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ヤミイ

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 レオタードの上に、コートを羽織っただけの姿で部屋を出た。
 ぴちぴちの極薄レオタードが、僕の恥ずかしい部分、勃起乳首と勃起ペニスを押さえつけ、つんと上を向いた白桃みたいなお尻の間にきつく食い込んでいる。
 先生も、あのえっちなビキニショーツの上に、コートを羽織っただけの姿である。
 部屋を出てエレベーターに乗ると、先生がB3のパネルを押した。
「このマンションの地下駐車場から、地下鉄の通路に直接行けるようになっている」
「地下鉄?」
「ああ。そうだ。これから君に、地下鉄に乗ってもらう」
 妙な指示だった。
 この大みそか、地下鉄に乗って初詣にでも行けというのだろうか。
「地下鉄で、どこに?」
「別に目的地があるわけではない。環状線だから、一時間もすれば、市内を一周してここに戻ってくる。それまでずっと電車に乗っているだけだ」
「電車に、乗ってるだけ?」
 ますますわけがわからない。
「それにどんな意味が?」
「乗ってみればわかるさ」
 チン。
 澄んだ音がして、エレベーターが最下層に着いた。
 外に出ると、そこは人気のない地下駐車場だった。
 広いスペースに止まっているのは、高級車ばかりである。
 少し歩くと、大きな鉄の扉の前に出た。
 先生がノブを回す。
 開いた隙間から、雑踏の音が漏れ出してきた。
「この恰好で、電車に?」
 ふいにたまらなく恥ずかしくなって、僕はコートの前をぎゅっと寄せた。
 なんせ下は、あの極薄レオタード一枚なのだ。
 しかもまだ勃起は収まっていないときている。
「回送列車を借り切ってある。おおみそかのイベント用にな。だから地下鉄に乗るまでの辛抱だよ。乗ってしまえば、そこはもうある意味楽園みたいなものだ。俺のかつての教え子や知り合いが手ぐすね引いて君を待っている」
 

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