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ソラの世界について、
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あの後絡んできた男子生徒は学園長アルダスにより、彼の実家である屋敷に運ばれ、家族に説明を入れた事により一ヶ月の懲役を言い渡された。
その時にソラのことを放っておいたら危ない!やら、あの四人を助け出さなければならないんだ!など叫んでいたようだが、誰もそれを信じようとは思わなかった。
彼の取り巻きの六人は停学1週間を言い渡されていた。
そしてソラはその場にいた一人ひとりにサナと一緒に謝った、謝られた生徒がサナの家柄に怖がっていた為に許してくれていた事は、誰でもわかったのだが……肝心のソラ達だけは焦りとサナとの出来事の後での動揺で分かっていなかった。
2時限目の授業が終わり、昼休みとなったソラ達は学園の屋上へと昼食を取りに来ていた。
「ごめんね皆……特にウミちゃん……こんな事になるなんて…僕の不注意だった………こんな事なら気配察知を常に使っておくんだったよ……」
ウミとは少し離れた所で正座をするソラ。
それを他の三人は横に並んでじーっと見ていた。
「ん………気にしていない………」
頬を少し膨らませて言った。
少し前に他の猫とも……と言っていたが、やはりウミが認めていない猫で、更にこんな風に他の猫がソラに付いてしまったことに許せない気持ちがあるのだ。
「あのねー?私はーそらくんのー彼女さんじゃなくてーペットだからー?気にしないでー?」
空気も読まずに横から入ってくるサナにウミとソラは睨むが、気にした様子もなく話を続ける。
「そこの子はーそらくんのー彼女さんなんでしょ~?ならー、それでいいじゃ~ん?」
「黙っててね?」
「はーい!」
ソラの言葉に従うと一人黙々と白いパンをかじり始める。
ソラは気を取り直してウミの方を見た。
「ウミちゃん、僕はウミちゃんの為なら何でもする覚悟でいるんだ」
「ん……」
「それにウミちゃんには悲しんで欲しくないんだ、かと言って僕もプライドがあってサナの事を放っておくことは出来ないんだ……勝手でごめん…」
「ん………」
「だから、僕はウミちゃんに許してもらう事しかできない……でもそれだとウミちゃんは納得は出来ないでしょ?」
「…………」
「だから僕はウミちゃんが悲しくなくなるまでいうことをなんでも聞いてあげるよ」
ここでアリーとセシルの身体が反応する…
(な、なんでも?ウミさん……何でもソラ様に?………そ、そらさまぁ///……………)
(な、なんて羨ましいのですかウミ様は………………私だったら………///…)
頭の中でソラに言うことを聞かせる妄想をしていた二人は、はっと妄想から帰ってきて何をソラ様にやらせようとして!?………と、自分が考えていたことに驚いていた。
そして、ソラに言うことを聞かせられる立場にいるウミは、表情には出さないものの、一番心の中で盛り上がっていた。
(ん………ソラにいうことを………………)
「じゃあまず、さっきそこの泥棒猫にしたこと……んむっ!」
ソラはウミの言うことを最後まで聞く前に、唇を奪った。
実際、サナにした時も話を続けさせないでしていた為にこれでいいのだ。
ウミの方がサナよりもソラのことを思っているせいか、反応がサナよりも可愛くなっている。
五分ほど経って、ソラがウミの身体を離した。
すると、ウミはサナと同じく顔を蕩けさせていた。
「ん…………合格///……………」
こうして難無くウミを説得したソラでした。
「そ、ソラ様とウミ様が仲直りできて良かったです」
「えぇ、そうねセシルさん」
昼食をとりだすと、先程とは違った気まずさが流れる。
セシルとアリーが、ソラのことを好きな事をここにいるサナ以外が知っているこの場。
