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ヤミイ

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 オナニーの誘惑を退けるのは、至難の技だった。
 それでもなんとか意志の力で、更なる愛撫を求めて震える勃起肉棒からバスタオルを引き剥がす。
 気持ちを落ち着けて、躰拭きを再開した。
 お尻の肉を割り、肛門の湿り気をぬぐう時、またぞろ興奮した。
 片脚を上げ、会陰部を拭く時もそうだった。
 が、欲情を押さえつけて使用済みのタオルを脱衣籠に戻し、別の脱衣籠から持参したあの衣装を取り上げた。
 僕が選んだ衣裳は相当きつく、身に着けるには予想以上の苦労が必要だった。
 一度着たら引き裂かない限りもう脱げなくなるのでは、と思われるほどの窮屈さである。
 けれど、苦労しただけあって、その着心地とその身に着けた後のビジュアルは最高だった。
 これが、僕?
 僕は等身大の鏡に全身を映し、うっとりとつぶやいた。
「すごい・・・」
 正直、今すぐにでも、衣装の上から自分の躰をまさぐりたかった。
 撫でて触ってつかんで、狂おしいほどの快楽に浸りたかった。
 それほどまでに、その衣装に包まれた僕の躰は猥褻で煽情的だったのだ。
 でも、その衝動を辛うじて押さえつけ、バスルームを出た。
 何食わぬ顔でダイニングに顔を出し、カウンターに向かう。
 カウンターの向こうでは、先生の妹だというあの若い女性が、ミキサーで何か作っていた。
 赤いウィッグをつけ、黒と白のミニメイド風ドレスを身に着けている。
「まあ」
 僕が近づくと、美しい目を見開いて、右手を口に当てた。
「それ、ちょっとばかり、素敵すぎない?」
 僕の股間を凝視して、ほんのり頬を赤らめる。
「兄さんなら今着替え中。戻ってきたらきっと驚くわ」
 僕の胸、そして顔を見て、かすかに口元を緩めた。
「できるだけ精のつくものを。強力な精力剤もお願い」
 スツールに腰かけて僕はオーダーした。
「午前中に、予想以上にアレ、たくさん出しちゃったんで」

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