死んでる場合じゃない 〜小学生とエリートスパイとの奇妙な共同作戦〜

ぱるゆう

文字の大きさ
4 / 23

研究所 2

しおりを挟む
僕も窓から見た。

一つ下のフロアにあるだろう部屋に、十数人の人がいた。

真ん中に透明の蓋のついた箱のようなものがあった。

「あの箱のようなものは?」

「あの中に肉体を入れます。あの中は特殊な液体で満たされています。血の交換、交換と言っても今ある血に混ぜると言った方が正しいですね。それを体の中に取り入れながら、鼻や耳、足と指先等に装置を取り付けて、データを流し込みます」

「えっ!頭を切ったりしないんですか?」

「データを送るだけなので、肉体を傷つけるようなことはしません」

「ちなみに、何人くらい?」

「現在の所、3人です。一番初めにやった方は、かれこれ4年経ちますかね。今も元気に生活しています」

「そうなんですね」と言ったものの、僕が死んだ後のことだ。僕が気にしても仕方がない。

「1カ月だけ待ってくれますか?逃げも隠れもせずに、ここで自殺します」

「分か・・・」春夏冬さんが言い始めた時に、僕達が入ってきたドアが開いた。

僕達が振り向くと、初めに入ってきたのは若い女性だった。その後、黒いスーツを着たサングラスの男達が数人入ってきた。

「春夏冬、よくやったわ!」と女性はとても嬉しそうに言った。

「お嬢様、どうして!昨日の朝、アメリカに立ったはずでは?」春夏冬は狼狽えながら言った。

「春夏冬が今日その子供を連れてくるのは聞いていたわ。だから、行ったふりをしたの」

「なんてことを・・・」春夏冬さんの顔が悔しそうに歪んだ。

「春夏冬さん・・・」僕は不安な声を出した。

「その子を渡しなさい」と女性は命令口調で言った。

「ダメです」と春夏冬さんは僕の前に立った。

「はぁ?執事であるお前が、そんなこと言えると思ってるの?」

「一ヶ月、一ヶ月、お待ち下さい。この子が約束してくれました。だから、今日のところはお願いします。帰してください」

「はぁ~、やっと白虎に会えるのよ。待てるわけないじゃない」と女性は呆れた声で言った。

「この子は、まだ生きてるんです!データを入れたら、死んでしまいます!」

「そんなの誰も気にしないわよ。そもそも自殺しようとしてたんでしょ?親には数億も渡せば、大喜びよ。親孝行な子供だって」

「これは殺人ですよ!」春夏冬は怒りを込めて言った。

「はいはい、そもそも白虎を殺したのは私よ。それでも捕まってない。お金と権力さえあれば、何とでもなるわよ」

「お嬢様、お願いです。一ヶ月お待ち下さい!」

「あぁ!面倒かけさせないで!」と女性が言うと、黒いスーツの男達が近づいてきた。

「青龍さん、逆のドアに走ってください。これ」とカードを渡してきた。

僕は受け取って、
「春夏冬さんは?」

「私は大丈夫です。早く!」

僕は通路の先にあるドアに走り始めた。

男達が走る足音を背中で聞いた。しかし、それはすぐに止んだ。

振り返ると、春夏冬さんが3人の男達と戦っていた。

「凄っ!」と思ったが、更に男がいて、その脇を通り抜けてきた。

「青龍さん、早く!」と春夏冬の声が聞こえた。

僕はまた走り始めた。

カードを読ませてドアを開き、新しい廊下に出た。
「どっちだ?」しかし、迷ってる暇はない。右に向かった。

途中にあるドアを見たら、カードを読み込ませる機械がない。ドアノブを触ってみたが、動かない。

「くそっ!」

すると、下に降りる階段があった。僕は降りていった。

しかし、階段の先には通路がなかった。ドアしかない。

後ろからは走ってくる音がした。

「仕方ない!」とカードを読み見込ませる機械に当てたらドアが横に開いた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...