ソラはそうだった僕のことを好きな人がいる前で何をしてるんだ僕は…………と、反省している。
「……………ソラ……」
「ん?」
下を向いて反省している所をウミに声をかけられて顔を上げる。
するとウミは言おうか言わないか、何かを迷っている様子だった。
「どうしたの?ウミちゃん」
首を傾げて聞く。
セシルとアリーは今まで気を紛らわそうと二人で話していたのだが、ウミの雰囲気に何かを感じ、黙って話を聞くことにした。
数秒の沈黙が訪れる………ソラはウミの言うことが大事な事だと思い、自分から言い出すのを真剣な顔で待っている。
「………ソラ……もう一つ言うことを聞いて…?」
必死に声を絞り出したウミはそんな事を聞いた。
「うん、僕はウミちゃんの事をなんでも聞いてあげるよ」
するとウミは胸の前で拳をぎゅっと握った………顔は必死に何かを我慢するような顔をしている。
「………ソラ……ありーと……せしるも………もらって……あげて……」
その言葉にその場にいた全員が目を見開き驚いた。
全員がまさか今その様な事を言うとは思っていなかった。
「それは………ウミちゃん…本当にそのいうことを聞かせたいの?」
ソラは確認を取る……ソラ的にはこれ以上ウミを悲しませる事はしたくないのだ。
「ん………今すぐに……きす………」
「……わかった…………」
無理に微笑んだ顔をみて胸を痛くさせる………だが、ウミのいうことを聞くことが今自分ができる事だと痛む胸にいいきかせた。
「えっ………ちょっ///…待ってください、なにがなんだかっ………あ………///」
「ちょ、ちょっとお待ちくださいましソラ様!?///……わ、私心の準備が!……………でき……て…………」
迫ってくるソラに二人は顔を赤くして身体を押すようにする。
だが本当は受け入れたいと思っているからか、ソラを止めようと押す力が弱まって二人はソラに抱きしめられてしまった。
「アリーさん、セシルさん……二人は僕のことを好きなんだよね?」
二人は膝を地に付け、ソラの顔が上に見えるようになっている。
目の前にはソラの胸元があり、二人は愛おしそうに両手をソラの身体に付けてソラの顔を見上げて言った。
「そ、ソラ様///……私は…ソラ様の事を愛しています///……」
「私も…………ソラ様の事を愛しているわ///……」
その瞬間に、二人の唇にソラの唇が軽く当たった。
それだけでぽーっとするだけになってしまった二人を優しく撫でると、ウミの方へと向き直った。
「ウミちゃん、これでいいかな?」
「ん………いい……平等に………… 」
平等に愛して欲しいとウミが言う、ソラは愛し方は違けれど、勿論こんな事態を起こしてしまった責任は取る気で、平等に愛そうと思っている。
無言でウミを抱きしめる……すこし身体が震えていた………
昼が終わり、午後の授業も終わった。
ソラ達は皆に伝えないといけないことがあると、全員を森の中の小屋へと招いた。
セシルとアリーはこんな森の中に小屋が建っている事に驚きをもって、サナはソラを後ろから、いわゆるあすなろ抱きというもので抱きしめていた。
「皆、ここはこの世界で今まで僕が住んでいたところなんだ……」
「こんな所で………なにか理由がおありで?」
セシルが問いてくる。
「うん、ウミちゃんは違うけど、実は僕この世界の人間では無いんだ」
「へーーじゃーあー、そらくんはーどこの人なのー?」
他の二人が驚き、サナが問う。
「僕は地球って星で生まれたこことは違く、魔法もスキルもない世界からやって来たんだ」
「そ、それは何時頃からこちらにいらっしゃったのですか?」
「んー……確か僕が中学生の時だったから…四年前からかな?」
アリーの質問に答えると二人が驚く。
「それでは今まで四年間もこちらでウミ様と二人だけでお過ごしに………?」
「そ、そんな……魔法もスキルもない世界からやって来たのならウミさんが付いていたとしてもここらの魔物はかなりきついですわ……」
