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第1話 告白してきたのは 2
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自分と何の関わりのない美女が、さっきから何かを言いかけては、マツゲを伏せ、また何かを言いかけては眉毛を寄せていることに戸惑っていた。
『いいかげんにしてほしいよな。しかも、ムダに告白っぽい雰囲気を作るんだから、わけわかんないよ』
男バスのお荷物マネージャー扱いをされている瞬だ。勉強こそ誰にも負けないが、典型的な陰キャの今、大竹と言う名前よりも「キモ竹」って言われることの方が多いのを自覚している。
自分が若葉高校三大美女の一人に呼び出される理由なんて、これっぽちも思い浮かばない。むしろ、こんなところを誰かに見られたら、後で何を言われるかわかったものではなかった。
「えっと、用件を教えてくれますか? ちなみに、同じクラスとは言え二階堂とは親しいわけでもないんだけど」
陽キャでクラスの中心だ。しかも二階堂は自分を激しく嫌っている。何かと突っかかってくる分だけ「キモ竹」の印象が強められているのだ。
陰キャには言いたい放題だと思っているヤツが世の中にはたくさんいるのだと、瞬は高校生になって知った。
「もしも、二階堂に話があるなら直接、本人と話したらどうですか?」
「違う! 違うの。私が二階堂君との噂があるのは知ってるけど、それは違うんだから! ただの幼なじみって言うだけ。付き合ってないからね!」
「あ、う、うん。わかった、わかったから」
美少女が二十センチの距離に詰め寄ってくると、さすがにビビる。しかも、これは本気の抗議の顔だ。
「ホント?」
「はい。わかったから。で、えっと、それじゃあ、いったい何の用なんですか?」
「あっ、で、でも、二階堂君から、聞いたって言えば、聞いたかな?」
なんだよ! 二階堂は関係な言っていったじゃん。その名前を聞いてしまうとさすがに「何かあるんじゃ?」と思ってしまうのは、高校に入ってからのアレコレがトラウマレベルで刻まれているからだ。
とにかく、その名前が出てきて、何かを言ってくるとしたら、悪いことに決まっている。
「いい加減用件を教えてくれませんか?」
少し冷えた声で返したのをさすがに気にしたのか、少女も少しだけ思いきった表情になった。
「そ、それは…… あの、察してくれてもいいじゃないかと思うんだけど」
瞬は大きく息を吸って、静かに吐き降ろした。
「察しろと言われても、身分が違いすぎて無理です」
「ね? 同じ学年なのに、なんで、大竹君は敬語なの?」
ここで、そのネタを突っ込んでくるかな? 半ばあきれる瞬は、それでも「性分なんです。これ以外のしゃべり方を知らないだけですから」と答えてしまう自分の律儀さがちょっと悲しい。
「そうなんだ」
「で、用件はなんですか?」
瞬は辛抱強く、尋ねたのである。
『いいかげんにしてほしいよな。しかも、ムダに告白っぽい雰囲気を作るんだから、わけわかんないよ』
男バスのお荷物マネージャー扱いをされている瞬だ。勉強こそ誰にも負けないが、典型的な陰キャの今、大竹と言う名前よりも「キモ竹」って言われることの方が多いのを自覚している。
自分が若葉高校三大美女の一人に呼び出される理由なんて、これっぽちも思い浮かばない。むしろ、こんなところを誰かに見られたら、後で何を言われるかわかったものではなかった。
「えっと、用件を教えてくれますか? ちなみに、同じクラスとは言え二階堂とは親しいわけでもないんだけど」
陽キャでクラスの中心だ。しかも二階堂は自分を激しく嫌っている。何かと突っかかってくる分だけ「キモ竹」の印象が強められているのだ。
陰キャには言いたい放題だと思っているヤツが世の中にはたくさんいるのだと、瞬は高校生になって知った。
「もしも、二階堂に話があるなら直接、本人と話したらどうですか?」
「違う! 違うの。私が二階堂君との噂があるのは知ってるけど、それは違うんだから! ただの幼なじみって言うだけ。付き合ってないからね!」
「あ、う、うん。わかった、わかったから」
美少女が二十センチの距離に詰め寄ってくると、さすがにビビる。しかも、これは本気の抗議の顔だ。
「ホント?」
「はい。わかったから。で、えっと、それじゃあ、いったい何の用なんですか?」
「あっ、で、でも、二階堂君から、聞いたって言えば、聞いたかな?」
なんだよ! 二階堂は関係な言っていったじゃん。その名前を聞いてしまうとさすがに「何かあるんじゃ?」と思ってしまうのは、高校に入ってからのアレコレがトラウマレベルで刻まれているからだ。
とにかく、その名前が出てきて、何かを言ってくるとしたら、悪いことに決まっている。
「いい加減用件を教えてくれませんか?」
少し冷えた声で返したのをさすがに気にしたのか、少女も少しだけ思いきった表情になった。
「そ、それは…… あの、察してくれてもいいじゃないかと思うんだけど」
瞬は大きく息を吸って、静かに吐き降ろした。
「察しろと言われても、身分が違いすぎて無理です」
「ね? 同じ学年なのに、なんで、大竹君は敬語なの?」
ここで、そのネタを突っ込んでくるかな? 半ばあきれる瞬は、それでも「性分なんです。これ以外のしゃべり方を知らないだけですから」と答えてしまう自分の律儀さがちょっと悲しい。
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