死んでる場合じゃない 〜小学生とエリートスパイとの奇妙な共同作戦〜

ぱるゆう

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2nd mission 中学受験

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家を出て、本屋に着いた。

問題集があるコーナーに行った。注意深く本棚を見て歩く。

『あっ?これかな?』と手にとって開いてみる。

『うっわ、難しそう』

『考え方をみる問題が多いな。ちゃんと理解してないと解けなくなっている。でも、コツが分かれば問題ない』

『コツって言うけど、全然、想像できないよ』

『そうだなぁ、何でも繋がってるんだ。人間は歩く。でも歩かなくてもいい方法を考えた。そして馬車ができた。馬は飼うのが大変だと考えた。そして、自転車ができた。次は漕がなくてもいい方法を考えた。そして、エンジンができて、バイクや自動車ができた。そして、船、飛行機と続いていく。歩くことが基本となって、これだけ変わってきた』

『何が言いたいか、分かんないよ』

『フフフッ、要するに、基本ができてないと、次には進めないってことだ。でも、逆に基本ができてれば、何でもできる。例えば、1本1本バラバラに置かれた一億本の鉛筆の中から一万本の鉛筆を持ち出すことになった。単純に1本1本数えてたら、数を覚えるのだけでも大変だ。だから、10本で箱に入れた。それでも千箱できるから、更に10箱で大きな箱に入れた。大きな箱で100箱だ。もう数えるのは大変じゃないが、まだ大変なら、更に大きな箱に入れればいい。これなら、10数えられれば済む。100までの数字を覚えなくてもいいんだ。随分と楽になる。この箱に入れるという作業が、算数で言ったら、三角形の面積を計算する、縦✕高さ÷2、つまり公式だ。公式を知っているのと、知らないのでは、鉛筆を箱に入れて数えるのと、1本1本数えるのと同じくらい違ってくる』

『公式の大切さは分かった』

『更に箱なんだが、初めから10本ちょうど入る箱にしておけば、数さえ数えなくて、箱に目一杯入れるだけで良くなる』

『確かに』

『これが九九だ。サンゴ15、サブロク18、サンシチ21。理屈抜きで覚えさせられる。しかもリズミカルに』

『うん、そうだね!』

『リズム感が悪いと覚えられない』

『さすがに覚えてるよ』

『青龍も本を読んでいる時、無意識にリズムを刻んでるはずだ』

『う~ん、そうかな?』

『面白いと思った本と、そんなにと思った本との気持ちの違いってあるだろ?』

『それは、もちろんあるよ』

『面白いと思ったなら、気分が高揚してリズムが速くなる。しかし、面白くないなら、リズムは遅くなり、そのうちなくなってしまう』

『あっ、それは分かる』

『でも、図書館にあるような本だ。誰も面白いと思わない本なんて、そうあるもんじゃない。青龍のリズムに合わなかっただけなんだ。もしかしたら、他の人のリズムになれれば、面白いと思うかもしれない』

『でも、そんなの無理だよ』

『今、青龍は海の話が知りたい。でも、相手は空の話がしたいから、空の話をしている。そこで、関係ないことを話されてつまらないと耳を塞ぐのか?この人は、なぜ空の話をしてるのか?と考えて話を聞いたら、とても面白かったなんてこともある。
話が長くなったが、言いたいことは、問題を出している人は、何をさせたいのか?を考えることだ』

『出題者のことを考えるの?』

『問題は、解いてもらうためにある。国語で漢字の読みを答えさせるのは、この漢字が読めるのかを知りたい。逆に、ハヤイというひらがなの漢字を書かせる問題があったとしたら、早起きの早いと、走るのが速いの違いが分かっているかを知りたい。そういう意図があって問題は作られている』

『そうだね』

『特に算数は出題者の意図が分かると、あとは、どの公式を使うかだけになってくる。これがコツだ』

『うん、そう考えながら、やってみるよ』

『とりあえず、来週、真理子に何処を受けさせるつもりなのか聞いてからにした方がいいな。問題集も安くないからな』

『そうだね』


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