ソラは二人が勘違いしていることに慌ててウミちゃんはその時いなかったよ。
と付け加えた。
「ウミちゃんと出会ったのは時間で言うと四日前なんだ」
「四日前ですか?!仲の良さをみて五年くらいの付き合いに見えます……」
「そ、それでしたら私達もウミさんと同じ様にソラ様と心から愛しく思ってくれるようになれると言うことですね!」
アリーがその事気づき声を上げるとセシルとサナは喜んだ。
ソラ的にはキスをした時から平等に愛するため心を変えて、皆を同じ愛しさを感じているが、愛し方が違う為にそれは気付かれていないようだ。
「皆、ここからが大事な話なんだけどね……?その、ウミちゃんと出会った所…それは魔界と言われる所だったんだ、そこにウミちゃんは捕まっていた」
「魔界!?そ、その様な所にウミ様が!?」
「それにソラ様はそのような所におゆきになられたのですか!?」
二人が驚き、そこにサナが入ってくる。
「そらくんならー魔族の心配はいらないよー強いもんねー?」
その言葉にソラの強さを見たことのある二人が安心を少し取り戻した。それに対してソラは首を横に振った。
「いや、実際に会ったことは無いけどはっきり言って今の僕じゃ勝てないと思うよ……アリーさ、いやアリーは見たことあるから分かるけど、リザードンを知ってるでしょ?」
アリーは呼び捨てにされた事にドキッとしながらも頷いた。
セシルも自身の怪我を治すために使われたドロップ品だと分かっている。
「あの魔物でさえ僕はギリギリで、自分が作った魔道具がなかったら負けていたところだったんだよ」
「ん………強かった…」
「僕的にはあの魔物達の大群はウミちゃんを探す為の魔物だと思ってるんだ」
「それでは!ウミ様の居場所は既に魔界に知られているんじゃ…」
それに関してははっきり分からないソラは、もう既に知られていて向こう側で出撃準備をしているのか、それとも普通に魔物が倒されたと思われているのか、分からないと答える。
「でも、ウミちゃんが狙われて送られた可能性は高いんだ、だから油断はできないし自分ももっと強くならないといけない」
自分はまだウミちゃんを守るための力を持っていない、という意味を込めていうソラに他の四人は少し悲しい顔をする。
「でも、僕だけじゃいくら強くなってもウミちゃん………いや、皆を守る事はできないと思うんだ……だから皆にも強くなってほしいんだ、手伝ってくれるかな?」
「勿論ですわ!ソラ様に負担をかけさせるくらいであれば私はその負担を無くすのが私の務めですわ!」
「はい!私達はソラ様に負担をかけるわけには行きません!!ぜひ手伝わさせてください!!」
「そーだねー手伝うよー?」
皆が強い意志を持ってそう答えた。ソラはありがとうと満面な笑みを皆に向けた。
話が終わり、ソラ達は暗くなるまで小屋で話をすることにした。
「あ、そういえばアリー?アリーって今日僕が愛してるって言葉を聞いた時、口調が戻ってたよね?」
「あ、確かにそうです。アリー様のその口調って作っていたんですか?」
「っ///………わ、忘れてくださいまし!!今の口調はいつもの口調ではなく、自然に出て来るものですの!ですがあの時はそれもまた無意識にいつも通りに戻っていたのですわ!」
照れながら言うアリーに皆はニヨニヨと笑う、照れている姿が微笑ましいからだ。
そしてソラはアリーに近寄って軽いキスをする。
「な、突然どうなされたのですか///」
「アリーはその時いつもの口調に戻る程僕の事を考えて考えて、真剣に答えてくれたってことでしょ?だからありがとってお礼だよ」
「うれしいですわ///……」
「次はいつも素の口調に戻るようにしないとね?僕の事をすごく思うと元に戻るってことだから、これからもっともっと僕の事頭から離れさせられなくしてあげる♪」
「ど、どんな事するきよ///」
「あ、戻ったね?♪」
そう言ってみんなで笑っていると、サナが思い出したように言い出す。
