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客間のベッドに寝かされ、天井を見あげた。花の形を模したアンティークのスタンドが、間接照明で薄暗くなり始めた部屋を照らしている。
「何も食べていない、ですって?」
栄養剤の点滴を用意しながら、彼女は呆れた顔をした。葉月さんは、内科医師だった。往診用のバッグから、必要なものを取り出すと手際よく処置をする。
「すみません、家を汚して」
「謝るなら、自分の体に謝りなさい」
まだ少しだけむかつくが、激しい吐き気は遠のいた。安騎野は入り口の扉近くにたたずみ、俺と葉月さんのやり取りを無言で見ている。
「風邪でも体調不良でもなさそうだから、吐いたのは、精神的なものが原因でしょう? あなたには、それがなにか分かっているはずよね。仮にも専門家なのだから」
「はい……」
まるで、先生と生徒の会話だ。けれど、先刻の会話と彼女の眼差しを思い返すと、俺と安騎野のことはすべて承知のうえなのかもしれない。そうでなければ、挑発的な彼女の態度は理解できない。
点滴の針が腕に刺された痛みに顔をしかめると、安騎野が笑った。
「相変わらず、痛みには弱いようだな」
頬が熱くなる。何を思い出しているのか、察しがつくからだ。
「今晩は泊まっていって。一晩休んでから、帰った方が身のためよ。ともかく点滴が終わるまで一眠りなさい」
「そうだな」
安騎野もその言葉にうなずき、彼女と一緒に部屋をあとにした。ひとり残されると、客間はがらんとした寂しさにつつまれた。
雪がうなりをあげる風とともに窓にぶつかり、四角い枠の四隅から白で覆い尽くそうとしている。二重の窓もときどき揺れるほどの突風が吹いている。
ネクタイをはずして、くつろいだ姿でベッドに横たわっている。目をつぶると、一瞬実家の部屋にいるような気がする。もう十年近く戻っていない実家の。
口に広がる血の味……。安騎野と病院での別れを経験したあとのことだ。俺は口にするもの、なにもかもが血の味がして……吐いてばかりいた。
高二の秋から冬にかけて、ずっと。食べては吐き、このままでは倒れてしまうと思いながらも、それを止める手立てを見つけられなかった。
史彦は優しかった。時間の許す限り、いつでもそばにいてくれた。突然泣き出す俺を抱きしめたり、なにも食べられなくなった俺を気遣って、通院をすすめてくれた。
自分でも分かっていた。鬱と拒食症。
もう病気の域に達している。専門家の手助けが必要だ。けれど、病院には行かなかった。自分でも分かっていたから。原因は、安騎野だと。
別れて、自分は史彦と歩いて行くと決めてもなお、安騎野に向ける感情が残ってしまった。そして意味のないことばかり考える。
どうして俺を選んでくれなかったんだろう、どうして俺じゃ駄目だったんだろう。
夢を見る。屋上から飛び降りた安騎野に駆け寄る。左足が不自然な方向に曲がり、血だらけになって、虚ろな目をそれでも空に向けていた安騎野の姿を。
自分の悲鳴で目が覚める。
そして口の中には血の味が残っているのだ。
俺はヘイキ。大丈夫。
史彦に心配をかけないよう、痩せた体を厚着でごまかし、冬を迎え……年が明けたら、安騎野は転院すると峠先生から短い連絡が入りー。どうすることも出来ずに、安騎野の病院があるM市の駅前で、立ち尽くした十二月三十一日。
俺を救ってくれたのは、見知らぬ男性だった。俺を『陸』と呼んでくれた人。俺は、『お父さん』と彼を呼び、一年に一度だけのゲームを始めた。
どうしてだろう。史彦と深く愛し合っていても、『お父さん』の心まで欲しかった。安騎野が抜けた空間に、その人を押し込め、ようやく俺の心は満たされた。
安騎野は君臨する。俺の心の領域の先端に。
ヒエラルキーがたとえ九割以上史彦で占められているとしても、なお、塗りつぶすことのできないほんの僅かな頂点のスペース。
不実じゃないか。史彦といるといつも感じる、自分の不誠実さ。
史彦はまっすぐ俺を見つめる。社会人になってからも、相変わらず女性にもてるけれど、そんな雑音に惑わされる事なく、俺だけを見つめる。
好きだよ、史彦。それは嘘じゃない。誓ってもいい。
このさき、一緒の時間を過ごすのは史彦以外に誰がいる。
