淫美な虜囚

ヤミイ

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6 淫らな試験①

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初めは、聞き間違いかと思った。

 だが、青年は悠然とソファにもたれ、高々と足を組み、自信満々の態度を崩そうとしない。

「ペット…? こんな時に、何を言い出すんですか? ぜんぜん意味がわからない」

 僕は思わず声を荒げていた。

 こいつ、気は確かか?

 相手の正気を疑わずにはいられなかった。

 人間を、ペットにする…?

 そんな話、聞いたことがない。

 だいたい、誰を…誰をペットにするというのだ?

 ふと、嫌な予感がした。

 もしかして、この男、佐代子姉さんのことを言ってるのか?

 姉さんは誰もが認める美人だし、確かに外見だけでいえばこいつとお似合いだ。

 だから、こいつが早速佐代子姉さんに目をつけたとしても、あながち不思議ではない。

 でも、そんなことが…。

 この鬼畜は、お金の代わりに、姉さんを…?

 そんなの、今のこの日本で許されると思うのか?

 江戸時代や明治時代の話じゃあるまいし、そんな、人身売買みたいなこと…。

 だが、それは僕の勘違いだった。

「なに、簡単なことだよ」

 意味深な笑みを口元に浮かべながら、とんでもないことを翔は言ってのけたのだ。

「1億2000万で、僕が君を買う。そして、君が僕のペットになる。ただそれだけのことさ」

 愕然とした。

 恐怖で口の中がカラカラに乾くのが分かった。

「ぼ、僕を…? な、なぜ…?」

 あり得ない。

 自分の耳が信じられなかった。

 姉ではなく、この僕を…?

 こう見えても、僕は、男なのに…?

「ひと目見て、気に入ったんだ。ほら、事故現場で会った時のこと、覚えていないのかい? 知らせを受けて駆けつけた僕は、茫然と佇む君を見た。あれこそ、運命の出会いだと思ったよ。どこかはかなげな君のその顔、一度も陽を浴びたことのないような白い肌、おびえた小動物のようなやるせない眼、少女のように華奢な体形、細い手足、可愛い臀部…すべて、僕の好みだった。しかも、聞くところによると、君は18歳だという。18といえば、法的にも十分大人だ。自己責任を負うことができる歳だよね。だからさ。だから僕は、父に願い出てこの交渉を任せてもらうことにした、父は一人息子の僕にはことごとく甘いし、1億なんてはした金には興味ないからね。けれど、条件はほかにもあるから、合格かどうかは、試験をしてこれから決めなければならない」

 こいつ…ホモなのか?

 それとも、今は、ゲイと呼ぶのが正しいのだろうか?

 そんな趣味のない僕にはわからない。

「合格かどうかとか、試験とかって…いったい何のこと?」

 おそるおそる、僕はたずねた。

 不安で背筋がざわついたけど、たずねずにはいられなかった。

「そこで裸になるんだ」

 有無を言わせぬ口調に変わって、翔が命令した。

「下着も取って、全裸になりたまえ。これから試験を行う。君が1億2000万にふさわしいペットかどうかを決める、大事な試験をね」
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