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第1話 告白してきたのは 3
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「だ、か、ら。男の子だったら普通、こういう時に察してくれたりしないの? 告白するのかなとか!」
ふう~
決してワザとではなかったが、思わず大きく息を吐き出してしまった。
『なんで、こんな美人にウザ絡みされなくちゃいけないんだよ』
瞬は、これ以上の話を諦めた。
「じゃ、そういうことで」
両手を挙げて「ご勘弁を」のポーズ。
『話にならない。帰ろう』
「だめ! 帰らないで!」
一歩踏み出した瞬間、強い声で止められた。
「じゃあ、用件を教えてください」
「必ずOKしてくれる?」
ワザとなのか、天然なのかは不明だが、段ボールに入れられた捨て猫もかくやの上目遣いには破壊力がある。
ドキッとしつつも「なんで、聞く前にOKしろ、なんだよ!」と思ってしまう。美人ってのは、自分が頼めば男は何でもOKしてくれるもんだって思ってるのではないかと、さらにイラッときた。
いい加減、腹が立つレベルだ。カウント開始。
元々は短気だった瞬に小さい頃から母親が言い聞かせてきた約束だ。
「怒り出す前に15秒息を止めなさい」
どうにもならないとき、この習慣が救ってくれたことが何度もあったのは事実だ。
ゼロイチ、ゼロニ、ゼロサン……
息を止めてカウント開始。バスケをしていると頭の中で正確なカウントができる。試合をコンマ一秒で支配するガードとして必須の能力。24秒までなら、ストップウォッチとの誤差はほぼ出ない。
「お願い、OKって返事が欲しいの」
ゼロナナ、ゼロハチ……
たいていは8秒カウントまでで冷静になれる。
瞬が黙ったことで、相手も返事を待つ時間が生まれた。
『こういう自己中タイプは、とにかく言い出したら聞かないからな』
カウント中断。
『とにかくOKすればいいんだろ』
「わかった。OKです。人を陥れる計画と、金を貸して欲しいって頼み以外ならOKです」
一瞬、目をクリクリクリっと輝かした顔が「さすがに可愛いんだな」と思ってしまったのは内緒だ。
「じゃ、言うね。私と付き合ってください」
なんだ、そんなことか。
「わかりました」
ようやく話が終わった。
大竹瞬は、やっと力が抜けたのである。
ふう~
決してワザとではなかったが、思わず大きく息を吐き出してしまった。
『なんで、こんな美人にウザ絡みされなくちゃいけないんだよ』
瞬は、これ以上の話を諦めた。
「じゃ、そういうことで」
両手を挙げて「ご勘弁を」のポーズ。
『話にならない。帰ろう』
「だめ! 帰らないで!」
一歩踏み出した瞬間、強い声で止められた。
「じゃあ、用件を教えてください」
「必ずOKしてくれる?」
ワザとなのか、天然なのかは不明だが、段ボールに入れられた捨て猫もかくやの上目遣いには破壊力がある。
ドキッとしつつも「なんで、聞く前にOKしろ、なんだよ!」と思ってしまう。美人ってのは、自分が頼めば男は何でもOKしてくれるもんだって思ってるのではないかと、さらにイラッときた。
いい加減、腹が立つレベルだ。カウント開始。
元々は短気だった瞬に小さい頃から母親が言い聞かせてきた約束だ。
「怒り出す前に15秒息を止めなさい」
どうにもならないとき、この習慣が救ってくれたことが何度もあったのは事実だ。
ゼロイチ、ゼロニ、ゼロサン……
息を止めてカウント開始。バスケをしていると頭の中で正確なカウントができる。試合をコンマ一秒で支配するガードとして必須の能力。24秒までなら、ストップウォッチとの誤差はほぼ出ない。
「お願い、OKって返事が欲しいの」
ゼロナナ、ゼロハチ……
たいていは8秒カウントまでで冷静になれる。
瞬が黙ったことで、相手も返事を待つ時間が生まれた。
『こういう自己中タイプは、とにかく言い出したら聞かないからな』
カウント中断。
『とにかくOKすればいいんだろ』
「わかった。OKです。人を陥れる計画と、金を貸して欲しいって頼み以外ならOKです」
一瞬、目をクリクリクリっと輝かした顔が「さすがに可愛いんだな」と思ってしまったのは内緒だ。
「じゃ、言うね。私と付き合ってください」
なんだ、そんなことか。
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ようやく話が終わった。
大竹瞬は、やっと力が抜けたのである。
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