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気づいたら、真っ暗なリビングに座っていた。もう日が暮れている。低くかけていたラジオが五時過ぎの時刻を知らせていてる。
上着をつかんで駅に急ぐ。一瞬、気がとがめた。電話の声がわたしを諌める。
噴水広場は、待ち合わせによく使われる場所だ。タクシーから降りると、人込みの中に陸の姿を見つけた。どんなに大勢の人間がいようとも、陸のことは真っ先に見つけられる。
実際、彼は人目を引く容姿をしている。
「陸……」
わたしと目が合った陸は、にこりと笑った。
革のジャケットに身を包み、両手をポケットに入れて立つ陸からは、少年の面影は薄れ青年のたたずまいを備え初めていた。
去年よりも更に骨組みが確かになってきた均整の取れた体に、長めに伸ばした前髪。こんな彼に魅かれないほうが不思議だ。
「お父さん」
ほほ笑む彼の顔に、息子の顔を重ねてしまう。わたしのなかでは、息子はまだ子どものままなのだ。自分の罪深さに、ただうなだれてしまう。
「大学に合格したよ。今は、こっちに住んでる」
ソファにゆったりと座り、今までにない快活な様子で陸は話した。と、急にまじめな顔つきをするとわたしに抱きついてきた。
「ありがとう」
小さな声で陸はわたしに言った。なんのことか分からず、ただ陸の体がなつかしくて両腕で抱き締める。
「合格したとき、すぐに知らせたかったんだ。でもルールを破ったら、もう会えなくなるから。だから今日まで我慢したんだ。ありがとう。去年お父さんが励ましてくれたから、俺がんばれたんだよ」
「律義な子だな。奨学金もとれたようだね、その様子じゃ」
うん、と陸が体をつけたまま答えた。
「バイトもしなきゃ、駄目だけどね。でも、楽しいよ」
息子の陸もアルバイトをしているのだろうか。母親の陰に隠れているような子どもだった。仕事にかまけて、息子にゆっくりと付きあったことなどないような気がする。
「ユタカくんも元気かい? ひょっとして一緒に暮らしているのかな」
陸は頬をかすかに染めた。恋人ともうまくいっているらしい。
「元気だよ。俺とは違うとこだけど、ユタカもこっちの大学なんだ。しょっちゅう行き来してる。でも、一緒には暮らしてない」
「どうして、一緒に暮らさないんだい。進学はいいきっかけだったろうに」
「俺、ひとと暮らしたことがほとんどないんだ。なんていうか、家族らしい生活をね、したことがないから。ユタカと暮らす自信がない…」
陸は、眉を曇らせた。自信がない、か。わたしはため息をついた。わたしも、自信がないよ。
「どうしたの、お父さんは元気がないよ」
「ああ……さっき、東京の息子から電話があってね」
陸はわたしから体を離して、座り直した。深刻な様子が伝わってしまったのだろうか。せっかく一年ぶりに会ったのに、わたしの気持ちは沈みこんだままだ。
「妻が入院したって連絡だった。風邪をこじらせて肺炎を起こしたんだそうだ。重病ってわけじゃない。むこうには妻の両親や姉妹がいるから、看病の人手は足りているだろうから、あえてわたしが行く必要もない」
「帰ったら? ねえ、帰った方がいいよ。東京まで三時間で行けるよ」
わたしは首を振った。
「帰れないよ。家族に合わせる顔がない。実はこっちに来てから、一度も家族とは会っていないんだ」
「どうして?」
陸のまっすぐな瞳が問い返す。息子もこんな表情をした。あのとき、M市に転勤だと家族に告げた夜に。どうして? と。
「陸は、自分がゲイだと思っているかい。そのことを受け入れている?」
わたしが何人目か、まで聞きたかったがそのことには触れずにおいた。陸はわずかに逡巡するように、首をかしげた。
「自覚はあるよ。俺は男しか好きになれないから」
「わたしは、バイセクシャルだよ。でも、男のほうが若干好きかな。妻はわたしのことをすべて分かっていて結婚したんだ。勇ましい女性でね。大学の同級生なんだが、今はひとりで設計事務所をやっている」
そう、わたしと肩を並べるほどの長身の美女だった。思ったことはストレートに口にする。出会って間もなく、わたしをバイだと見抜いたほど勘の鋭い女。
「妻のことは、同志のように思っているよ。一緒に人生を過ごす運命共同体だと、思っていた。ただわたしの遊びが過ぎた。わたしは狡い男なんだ。同性なら、妊娠の心配もないし、まして商売の子たちとなら割り切ったつきあいが出来る。彼女はそうとう我慢していたろう。だから天罰が下った。街で声をかけて関係をもった子が素人だったんだ。わたしが初めてだと後で知らされた。そのうちむこうが本気になって、会社にまで乗り込んで来て……」
ータカムラ!
