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ヤミイ

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 ジュリに案内されたのは、今朝起きた部屋とは別の部屋だった。
 きのうまで寝起きに使っていた部屋は、僕と先生の体液でかなり汚れていたから、ひょっとするとそのせいかもしれなかった。
「きょうはここよ」
 ドアの向こうに現れたのは、三方が鏡張りになった、ラブホの一室のようないかがわしい雰囲気の部屋である。
 調度類は壁際のベッドと衣装ダンス、そしてテレビのモニター画面。
 きのうの部屋より広く、浴室が備え付けになっているのはありがたい。
「時間になったら起こすから、明日に備えてゆっくり体を休めなさい」
 そう言い残して、ジュリは去って行った。
 もしかしてゆうべのようにジュリ襲われるかと胸の底で期待していた僕は、拍子抜けする思いだった。
 先ほどのプレイでは、ジュリは自慢のペニスを僕には一度も挿入しなかった。
 僕の肛門に入れてくれそうなことを言っていたのに、実際は受けに回った先生を貶めるのに使ったのである。
 未成年でありながら変態性欲者の僕としては、ジュリの長槍タイプの勃起男根も正直味わってみたかったのだ。
 仕方なく、備え付けの浴室でシャワーを浴び、ベッドの端に座った。
 相当疲れているのは確かだったけど、眠れる気がしなかった。
 何より、助清と佐平に連れ去られた先生が気がかりだった。
 助清と佐平のやり口は、おととい、身をもって体験したばかりである。
 あの怪力のマッチョふたりにかかっては、いくら筋骨逞しい先生でも、赤子の手をひねるようなものなのだ。
 今頃先生は、何をされているだろう。
 犯してもいいよ、とジュリは言った。
 ジュリがこのマンションの主であることは、今や火を見るよりも明らかだ。
 ということは、あのふたりを飼っているのもジュリということになる。
 主人である美しい男の娘のお許しが出たのだから、助清と佐平が先生を無罪放免するはずがない。
 じっとしていられなくなって、部屋の中を物色してみることにした。
 試しに衣装ダンスの一番上の引き出しを開けてみると、みるからにいやらしいビキニブリーフがたくさん入っていた。
 ほとんど紐としか見えないものから、SMっぽい革製のもの、そしてセクシーな透明総レース地のもの・・・。
 穿いてみたかった。
 いや、それより先生に穿かせ、勃起ペニスがくっきり浮き出るさまを見てみたい・・・。
 先生の、おなかにくっつかんばかりに反り返ったあの肉のバナナが、いとおしい。
 二番目の引き出しを開けた瞬間、僕はドキッとした。
「こ、これは・・・?」
 ロープ、糸、洗濯ばさみ、コンドーム。
 どれも、僕が家でオナニーに使うものばかりである。
 それらに加え、肩こり用のバイブレーターが二本、入っている。
 これではまるで、寝る前にオナニーしろと言わんばかりではないか。
 おそるおそる、一番下の引き出しを開けてみた。
 予想通り、色々なオイルのチューブや、ローションの瓶が並んでいる。
 真新しいガーゼまで畳んで入れてあるのは、あの官能的なガーゼオナニーの誘いなのだろう。
 僕は妄想しないではいられなかった。
 一番いやらしいビキニブリーフを身につけ、その脇から勃起ペニスを引き出し、雁首の下を細紐で縛る。
 その紐の端をドアノブに縛りつけ、ぴんと張った紐をまたいで、ペニスを尻から後ろに突き出してやる。
 そして鏡を見ながら、両手にたっぷりローションをまぶして、トキトキになったペニスを撫で回すのだ。
 それに飽きたら、床オナニーをしてもいい。
 腹ばいになり、尺取り虫のように硬い床の表面に怒張肉棒をこすりつけながら、コンドームを人差し指に嵌め、オイルで滑りをよくしてから、肛門に突っ込んでやる。
 先生とした時のことを夢想しながらやれば、後三回はイケるに違いない。
 そんなことを考え、股間の肉筒を鬼のように硬くしていた時だった。
 僕はふと、壁の向こうからかすかな喘ぎ声が聞こえてくることに気づいて、ゾクッと身を震わせた。
「だめ・・・そ、そこは・・・」
 先生だった。
 先生が、官能の滴る声で、狂おしく喘いでいる。
「ああ・・・そ、そんな、こと・・・。も、もう、い、いっちゃい、そう・・・」
 なんてことだ。
 ここは、先生が連れ込まれた部屋の隣だったのだ。
 もしやジュリは、最初から、僕にこれを聴かせるつもりだったのかー。
 パンパンパン。
 肉が肉を打つ音が響いた。
 一オクターブ高くなった声で、先生がすすり泣く。
「も、もっと・・・突いて・・。ああん、もう、おかしくなりそう…」
 なんて甘い声だろう。
 許せない。
 狂おしい嫉妬に胸を掻き毟られ、衝動的に僕はベッドによじ登り、声が聞こえてくるほうの壁に右耳を貼りつけた。
 


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