……つい二カ月前、東京で偶然に『お父さん』に会った。これもなにかの巡り合わせなんだろうか。彼とつかの間すれ違い、安騎野と再会した。
まるで時間が巻き戻されたようだ。無力な、十七の子どもに逆戻りだ。来なければよかった。こんな展開は予想できたはずだ。
分かっていながら、また安騎野の罠に飛び込んだ自分が情けない。
そのまま、目を閉じた。
「血圧も安定したし、もう大丈夫ね。何か食べられそうかしら?」
葉月さんは、点滴の針を抜きながら俺にたずねた。その眼差しは、患者を気遣う医師のものだ。この家に来てから見せた彼女の本当のほほ笑みに、俺は峠先生を重ねて見た。
「いえ、なにも欲しくはありません」
「そう」
器具を片付けながら、彼女は一通り部屋の説明をしてくれた。洋館のゲストルームを意識して造られた客間は、独立したバスルームもつけられてあった。廊下を出で右手に進むと、玄関に行き着く。正面には塔へ続く階段があるけれど、手入れが悪いので、立ち入らないでほしいということ。
きびきびと説明すると、彼女はそのまま立ち去ろうとした。
「やっぱり、峠先生とよく似てらっしゃいますね」
彼女の表情が少しこわばった。俺から視線を外すと扉に寄りかかり、細い肩を抱いた。
「似てなんかいないわ。わたしは母に似ているの。祖母からもさんざんそう言われてきたわ。似てなんか、いない」
前髪をかきあげると、かすかに眉根をよせ、悲しそうな顔を見せた。
「聞いたでしょう。わたしは父が十六才のときの子どもなの。どれほど好奇の目で見られたか想像できて? わけあって結局両親は入籍しなかったし、わたしには親という存在はないに等しいの。父といっても、単なる精子の提供者でしかない。似ているのは、遺伝子的なものでしかないわ」
あの峠先生が若いころに犯した過ちの結果なのか? 彼女は親戚に冷遇されていたのかもしれない。
「それより教えて。あれが、十年前どんな生活をしていたのか」
彼女の瞳に、えもいわれぬ炎が宿っている。この人は、安騎野を名前で呼ばない。そのかたくなさが好意や愛情の裏返しのような気がして、俺を落ち着かない気分にさせた。安騎野をどう思っているのだろうか。同性愛者だった父親の恋人と暮らす、奇妙な生活をどう感じているのだろうか。
「……老朽化した木造アパートに住んでいました。酒とタバコばかりで、食事は取ろうとしませんでした。いつも無表情で……人と交わることを拒否しているように見えました」
「そう……わたしがあれと会ったのは、もう二十年近く前よ」
「え」
俺の驚いた顔に、満足そうに彼女は唇の端を引きあげた。
「うちの病院に入院していたんですもの。ご存じよね、あれが心中事件を起こしたことは。その後、母方の親戚である峠を頼ってうちの病院で治療を受けていたのよ」
「親戚……遠縁というのは本当なんですか?」
タクシーの運転手の言葉は、たんなる噂ではなかったのか。安騎野が峠先生の親戚? なら目の前の彼女も安騎野となんらかの血縁関係にあるのだろうか。
「遠縁でしょうね。わたしと曾祖父が一緒、その程度ですもの」
頭の中では整理しづらい。あとでゆっくりと考えよう。
「病院からのお仕着せのパジャマを着て、父の隣で青い顔をしてベンチに座っていた。当時高校生になったばかりのわたしの目には、とても貧相な子どもと映ったわ。背ばかりむやみに高くて」
心中事件の後、入院していたと店長から聞いたことがあった。安騎野はそのことに関してはなにも話さなかった。
「父の患者、だったのよ。いつの間にか愛人になって、まさか息子にまでなるとは思ってもみなかった」
俺を抱いては天国の話をする……安騎野がかつて言った言葉。いつからそんな関係になったのだろうか。先生は自分の娘とさほど歳のかわらない安騎野と関係していた。
峠先生のイメージがぐらつく。だから、口にして確かめずにはいられなかった。
「僕は先生と直接お会いした事は少ないけれど、本当にお世話になったんです。心理学を専攻しようと決めたのも、先生のアドバイスあってのおかげでした」
それは、本当だった。感謝しても感謝しきれない。十代の早いうちから、将来に対する目標をもてたこと、それに向かう方法を教えてくれた先生に感謝している。
彼女は冷ややかな眼差しで俺を見つめてから言った。
「あなた、『The Giving Tree』という本をご存じかしら?」