「そういえばーそらくんの世界にはー何があるのー?」
「あ、そう言えば気になりますね。」
サナの言葉に興味を持って皆がソラを見る。
「戦争のない世界だよ、武力とかは必要の無い世界なんだその代わり知識を必要とされてね、今では機械という電気……雷を流すだけで動く物を鉄などで作ったりされているんだよ」
ソラはスマートフォンをアイテムボックスから出して電源を入れた。
この世界は電波が繋がっていないが、何故かこの小屋であれば電波は繋がっている。
スマホを弄り、ストリートビューなるものを起動して日本の様子を見せる。
皆は人の多さや建物など、途中で見るアイスなどの食べ物に興味深々にしている。
「本当は皆も連れてこさせられるなら連れていきたいけど、まだどの条件で向こうに連れて行けるか分からないんだよね………ウミちゃんとは向こうに行けたんだけど……」
「戻ることが出来るのですか?」
セシルが聞いてくる、それに対してうんと、肯定する。
「ねーねー、どうやって世界を渡ってるのー?」
「眠る前に向こうの世界に行きたいと思えばいつでも行けるんだ」
「その時ウミ様はどちらに?」
「あっ!そっか、一緒に眠れば良いのか!?」
セシルの言葉に気が付いた事に、なんでそんな簡単なことが分からなかったんだろうと思いつつ、納得をした。
「その時ウミちゃんを抱きしめていつも眠ってるんだよ!そっか、多分僕の持ってるものとか持っていけるからウミちゃんが僕にくっついていれば物として連れていけるのか♪」
「ん///………ソラの物///」
「「「物として///…………」」」
ソラの言葉に頬を赤めて何かを妄想する女の子たちをみる。
(あ、そっか!そう言えばそれってみんなの事を物扱いしてるってことだよね!?くそー!そう分かるとイライラしてきた!サナは別にいいけど!………サナは別にいいけど!!)
と、大切なことを言うようにソラは心の中で二度同じ言葉を繰り返したのであった。
その時にソラのことを放っておいたら危ない!やら、あの四人を助け出さなければならないんだ!など叫んでいたようだが、誰もそれを信じようとは思わなかった。
彼の取り巻きの六人は停学1週間を言い渡されていた。
そしてソラはその場にいた一人ひとりにサナと一緒に謝った、謝られた生徒がサナの家柄に怖がっていた為に許してくれていた事は、誰でもわかったのだが……肝心のソラ達だけは焦りとサナとの出来事の後での動揺で分かっていなかった。
2時限目の授業が終わり、昼休みとなったソラ達は学園の屋上へと昼食を取りに来ていた。
「ごめんね皆……特にウミちゃん……こんな事になるなんて…僕の不注意だった………こんな事なら気配察知を常に使っておくんだったよ……」
ウミとは少し離れた所で正座をするソラ。
それを他の三人は横に並んでじーっと見ていた。
「ん………気にしていない………」
頬を少し膨らませて言った。
少し前に他の猫とも……と言っていたが、やはりウミが認めていない猫で、更にこんな風に他の猫がソラに付いてしまったことに許せない気持ちがあるのだ。
「あのねー?私はーそらくんのー彼女さんじゃなくてーペットだからー?気にしないでー?」
空気も読まずに横から入ってくるサナにウミとソラは睨むが、気にした様子もなく話を続ける。
「そこの子はーそらくんのー彼女さんなんでしょ~?ならー、それでいいじゃ~ん?」
「黙っててね?」
「はーい!」
ソラの言葉に従うと一人黙々と白いパンをかじり始める。
ソラは気を取り直してウミの方を見た。
「ウミちゃん、僕はウミちゃんの為なら何でもする覚悟でいるんだ」
「ん……」
「それにウミちゃんには悲しんで欲しくないんだ、かと言って僕もプライドがあってサナの事を放っておくことは出来ないんだ……勝手でごめん…」
「ん………」
「だから、僕はウミちゃんに許してもらう事しかできない……でもそれだとウミちゃんは納得は出来ないでしょ?」
「…………」