今でも悪夢のようによみがえる。わたしの名を大声で叫ぶ彼の姿を。ガラス張りの会社の受付で人目もはばからず、取り乱している姿を。
「左遷されたの?」
そう、とわたしは力無く笑った。転勤じゃない、左遷。
座礁しかけていたプロジェクトに参加させられた。当時、本社では手を引くべきだという意見が圧倒的だった、成功率の低いプロジェクト。
本社の思惑は成功すればもっけの幸い、失敗したらわたしに詰め腹を切らせればいい。そうすれば、醜聞にまみれたわたしを公然と退職に追い込めると半ば期待しての事らしい。
「息子はそんな経緯は知らない。でも……」
何もかも承知の妻はわたしを許してはいないだろう。なんの連絡もない、それが証拠だ。そうして、わたしは年に一度とはいえ陸とつき合っている。それを心待ちにしている。こりもせず、反省などせずに。こんな状況で、どうして妻に会えるだろう。
「来て欲しいから、電話をしたんだよ」
陸はわたしの肩に両手を回して耳元でささやいた。
「俺だったら、会いたいよ。お父さんと、どんなことがあったとしても。お母さんが入院して、きっとひとりで心細くて不安だから。だから、電話したんだよ」
そして、もう一度言った。会いたいよ、と。そう、わたしも会いたい。詫びる言葉はなくても、合わせる顔などなくても、息子に、妻に、家族に会いたい。
「帰っても許されるんだろうか、こんなわたしが家族に会う資格があるんだろうか」
「お父さん、資格なんていらないよ。ただ、会いたいって気持ちだけで充分なんだよ」
「なぜかな? 今日の陸は優しいね」
それ以上なにも言わず、陸はわたしにもたれかかった。
「駅まで見送るから。まだ最終には間に合うよ」
そして帰る用意をと、陸はすすめた。
ためらいが胸を満たし始めた。東京に帰ることになれば、また一年陸に会えない。また一年、彼に触れることはかなわない。けれど家族の元へ帰ると決心したのに、こんな不謹慎なことを考える自分は、やっぱり最低な男だと思った。
「陸」
クロゼットの前まできて、わたしは彼を呼んだ。陸はベンジャミンのそばで外を眺めていた。その横顔からは表情が完全に抜け落ちていた。
慌てて駆け寄り、力いっぱい陸を抱き締めた。そうだ、わたしがいなくなったら彼は誰と新年を迎えるのだろう。
「へいき。ユタカと連絡取るから」
うつむいた陸の目から、ぽろんと涙が落ちた。その姿は、まるで幼い子供だ。あの待ち合わせ場所で見た、青年の陸ではなかった。
「来年も、会ってくれるかい?」
うん、と陸が半分泣きながら答えた。答えながら、声を押し殺して泣いた。
切なさで胸が締めつけられる。感情に身を任せ、そのまま陸を絨毯に押し倒す。
陸は拒まなかった。
上着をつかんで駅に急ぐ。一瞬、気がとがめた。電話の声がわたしを諌める。
噴水広場は、待ち合わせによく使われる場所だ。タクシーから降りると、人込みの中に陸の姿を見つけた。どんなに大勢の人間がいようとも、陸のことは真っ先に見つけられる。
実際、彼は人目を引く容姿をしている。
「陸……」
わたしと目が合った陸は、にこりと笑った。
革のジャケットに身を包み、両手をポケットに入れて立つ陸からは、少年の面影は薄れ青年のたたずまいを備え初めていた。
去年よりも更に骨組みが確かになってきた均整の取れた体に、長めに伸ばした前髪。こんな彼に魅かれないほうが不思議だ。
「お父さん」
ほほ笑む彼の顔に、息子の顔を重ねてしまう。わたしのなかでは、息子はまだ子どものままなのだ。自分の罪深さに、ただうなだれてしまう。
「大学に合格したよ。今は、こっちに住んでる」
ソファにゆったりと座り、今までにない快活な様子で陸は話した。と、急にまじめな顔つきをするとわたしに抱きついてきた。
「ありがとう」
小さな声で陸はわたしに言った。なんのことか分からず、ただ陸の体がなつかしくて両腕で抱き締める。
「合格したとき、すぐに知らせたかったんだ。でもルールを破ったら、もう会えなくなるから。だから今日まで我慢したんだ。ありがとう。去年お父さんが励ましてくれたから、俺がんばれたんだよ」
「律義な子だな。奨学金もとれたようだね、その様子じゃ」
うん、と陸が体をつけたまま答えた。
「バイトもしなきゃ、駄目だけどね。でも、楽しいよ」
息子の陸もアルバイトをしているのだろうか。母親の陰に隠れているような子どもだった。仕事にかまけて、息子にゆっくりと付きあったことなどないような気がする。
「ユタカくんも元気かい? ひょっとして一緒に暮らしているのかな」
陸は頬をかすかに染めた。恋人ともうまくいっているらしい。
「元気だよ。俺とは違うとこだけど、ユタカもこっちの大学なんだ。しょっちゅう行き来してる。でも、一緒には暮らしてない」
「どうして、一緒に暮らさないんだい。進学はいいきっかけだったろうに」
