーティーを目指してるんだ? 良かったら聞かせてくれないか」
唐突に真面目な質問をされたことにびっくりした。
視線を掲示板に向け、私の貼り紙を見て、微笑むクレア。
「あー、そーゆーことっ! あなた面白いじゃないの! ほんとに魔王を倒す気なんだ? なんのために? この国は陛下に選ばれた勇者が魔王を倒すのにさ。何だってあんたがノコノコ出てきたのよ」
「理由はあるけど。でもまだ言えないの。素材を集めるために必要なことで……」
興奮してしまい心臓がドキドキしてくる。ただの村娘が魔王を倒すなんて夢物語だ。それでもやらなくちゃいけない。
手を握りしめ、落ち着きを取り戻す。
「まあいいわ! メアリだっけ! あなた面白いかも。ちなみにどんな素材がいるの? チャチャッと集めない?」
図書館で見た本の記憶を辿るとカニが浮かんできた。
「深海ガニのカニ味噌とか……」
「深海ガ二なんてどこに生息してるんだ?」
そこに聞き耳を立てていたシェフが現れる。
「もし良かったら、深海ガニのコロッケバーガーがあるから食べてみるかい? 昨日カニが届いだから、コロッケにしたらつくりすぎてしまってね。ちなみにカニ味噌は私のお腹の中だ」
「えー。もう少し早くこればよかった」
「漁師が漁港にいるかもしれない。出発は今日の夕方とか言ってたし食べてからでも十分間に合うだろう」
☆シーフードスペシャルバーガーセット
ここから船で3ヶ月はかかる場所でしか取れない幻のエビ。マグロエビと言われる時速300キロで泳ぐエビを海に海女さんが飛び込んでモリで突く食材。しかも普通に掴むと人間の体温で腐ってしまうので、頬にある髭を引っ掴んで取らなければならない高級食材。
☆カニクリーミーコロッケバーガーセット
幻の深海ガニのカニ味噌とカニの身を使ったコロッケ。深海カニは凶暴で大人10人がかりで立ち向かわなければならない。眠りの泡を吹くので100回取りに向かっても10回取れればいい方だと言われている。
「さあ、どうぞー」
シェフが持ってきたバーガーは湯気が立ち上り、食欲を掻き立てる香りがする。どちらも美味しそうだった。
クレアはシーフードの方を選んでぱくついていたから、私はカニになった。
田舎モンだとバカにされたくなかったから、いつも食べてる風を装うことにした。
「これ、ナイフとフォークで食べたいんですけど、ありますか?」
もちろんナイフもフォークも一度も使ったことなんてない。
「いやいや、バーガーは手に持って食べるものだろ?」
クレアは慣れた手つきで、ハンバーガーを手でぎゅっと両手で挟み込み、バンズを潰して持つとパクッとお口いっぱいに頬張る。
「くうーっ」
と、自然に声を漏らしながら、顔がほてりながらュースを飲みながらどんどん食べていく。お腹減ってた。
私も同じようにギュゥとハンバーガーを潰して、ひとくち口に運ぶと。
――なにこれ! やばい。何この旨み。家のパン屋には無い味。身は海鮮系の魚よりも旨みが強くて、甘みもあってなんなのよこれ! しかも黄色い部分は少し苦味もあるけど濃厚でとてもクリーミー。バターとも違う奥深い味に私はノックダウン。
「ふぅー!」
「何よ! お腹いっぱいっ?」
「違います! 美味しすぎて少しづつ堪能したいの!」
「お会計だけさきに払ってくるか!」
そう言ってクレアは席をたち、シェフに払いに行くが、
「おい! こら! これお金じゃないだろ!」
凄い剣幕で向かった先から怒声が聞こえてきた
――クレアっ……何やってんのおおおおー!
