バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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13 満員バスの中の痴態⑤

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「アアアアア・・・」

 切なげに身をよじるヨミ。

 ひどく甘い、淫靡な声に、周囲の大人たちの視線が悶える美少年に集中する。

 だが、不思議なことに、誰一人として、痴漢行為を制止しようとする者はいなかった。

 男も女も、老いも若きも、皆、痴漢の手によって嬲り者にされるアルビノの少年を見つめている。

 あたかも、バスの中で突然、興味深いショーでも、始まったかのようにー。

 乳首を勃たせるだけ勃たせると、やがて”手”は、次の行動に移った。

 左手がまずヨミのTシャツを胸の上までめくり上げたかと思うと、右手は下に動き、あの棒状の隆起を覆ったのだ。

 剥き出しになった裸の胸で、カチコチに勃起したヨミの薔薇色の乳首が、狼藉者の指でじかに抓まれる。

「ハアアア・・・」

 耐え切れぬように喘ぐヨミ。

 右手は下腹のラインに垂直に貼りついた棒状の器官を手のひらで包み込み、上下にゆっくりさすっている。

「アフ・・・」

 しなやかな躰が、弓のように反り返った。

「い、いい・・・」

 ヨミの口から洩れたその一言に、僕の中で苦い感情が湧き上がる。

 それが嫉妬だと自覚されるまでに、しばし時間がかかってしまった。

 や、やめろ・・・。

 目の前が、真っ赤に染まった。

 ヨミ、君というやつは・・・。

 どうしてそんな見知らぬ行きずりの誰かの手で、そんなにも気持ちよさそうに悶えてしまうんだ・・・。

 嫉妬に震える僕を、ゆるゆると首を回して、ヨミが見下ろした。

 ヨミは、今にも蕩けそうな表情をしていた。

 そして、その大きな赤い瞳の中では、何か正体のわからぬ感情が揺らめいているようだった・・・。
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