「確か絵本でしたよね、シルヴァスタインの。邦題が『おおきな木』」
緑色の表紙に、大きな木と小さな男の子の絵が描かれている。アルバイト先のクリニックにも置いてある。彼女はうなずいた。
「父はね、それだったわ。『おおきな木』であり、『与える木』。わたしにとっても、あれにとっても」
「安騎野にも?」
俺の言葉に、彼女は薄く笑った。ああ、もう安騎野ではないのだ。気まずさにうつむく俺に、彼女は構わず声をかけた。
「あなたは、対人関係をコントロールしようとするのね。魅力的な顔立ちと、柔らかい物腰で。逆に、イニシアティヴを取れないと不安になるでしょう? どうして取れないのか、悩んでしまう。けれど、そうさせる人に魅かれてしまう。強引な人物に弱い」
その言葉にぎくりとさせられた。コントロール……? 困惑する俺に彼女は再び笑いかけた。担当医のような笑顔で。
「今夜は、ゆっくりと休んで」
「何も食べていない、ですって?」
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「すみません、家を汚して」
「謝るなら、自分の体に謝りなさい」
まだ少しだけむかつくが、激しい吐き気は遠のいた。安騎野は入り口の扉近くにたたずみ、俺と葉月さんのやり取りを無言で見ている。
「風邪でも体調不良でもなさそうだから、吐いたのは、精神的なものが原因でしょう? あなたには、それがなにか分かっているはずよね。仮にも専門家なのだから」
「はい……」
まるで、先生と生徒の会話だ。けれど、先刻の会話と彼女の眼差しを思い返すと、俺と安騎野のことはすべて承知のうえなのかもしれない。そうでなければ、挑発的な彼女の態度は理解できない。
点滴の針が腕に刺された痛みに顔をしかめると、安騎野が笑った。
「相変わらず、痛みには弱いようだな」
頬が熱くなる。何を思い出しているのか、察しがつくからだ。
「今晩は泊まっていって。一晩休んでから、帰った方が身のためよ。ともかく点滴が終わるまで一眠りなさい」
「そうだな」
安騎野もその言葉にうなずき、彼女と一緒に部屋をあとにした。ひとり残されると、客間はがらんとした寂しさにつつまれた。
雪がうなりをあげる風とともに窓にぶつかり、四角い枠の四隅から白で覆い尽くそうとしている。二重の窓もときどき揺れるほどの突風が吹いている。
ネクタイをはずして、くつろいだ姿でベッドに横たわっている。目をつぶると、一瞬実家の部屋にいるような気がする。もう十年近く戻っていない実家の。
口に広がる血の味……。安騎野と病院での別れを経験したあとのことだ。俺は口にするもの、なにもかもが血の味がして……吐いてばかりいた。
高二の秋から冬にかけて、ずっと。食べては吐き、このままでは倒れてしまうと思いながらも、それを止める手立てを見つけられなかった。
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自分でも分かっていた。鬱と拒食症。
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夢を見る。屋上から飛び降りた安騎野に駆け寄る。左足が不自然な方向に曲がり、血だらけになって、虚ろな目をそれでも空に向けていた安騎野の姿を。
自分の悲鳴で目が覚める。
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俺はヘイキ。大丈夫。
史彦に心配をかけないよう、痩せた体を厚着でごまかし、冬を迎え……年が明けたら、安騎野は転院すると峠先生から短い連絡が入りー。どうすることも出来ずに、安騎野の病院があるM市の駅前で、立ち尽くした十二月三十一日。
俺を救ってくれたのは、見知らぬ男性だった。俺を『陸』と呼んでくれた人。俺は、『お父さん』と彼を呼び、一年に一度だけのゲームを始めた。
どうしてだろう。史彦と深く愛し合っていても、『お父さん』の心まで欲しかった。安騎野が抜けた空間に、その人を押し込め、ようやく俺の心は満たされた。
安騎野は君臨する。俺の心の領域の先端に。
ヒエラルキーがたとえ九割以上史彦で占められているとしても、なお、塗りつぶすことのできないほんの僅かな頂点のスペース。
不実じゃないか。史彦といるといつも感じる、自分の不誠実さ。