クレアは口の端を上げて、不気味に微笑むと、そっと私の前に手を差し出した。
ここで握手したら、私がクレアのことを好印象だと思われてしまう。これはまずいとは思いながら、頭の片隅でルナの言葉が頭を通り過ぎる。
一目見て同性でも目を奪われてしまう豊満なバストを持つクレア。それ目当ての冒険者が引き寄せられるのは自然の摂理に違いない。その中には屈強な冒険者も少なからずいるはず。
聖女ルナの言葉が何度も何度も反芻する。
パーティは戦士、調合師各々一人づつ。この先の冒険では心もとないし誰も入らないのだから背に腹はかえられない。
クレアの目はキラキラ輝き自信過剰な性格が伺える。変態だけど、悪い人では無いよね。私は確信した。
思い切ってその手に触れると、クレアは全身をぶるぶるっと震わせ、私の手を強く握ってきた。
変態の手汗がもの凄い。目も潤んでるし、何を考えているのか分からない。まさかレズ?。違う。感動しているんだ。
「それじゃ、メアリ。また明日公園でね。遅れないように!」
隣で私たちの様子を黙って眺めていた赤のドレスをヒラヒラさせるマミは安堵の表情を浮かべると、私にウインクして手を振り何度も後ろを振り返りながら街から去っていった。
「それじゃあ、私たちも行こうか」
「はいっ? クレアとどこへ?」
「言わせんなって! 私たちの親睦会に決まってるだろ!」
クレアは私の唇に視線を向けると、当たり前のように口にした。
親睦会を開くとか決めるのは私で。なんでクレアが勝手に決めるのよ!
クレアは私の腕をがっと掴むと引きずって、あのいきつけのハンバーガーショップへと連れていく。
「やめてー! 何でなのー」
嫌がっているのに全く聞いてない。モデル体形で痩せているのに想像できないくらい力強い。
本当にこんなボディコン女に集まる冒険者なんているのだろうか。仲間になってもらったけどもう後悔してる。短い間って言ったのにこのままだと恐らく魔王退治まで居続けるかもしれない。
背中に寒気ボロがプツプツでき痒くて背もたれに擦り付けた。テーブルの水を飲んで喉を潤した。
「久しぶりだ! この街に来るのは二年ぐらい。この店はあまり変わってないな。そうだ。強引に連れてきたから、アンタの好きなもの何でも好きに頼んでくれ。それにしても店員はいないのか。おーい!」
まるで自分の家で寛ぐようなクレアの振る舞いにこの人大物になるかもしれないと思っていると、店の奥からマーガレットの祖父のシェフが、のそのそと私たちのテーブルについた。
「メアリじゃないか? また来てくれたんだ。たまげたわ! 隣の色っぽい姉ちゃんは友達かい? いよいよ頼もしいパーティーメンバーが続々と集まっているな」
「いえ、そんなんじゃないです。単なる知り合いです。親しい仲でもありませんし」
焦る私の言葉に、クレアが私の声をさえぎろうとした。
「そうなのよー! 私とメアリは、それはそれは深い愛で結ばれてんの! 今日はアタシたちの親睦会にこの汚い店を利用してあげているのだから感謝しな!」
「はいっ? あの……っ、言葉遣い気をつけた方がいいよ……」
慌てて私はクレアに注意すると、おじいさんはニコニコしてるけど、目が笑っていない。
「大丈夫だから。マーガレットの友達なら大歓迎だ。ほんとに気にしなくていいから」
いやいや、おじいさんの手がプルプルと小刻みに震えているしどう考えてもイラついていることは明白だよ。
その割には、クレアを見る目がなにやら少しイヤらしい気もする。目線がボディコンの谷間を凝視してるのは気のせいなのだろうか。
そろそろハッキリと言わないといけない。ズルズルしててもしょうがないし。クレアは短い期間だけの仲間だと。
でも性格上、ハッキリと伝えるのが苦手で、なかなか口に出して言うことなんて出来なかった。
「メニュー、どうする?」
シェフが聞いてきたのでメニューを開いて選ぼうとしたらクレアが慣れた口調で読み上げた。
「一番高いセットを貰うわ、これなんてどう? シーフードのスペシャルバーガーセットとカニクリームコロッケバーガーのセット」
私にメニューを見せてくるが、胸が大きくて肝心のバーガーの写真が全く見えない。
――何カップあるのよ。この大きさはうちの母親ぐらいだからHカップはあるわね。ほんとうに邪魔な胸だわ。引っ込めなさいよ!
