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19 新たな仲間
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「どういうこと?」
サーシャのアーモンド形の目がすうっと細くなる。
「まさかおまえ、魔族のスパイじゃあるまいな?」
「あたしが魔族のスパイですって? ないないない。んなこと、あるわけないっしょ」
「だったらなぜ? どこから尾けてた?」
「妖魔の森から。そこでさ、あんたたちの話してるの聞いて、俄然、興味が湧いちゃって」
あの森か。
僕とサーシャが初めて出会った、魔物の樹が生えてた森。
でも、と思う。
あの時、近くに僕ら以外の人の気配なんてあっただろうか。
サーシャも同じ疑念を抱いたようだった。
「嘘をつけ。あの時、森には、あたしたちしかいなかった。人の気配がすれば、剣士の私が気づかぬはずがない」
「剣士ったって、あんたまだ、駆け出しでしょ? それに、そのポンコツな犬は、あん時鼻風邪引いてたしね。いい? あたしは地獄耳なの。近くにいなくても、あんたたちの会話くらいは聞き取れる」
「こうなったら、なんでもいい。秘密を知られた以上、生かしちゃおけない」
サーシャが一歩前へにじり出た。
大剣の切っ先はまっすぐラビスと名乗った占い師に向けられている。
「あらら、ちょっと待ちなさいよお!」
頓狂な声を上げて道化師が僕を指差した。
「先にこの子の怪我をなんとかしたほうがいいんじゃないの? あたしを仲間に入れてくれるなら、ヒーリングしてあげるけど」
「ヒーリング? もしやおまえ、白魔導士、ヒーラーなのか?」
「だったらどうすんの? 聖女だけがヒーラーになれるって決まりはないのよ」
道化師がにやりと笑った。
「そもそもパーチイにヒーラーは必須ってことよね。特に魔王城を目指す極秘パーティならさあ」
「それ以上言うな」
周囲に視線を走らせ、サーシャが制止した。
「ならば証明してみせろ。ウリオの傷を治すんだ。そしたらおまえの素性、信じてやらないこともない」
サーシャのアーモンド形の目がすうっと細くなる。
「まさかおまえ、魔族のスパイじゃあるまいな?」
「あたしが魔族のスパイですって? ないないない。んなこと、あるわけないっしょ」
「だったらなぜ? どこから尾けてた?」
「妖魔の森から。そこでさ、あんたたちの話してるの聞いて、俄然、興味が湧いちゃって」
あの森か。
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でも、と思う。
あの時、近くに僕ら以外の人の気配なんてあっただろうか。
サーシャも同じ疑念を抱いたようだった。
「嘘をつけ。あの時、森には、あたしたちしかいなかった。人の気配がすれば、剣士の私が気づかぬはずがない」
「剣士ったって、あんたまだ、駆け出しでしょ? それに、そのポンコツな犬は、あん時鼻風邪引いてたしね。いい? あたしは地獄耳なの。近くにいなくても、あんたたちの会話くらいは聞き取れる」
「こうなったら、なんでもいい。秘密を知られた以上、生かしちゃおけない」
サーシャが一歩前へにじり出た。
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「あらら、ちょっと待ちなさいよお!」
頓狂な声を上げて道化師が僕を指差した。
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「ヒーリング? もしやおまえ、白魔導士、ヒーラーなのか?」
「だったらどうすんの? 聖女だけがヒーラーになれるって決まりはないのよ」
道化師がにやりと笑った。
「そもそもパーチイにヒーラーは必須ってことよね。特に魔王城を目指す極秘パーティならさあ」
「それ以上言うな」
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