史彦はまっすぐ俺を見つめる。社会人になってからも、相変わらず女性にもてるけれど、そんな雑音に惑わされる事なく、俺だけを見つめる。
好きだよ、史彦。それは嘘じゃない。誓ってもいい。
このさき、一緒の時間を過ごすのは史彦以外に誰がいる。
……つい二カ月前、東京で偶然に『お父さん』に会った。これもなにかの巡り合わせなんだろうか。彼とつかの間すれ違い、安騎野と再会した。
まるで時間が巻き戻されたようだ。無力な、十七の子どもに逆戻りだ。来なければよかった。こんな展開は予想できたはずだ。
分かっていながら、また安騎野の罠に飛び込んだ自分が情けない。
そのまま、目を閉じた。
「血圧も安定したし、もう大丈夫ね。何か食べられそうかしら?」
葉月さんは、点滴の針を抜きながら俺にたずねた。その眼差しは、患者を気遣う医師のものだ。この家に来てから見せた彼女の本当のほほ笑みに、俺は峠先生を重ねて見た。
「いえ、なにも欲しくはありません」
「そう」
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きびきびと説明すると、彼女はそのまま立ち去ろうとした。
「やっぱり、峠先生とよく似てらっしゃいますね」
彼女の表情が少しこわばった。俺から視線を外すと扉に寄りかかり、細い肩を抱いた。
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「それより教えて。あれが、十年前どんな生活をしていたのか」
彼女の瞳に、えもいわれぬ炎が宿っている。この人は、安騎野を名前で呼ばない。そのかたくなさが好意や愛情の裏返しのような気がして、俺を落ち着かない気分にさせた。安騎野をどう思っているのだろうか。同性愛者だった父親の恋人と暮らす、奇妙な生活をどう感じているのだろうか。
「……老朽化した木造アパートに住んでいました。酒とタバコばかりで、食事は取ろうとしませんでした。いつも無表情で……人と交わることを拒否しているように見えました」
「そう……わたしがあれと会ったのは、もう二十年近く前よ」
「え」
俺の驚いた顔に、満足そうに彼女は唇の端を引きあげた。
「うちの病院に入院していたんですもの。ご存じよね、あれが心中事件を起こしたことは。その後、母方の親戚である峠を頼ってうちの病院で治療を受けていたのよ」
「親戚……遠縁というのは本当なんですか?」
タクシーの運転手の言葉は、たんなる噂ではなかったのか。安騎野が峠先生の親戚? なら目の前の彼女も安騎野となんらかの血縁関係にあるのだろうか。
「遠縁でしょうね。わたしと曾祖父が一緒、その程度ですもの」
頭の中では整理しづらい。あとでゆっくりと考えよう。
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峠先生のイメージがぐらつく。だから、口にして確かめずにはいられなかった。
「僕は先生と直接お会いした事は少ないけれど、本当にお世話になったんです。心理学を専攻しようと決めたのも、先生のアドバイスあってのおかげでした」
それは、本当だった。感謝しても感謝しきれない。十代の早いうちから、将来に対する目標をもてたこと、それに向かう方法を教えてくれた先生に感謝している。
彼女は冷ややかな眼差しで俺を見つめてから言った。
「あなた、『The Giving Tree』という本をご存じかしら?」
「確か絵本でしたよね、シルヴァスタインの。邦題が『おおきな木』」
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「父はね、それだったわ。『おおきな木』であり、『与える木』。わたしにとっても、あれにとっても」
「安騎野にも?」
俺の言葉に、彼女は薄く笑った。ああ、もう安騎野ではないのだ。気まずさにうつむく俺に、彼女は構わず声をかけた。
「あなたは、対人関係をコントロールしようとするのね。魅力的な顔立ちと、柔らかい物腰で。逆に、イニシアティヴを取れないと不安になるでしょう? どうして取れないのか、悩んでしまう。けれど、そうさせる人に魅かれてしまう。強引な人物に弱い」
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