「ごめん見えないから胸を手で持ちあげるかメニューを貸してよ!」
私がそう言うとヨイショと掛け声をかけて胸を持ち上げる。そんな様子をシェフは鼻の下を伸ばしながら横目で見ている。ほんとこのクレアの周りの男たちはこんなんばっかりで嫌になる!
「もういいよ。それにしよ」
「さっきから言ってるけど、アタシが誘ったんだから奢るし! あとはどんなパーティーを目指してるんだ? 良かったら聞かせてくれないか」
唐突に真面目な質問をされたことにびっくりした。
視線を掲示板に向け、私の貼り紙を見て、微笑むクレア。
「あー、そーゆーことっ! あなた面白いじゃないの! ほんとに魔王を倒す気なんだ? なんのために? この国は陛下に選ばれた勇者が魔王を倒すのにさ。何だってあんたがノコノコ出てきたのよ」
「理由はあるけど。でもまだ言えないの。素材を集めるために必要なことで……」
興奮してしまい心臓がドキドキしてくる。ただの村娘が魔王を倒すなんて夢物語だ。それでもやらなくちゃいけない。
手を握りしめ、落ち着きを取り戻す。
「まあいいわ! メアリだっけ! あなた面白いかも。ちなみにどんな素材がいるの? チャチャッと集めない?」
図書館で見た本の記憶を辿るとカニが浮かんできた。
「深海ガニのカニ味噌とか……」
「深海ガ二なんてどこに生息してるんだ?」
そこに聞き耳を立てていたシェフが現れる。
「もし良かったら、深海ガニのコロッケバーガーがあるから食べてみるかい? 昨日カニが届いだから、コロッケにしたらつくりすぎてしまってね。ちなみにカニ味噌は私のお腹の中だ」
「えー。もう少し早くこればよかった」
「漁師が漁港にいるかもしれない。出発は今日の夕方とか言ってたし食べてからでも十分間に合うだろう」
☆シーフードスペシャルバーガーセット
ここから船で3ヶ月はかかる場所でしか取れない幻のエビ。マグロエビと言われる時速300キロで泳ぐエビを海に海女さんが飛び込んでモリで突く食材。しかも普通に掴むと人間の体温で腐ってしまうので、頬にある髭を引っ掴んで取らなければならない高級食材。
☆カニクリーミーコロッケバーガーセット
幻の深海ガニのカニ味噌とカニの身を使ったコロッケ。深海カニは凶暴で大人10人がかりで立ち向かわなければならない。眠りの泡を吹くので100回取りに向かっても10回取れればいい方だと言われている。
「さあ、どうぞー」
シェフが持ってきたバーガーは湯気が立ち上り、食欲を掻き立てる香りがする。どちらも美味しそうだった。
クレアはシーフードの方を選んでぱくついていたから、私はカニになった。
田舎モンだとバカにされたくなかったから、いつも食べてる風を装うことにした。
「これ、ナイフとフォークで食べたいんですけど、ありますか?」
もちろんナイフもフォークも一度も使ったことなんてない。
「いやいや、バーガーは手に持って食べるものだろ?」
クレアは慣れた手つきで、ハンバーガーを手でぎゅっと両手で挟み込み、バンズを潰して持つとパクッとお口いっぱいに頬張る。
「くうーっ」
と、自然に声を漏らしながら、顔がほてりながらュースを飲みながらどんどん食べていく。お腹減ってた。
私も同じようにギュゥとハンバーガーを潰して、ひとくち口に運ぶと。
――なにこれ! やばい。何この旨み。家のパン屋には無い味。身は海鮮系の魚よりも旨みが強くて、甘みもあってなんなのよこれ! しかも黄色い部分は少し苦味もあるけど濃厚でとてもクリーミー。バターとも違う奥深い味に私はノックダウン。
「ふぅー!」
「何よ! お腹いっぱいっ?」
「違います! 美味しすぎて少しづつ堪能したいの!」
「お会計だけさきに払ってくるか!」
そう言ってクレアは席をたち、シェフに払いに行くが、
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凄い剣幕で向かった先から怒声が聞こえてきた
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