「俺、ひとと暮らしたことがほとんどないんだ。なんていうか、家族らしい生活をね、したことがないから。ユタカと暮らす自信がない…」
陸は、眉を曇らせた。自信がない、か。わたしはため息をついた。わたしも、自信がないよ。
「どうしたの、お父さんは元気がないよ」
「ああ……さっき、東京の息子から電話があってね」
陸はわたしから体を離して、座り直した。深刻な様子が伝わってしまったのだろうか。せっかく一年ぶりに会ったのに、わたしの気持ちは沈みこんだままだ。
「妻が入院したって連絡だった。風邪をこじらせて肺炎を起こしたんだそうだ。重病ってわけじゃない。むこうには妻の両親や姉妹がいるから、看病の人手は足りているだろうから、あえてわたしが行く必要もない」
「帰ったら? ねえ、帰った方がいいよ。東京まで三時間で行けるよ」
わたしは首を振った。
「帰れないよ。家族に合わせる顔がない。実はこっちに来てから、一度も家族とは会っていないんだ」
「どうして?」
陸のまっすぐな瞳が問い返す。息子もこんな表情をした。あのとき、M市に転勤だと家族に告げた夜に。どうして? と。
「陸は、自分がゲイだと思っているかい。そのことを受け入れている?」
わたしが何人目か、まで聞きたかったがそのことには触れずにおいた。陸はわずかに逡巡するように、首をかしげた。
「自覚はあるよ。俺は男しか好きになれないから」
「わたしは、バイセクシャルだよ。でも、男のほうが若干好きかな。妻はわたしのことをすべて分かっていて結婚したんだ。勇ましい女性でね。大学の同級生なんだが、今はひとりで設計事務所をやっている」
そう、わたしと肩を並べるほどの長身の美女だった。思ったことはストレートに口にする。出会って間もなく、わたしをバイだと見抜いたほど勘の鋭い女。
「妻のことは、同志のように思っているよ。一緒に人生を過ごす運命共同体だと、思っていた。ただわたしの遊びが過ぎた。わたしは狡い男なんだ。同性なら、妊娠の心配もないし、まして商売の子たちとなら割り切ったつきあいが出来る。彼女はそうとう我慢していたろう。だから天罰が下った。街で声をかけて関係をもった子が素人だったんだ。わたしが初めてだと後で知らされた。そのうちむこうが本気になって、会社にまで乗り込んで来て……」
ータカムラ!
今でも悪夢のようによみがえる。わたしの名を大声で叫ぶ彼の姿を。ガラス張りの会社の受付で人目もはばからず、取り乱している姿を。
「左遷されたの?」
そう、とわたしは力無く笑った。転勤じゃない、左遷。
座礁しかけていたプロジェクトに参加させられた。当時、本社では手を引くべきだという意見が圧倒的だった、成功率の低いプロジェクト。
本社の思惑は成功すればもっけの幸い、失敗したらわたしに詰め腹を切らせればいい。そうすれば、醜聞にまみれたわたしを公然と退職に追い込めると半ば期待しての事らしい。
「息子はそんな経緯は知らない。でも……」
何もかも承知の妻はわたしを許してはいないだろう。なんの連絡もない、それが証拠だ。そうして、わたしは年に一度とはいえ陸とつき合っている。それを心待ちにしている。こりもせず、反省などせずに。こんな状況で、どうして妻に会えるだろう。
「来て欲しいから、電話をしたんだよ」
陸はわたしの肩に両手を回して耳元でささやいた。
「俺だったら、会いたいよ。お父さんと、どんなことがあったとしても。お母さんが入院して、きっとひとりで心細くて不安だから。だから、電話したんだよ」
そして、もう一度言った。会いたいよ、と。そう、わたしも会いたい。詫びる言葉はなくても、合わせる顔などなくても、息子に、妻に、家族に会いたい。
「帰っても許されるんだろうか、こんなわたしが家族に会う資格があるんだろうか」
「お父さん、資格なんていらないよ。ただ、会いたいって気持ちだけで充分なんだよ」
「なぜかな? 今日の陸は優しいね」
それ以上なにも言わず、陸はわたしにもたれかかった。
「駅まで見送るから。まだ最終には間に合うよ」
そして帰る用意をと、陸はすすめた。
ためらいが胸を満たし始めた。東京に帰ることになれば、また一年陸に会えない。また一年、彼に触れることはかなわない。けれど家族の元へ帰ると決心したのに、こんな不謹慎なことを考える自分は、やっぱり最低な男だと思った。
「陸」
クロゼットの前まできて、わたしは彼を呼んだ。陸はベンジャミンのそばで外を眺めていた。その横顔からは表情が完全に抜け落ちていた。
慌てて駆け寄り、力いっぱい陸を抱き締めた。そうだ、わたしがいなくなったら彼は誰と新年を迎えるのだろう。
「へいき。ユタカと連絡取るから」
うつむいた陸の目から、ぽろんと涙が落ちた。その姿は、まるで幼い子供だ。あの待ち合わせ場所で見た、青年の陸ではなかった。
「来年も、会ってくれるかい?」
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