「だから僕はウミちゃんが悲しくなくなるまでいうことをなんでも聞いてあげるよ」
ここでアリーとセシルの身体が反応する…
(な、なんでも?ウミさん……何でもソラ様に?………そ、そらさまぁ///……………)
(な、なんて羨ましいのですかウミ様は………………私だったら………///…)
頭の中でソラに言うことを聞かせる妄想をしていた二人は、はっと妄想から帰ってきて何をソラ様にやらせようとして!?………と、自分が考えていたことに驚いていた。
そして、ソラに言うことを聞かせられる立場にいるウミは、表情には出さないものの、一番心の中で盛り上がっていた。
(ん………ソラにいうことを………………)
「じゃあまず、さっきそこの泥棒猫にしたこと……んむっ!」
ソラはウミの言うことを最後まで聞く前に、唇を奪った。
実際、サナにした時も話を続けさせないでしていた為にこれでいいのだ。
ウミの方がサナよりもソラのことを思っているせいか、反応がサナよりも可愛くなっている。
五分ほど経って、ソラがウミの身体を離した。
すると、ウミはサナと同じく顔を蕩けさせていた。
「ん…………合格///……………」
こうして難無くウミを説得したソラでした。
「そ、ソラ様とウミ様が仲直りできて良かったです」
「えぇ、そうねセシルさん」
昼食をとりだすと、先程とは違った気まずさが流れる。
セシルとアリーが、ソラのことを好きな事をここにいるサナ以外が知っているこの場。
ソラはそうだった僕のことを好きな人がいる前で何をしてるんだ僕は…………と、反省している。
「……………ソラ……」
「ん?」
下を向いて反省している所をウミに声をかけられて顔を上げる。
するとウミは言おうか言わないか、何かを迷っている様子だった。
「どうしたの?ウミちゃん」
首を傾げて聞く。
セシルとアリーは今まで気を紛らわそうと二人で話していたのだが、ウミの雰囲気に何かを感じ、黙って話を聞くことにした。
数秒の沈黙が訪れる………ソラはウミの言うことが大事な事だと思い、自分から言い出すのを真剣な顔で待っている。
「………ソラ……もう一つ言うことを聞いて…?」
必死に声を絞り出したウミはそんな事を聞いた。
「うん、僕はウミちゃんの事をなんでも聞いてあげるよ」
するとウミは胸の前で拳をぎゅっと握った………顔は必死に何かを我慢するような顔をしている。
「………ソラ……ありーと……せしるも………もらって……あげて……」
その言葉にその場にいた全員が目を見開き驚いた。
全員がまさか今その様な事を言うとは思っていなかった。
「それは………ウミちゃん…本当にそのいうことを聞かせたいの?」
ソラは確認を取る……ソラ的にはこれ以上ウミを悲しませる事はしたくないのだ。
「ん………今すぐに……きす………」
「……わかった…………」
無理に微笑んだ顔をみて胸を痛くさせる………だが、ウミのいうことを聞くことが今自分ができる事だと痛む胸にいいきかせた。
「えっ………ちょっ///…待ってください、なにがなんだかっ………あ………///」
「ちょ、ちょっとお待ちくださいましソラ様!?///……わ、私心の準備が!……………でき……て…………」
迫ってくるソラに二人は顔を赤くして身体を押すようにする。
だが本当は受け入れたいと思っているからか、ソラを止めようと押す力が弱まって二人はソラに抱きしめられてしまった。
「アリーさん、セシルさん……二人は僕のことを好きなんだよね?」
二人は膝を地に付け、ソラの顔が上に見えるようになっている。
目の前にはソラの胸元があり、二人は愛おしそうに両手をソラの身体に付けてソラの顔を見上げて言った。
「そ、ソラ様///……私は…ソラ様の事を愛しています///……」
「私も…………ソラ様の事を愛しているわ///……」
その瞬間に、二人の唇にソラの唇が軽く当たった。
それだけでぽーっとするだけになってしまった二人を優しく撫でると、ウミの方へと向き直った。
