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40 屍龍都市スピカ①
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地上に堕ちた女神ソフィア。
その女神を追って天界から飛来した魔王デミウルゴス。
記憶を失って人間の女として暮らしていたソフィアは、デミウルゴスに襲われ、レイプされた挙句、女児を出産。
その女児こそがサーシャで、教会はその出生の秘密を知りながら、彼女を魔王討伐の旅にー。
魔王の血を引く者なら、確実に彼のもとに辿り着き、覚醒した魔力で魔王城ごと再封印できると踏んで・・・。
そしてサーシャを制御するために、極秘で遣わされたのが、旅の占い師を装ったラビズ。
その役割とは、つかず離れずサーシャを蔭で追いながら、いざという時には、彼女の額に嵌ったティアラ型の呪物を操作することで、彼女の心身が魔族の血に乗っ取られるのを防ぐこと。
この旅の真の姿は、異世界転生者の僕には、理解不能に近い複雑さだった。
僕はといえば、元の世界では単なる露出狂の性犯罪者なのだ。
それが、転生するや否や、これほどまでに緊迫したパーティの一員になるなんて…。
しかも、である。
魔王討伐の成否は、かなりの割合で、僕の肩、いや正確には股間に、かかっているといえるのだ。
なぜって、こともあろうに、僕の精液が魔物たちにとっては強力無比の毒物と化してしまうからー。
更に付け加れば、この世界の不確定因子である僕は、魔族の四天王のひとり、アスタロトの予知能力をも無効にしてしまったらしいのである。
ここまで来るともう、僕こそがサーシャの魔王討伐のための最終兵器であるという事実は否めない。
皮肉と言えば、これほの皮肉もなかった。
確かに僕は変態で、他の何より射精するのが好きである。
僕の趣味はオナニーで、それが高じてたまに下半身を露出したくなってしまうのだ。
ただそれは、あくまで自分が楽しむためであり、例えば女性に見せて悦ぶといったたぐいのものじゃない。
どのみち僕は、現生では否定されるべき禁忌の嗜好を内に秘めた変質者だったのだけど、この世界では、その特質が素晴らしい威力を発揮するというわけなのだ。
更には貴重な精液を生産し続けるために、時折ラビズに陰嚢を揉まれ、シロに男根を舐められる始末ー。
サーシャは、自身の出生の秘密が判明して以来、よほどの時以外は僕に近づかなくなった。
避けられてると気づいた時には傷ついたけど、すぐにわかった。
彼女は恐れているのだ。
僕の精液が、半分魔王の血を引いている彼女自身にも、影響を及ぼすことをー。
考えてみればそれは十分にあり得ることで、そうすると、僕はこれまで彼女に非常に危険な行為を強いてきたことにもなるだろう。
戦闘の際、サーシャの手を借りて射精したことも一度や二度ではないからだ。
もしあの時、彼女の肌に僕の精液の飛沫が一滴でも付着したりしていたら、彼女は今頃死にかけていたかもしれないのである。
そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか城壁に沿ってマウラの街を一周していた。
「やっぱりないわね。北へ向かう通用口」
同じ場所に返ってくると、ため息混じりにラビズがぼやいた。
「どうやっても、残るスピカを通らなきゃなんないみたい」
その女神を追って天界から飛来した魔王デミウルゴス。
記憶を失って人間の女として暮らしていたソフィアは、デミウルゴスに襲われ、レイプされた挙句、女児を出産。
その女児こそがサーシャで、教会はその出生の秘密を知りながら、彼女を魔王討伐の旅にー。
魔王の血を引く者なら、確実に彼のもとに辿り着き、覚醒した魔力で魔王城ごと再封印できると踏んで・・・。
そしてサーシャを制御するために、極秘で遣わされたのが、旅の占い師を装ったラビズ。
その役割とは、つかず離れずサーシャを蔭で追いながら、いざという時には、彼女の額に嵌ったティアラ型の呪物を操作することで、彼女の心身が魔族の血に乗っ取られるのを防ぐこと。
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なぜって、こともあろうに、僕の精液が魔物たちにとっては強力無比の毒物と化してしまうからー。
更に付け加れば、この世界の不確定因子である僕は、魔族の四天王のひとり、アスタロトの予知能力をも無効にしてしまったらしいのである。
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僕の趣味はオナニーで、それが高じてたまに下半身を露出したくなってしまうのだ。
ただそれは、あくまで自分が楽しむためであり、例えば女性に見せて悦ぶといったたぐいのものじゃない。
どのみち僕は、現生では否定されるべき禁忌の嗜好を内に秘めた変質者だったのだけど、この世界では、その特質が素晴らしい威力を発揮するというわけなのだ。
更には貴重な精液を生産し続けるために、時折ラビズに陰嚢を揉まれ、シロに男根を舐められる始末ー。
サーシャは、自身の出生の秘密が判明して以来、よほどの時以外は僕に近づかなくなった。
避けられてると気づいた時には傷ついたけど、すぐにわかった。
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僕の精液が、半分魔王の血を引いている彼女自身にも、影響を及ぼすことをー。
考えてみればそれは十分にあり得ることで、そうすると、僕はこれまで彼女に非常に危険な行為を強いてきたことにもなるだろう。
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もしあの時、彼女の肌に僕の精液の飛沫が一滴でも付着したりしていたら、彼女は今頃死にかけていたかもしれないのである。
そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか城壁に沿ってマウラの街を一周していた。
「やっぱりないわね。北へ向かう通用口」
同じ場所に返ってくると、ため息混じりにラビズがぼやいた。
「どうやっても、残るスピカを通らなきゃなんないみたい」
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