アンドロギュノスは眠れない

ヤミイ

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♠48 絶頂プレイ⑬

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 対面座位に近い体位で私の膣とアナルに二股ペニスを挿入しながら、上体を曲げて私の男根を咥えるのは、いくら屈強な体躯を誇る徹でも、かなり不自然で窮屈な姿勢であるのに違いなかった。

 私の願いを受け容れ、あえてそれに挑戦してくれたのは、保護観察人を超えた徹の愛情だったのだろうか。

 が、その愛情が、徹を殺したのだ。

「いくいくいくうっ! 出る出ちゃううっ!」
 
 突き上げる射精衝動に弓のように反り返り、私はすさまじい解放感に身を任せた。

 どくんどくんどくん。

 すさまじい勢いで尿道が波打ち、極限まで膨張した亀頭の鈴口が爆ぜ、煮えたぎるマグマが徹の口の中いっぱいにぶちまけられる。

 ごくんっ。

 徹が口から溢れる私の精液を飲み下した、その時だった。

「はぎゅ」

 ふいに徹が硬直し、口から泡を吹き出した。

 二本に分かれたペニスが急速に縮んで私の中から抜け落ち、徹の腹の上にとぐろを巻いた。

「と、徹?」

 私の目の前で、徹の裸身が何か別のものに変わっていく。

 ごつごつした岩のような肌。

 額からにょきにょき伸びてくるのは、角だろうか?

「お、鬼・・・?」

 私がそうつぶやいた時には、徹はすでに息絶えていた。

 ギョロ目で天井を睨んだまま、開いた口の端から泡と私の精液の残りを吐き出している。

 また、死んだ。

 しかも、私の”身内”ともいえる、徹まで。

 私は茫然と立ちすくんだ。

 これで三人目だ。

 みんな、私の精子を飲んで…。

 私は股間から半勃ちになったペニスの先に指を這わせ、付着した精液の名残りを掬い取った。

 目の高さに上げ、まじまじと眺めながら、こわごわ匂いを嗅いでみる。

 いつもの栗の花の匂い。

 デンプン糊そっくりな、何の変哲もない液体だ。

 この液体に、いったい何の秘密があるのだろう?

 その時だった。

 卓袱台のほうからブーブー音がした。

 スマホが鳴っている。
 
 画面を見て、私はハッと息を呑んだ。

 え?

 まさか・・・。

 胸がキュンと絞られるような、切ない思いが湧き上がる。

 私の脳裏から、徹の死が一気に掻き消えた。

 

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