「ウミちゃん、これでいいかな?」
「ん………いい……平等に………… 」
平等に愛して欲しいとウミが言う、ソラは愛し方は違けれど、勿論こんな事態を起こしてしまった責任は取る気で、平等に愛そうと思っている。
無言でウミを抱きしめる……すこし身体が震えていた………
昼が終わり、午後の授業も終わった。
ソラ達は皆に伝えないといけないことがあると、全員を森の中の小屋へと招いた。
セシルとアリーはこんな森の中に小屋が建っている事に驚きをもって、サナはソラを後ろから、いわゆるあすなろ抱きというもので抱きしめていた。
「皆、ここはこの世界で今まで僕が住んでいたところなんだ……」
「こんな所で………なにか理由がおありで?」
セシルが問いてくる。
「うん、ウミちゃんは違うけど、実は僕この世界の人間では無いんだ」
「へーーじゃーあー、そらくんはーどこの人なのー?」
他の二人が驚き、サナが問う。
「僕は地球って星で生まれたこことは違く、魔法もスキルもない世界からやって来たんだ」
「そ、それは何時頃からこちらにいらっしゃったのですか?」
「んー……確か僕が中学生の時だったから…四年前からかな?」
アリーの質問に答えると二人が驚く。
「それでは今まで四年間もこちらでウミ様と二人だけでお過ごしに………?」
「そ、そんな……魔法もスキルもない世界からやって来たのならウミさんが付いていたとしてもここらの魔物はかなりきついですわ……」
ソラは二人が勘違いしていることに慌ててウミちゃんはその時いなかったよ。
と付け加えた。
「ウミちゃんと出会ったのは時間で言うと四日前なんだ」
「四日前ですか?!仲の良さをみて五年くらいの付き合いに見えます……」
「そ、それでしたら私達もウミさんと同じ様にソラ様と心から愛しく思ってくれるようになれると言うことですね!」
アリーがその事気づき声を上げるとセシルとサナは喜んだ。
ソラ的にはキスをした時から平等に愛するため心を変えて、皆を同じ愛しさを感じているが、愛し方が違う為にそれは気付かれていないようだ。
「皆、ここからが大事な話なんだけどね……?その、ウミちゃんと出会った所…それは魔界と言われる所だったんだ、そこにウミちゃんは捕まっていた」
「魔界!?そ、その様な所にウミ様が!?」
「それにソラ様はそのような所におゆきになられたのですか!?」
二人が驚き、そこにサナが入ってくる。
「そらくんならー魔族の心配はいらないよー強いもんねー?」
その言葉にソラの強さを見たことのある二人が安心を少し取り戻した。それに対してソラは首を横に振った。
「いや、実際に会ったことは無いけどはっきり言って今の僕じゃ勝てないと思うよ……アリーさ、いやアリーは見たことあるから分かるけど、リザードンを知ってるでしょ?」
アリーは呼び捨てにされた事にドキッとしながらも頷いた。
セシルも自身の怪我を治すために使われたドロップ品だと分かっている。
「あの魔物でさえ僕はギリギリで、自分が作った魔道具がなかったら負けていたところだったんだよ」
「ん………強かった…」
「僕的にはあの魔物達の大群はウミちゃんを探す為の魔物だと思ってるんだ」
「それでは!ウミ様の居場所は既に魔界に知られているんじゃ…」
それに関してははっきり分からないソラは、もう既に知られていて向こう側で出撃準備をしているのか、それとも普通に魔物が倒されたと思われているのか、分からないと答える。
「でも、ウミちゃんが狙われて送られた可能性は高いんだ、だから油断はできないし自分ももっと強くならないといけない」
自分はまだウミちゃんを守るための力を持っていない、という意味を込めていうソラに他の四人は少し悲しい顔をする。
「でも、僕だけじゃいくら強くなってもウミちゃん………いや、皆を守る事はできないと思うんだ……だから皆にも強くなってほしいんだ、手伝ってくれるかな?」
「勿論ですわ!ソラ様に負担をかけさせるくらいであれば私はその負担を無くすのが私の務めですわ!」
「はい!私達はソラ様に負担をかけるわけには行きません!!ぜひ手伝わさせてください!!」
「そーだねー手伝うよー?」
皆が強い意志を持ってそう答えた。ソラはありがとうと満面な笑みを皆に向けた。
話が終わり、ソラ達は暗くなるまで小屋で話をすることにした。
「あ、そういえばアリー?アリーって今日僕が愛してるって言葉を聞いた時、口調が戻ってたよね?」
「あ、確かにそうです。アリー様のその口調って作っていたんですか?」
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そしてソラはアリーに近寄って軽いキスをする。
「な、突然どうなされたのですか///」
「アリーはその時いつもの口調に戻る程僕の事を考えて考えて、真剣に答えてくれたってことでしょ?だからありがとってお礼だよ」
「うれしいですわ///……」
「次はいつも素の口調に戻るようにしないとね?僕の事をすごく思うと元に戻るってことだから、これからもっともっと僕の事頭から離れさせられなくしてあげる♪」
「ど、どんな事するきよ///」
「あ、戻ったね?♪」
そう言ってみんなで笑っていると、サナが思い出したように言い出す。
「そういえばーそらくんの世界にはー何があるのー?」
「あ、そう言えば気になりますね。」
サナの言葉に興味を持って皆がソラを見る。
「戦争のない世界だよ、武力とかは必要の無い世界なんだその代わり知識を必要とされてね、今では機械という電気……雷を流すだけで動く物を鉄などで作ったりされているんだよ」
ソラはスマートフォンをアイテムボックスから出して電源を入れた。
この世界は電波が繋がっていないが、何故かこの小屋であれば電波は繋がっている。
スマホを弄り、ストリートビューなるものを起動して日本の様子を見せる。
皆は人の多さや建物など、途中で見るアイスなどの食べ物に興味深々にしている。
「本当は皆も連れてこさせられるなら連れていきたいけど、まだどの条件で向こうに連れて行けるか分からないんだよね………ウミちゃんとは向こうに行けたんだけど……」
「戻ることが出来るのですか?」
セシルが聞いてくる、それに対してうんと、肯定する。
「ねーねー、どうやって世界を渡ってるのー?」
「眠る前に向こうの世界に行きたいと思えばいつでも行けるんだ」
「その時ウミ様はどちらに?」
「あっ!そっか、一緒に眠れば良いのか!?」
セシルの言葉に気が付いた事に、なんでそんな簡単なことが分からなかったんだろうと思いつつ、納得をした。
「その時ウミちゃんを抱きしめていつも眠ってるんだよ!そっか、多分僕の持ってるものとか持っていけるからウミちゃんが僕にくっついていれば物として連れていけるのか♪」
「ん///………ソラの物///」
「「「物として///…………」」」
ソラの言葉に頬を赤めて何かを妄想する女の子たちをみる。
(あ、そっか!そう言えばそれってみんなの事を物扱いしてるってことだよね!?くそー!そう分かるとイライラしてきた!サナは別にいいけど!………サナは別にいいけど!!)
と、大切なことを言うようにソラは心の中で二度同じ言葉を繰り返したのであった。
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でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
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2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
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