死んでる場合じゃない 〜小学生とエリートスパイとの奇妙な共同作戦〜

ぱるゆう

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更なる鍛錬

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朝のランニングに慣れてきた数週間後、白虎が他のメニューを加えたいと言ってきた。

でも、平日の朝は時間が限られているので、土日に行うことになった。

一日、図書館に行く日がなくなっただけなので特に問題はない。

まずは一般的な腕立てと腹筋から 始まった。




 数週間後、トレーニング中に白虎が
『なぁ、青龍』

『何?』

『走る時も思ったんだが、お前、筋肉の付きがけっこういい方だと思うんだ』

『そうなの?でも、父さんはお腹出ちゃってるし、母さんはガリガリだし、運動やってたようには見えないよ』

『まぁ、確かにそれはそうなんだよな。う~ん、俺も人に本格的に人に教えるのは初めてだから、勘違いなのかもしれない』

『きっとそうだよ』



それから、腕立ては手の幅を広げたり、腹筋は足を上げながらやったりと、どんどん難しいやり方になっていった。

それは、ひと月ごとに行われる研究所での検査でも毎回結果は更新されていった。その度に真理子も自分の見る目に間違いはなかったと喜んだ。



そして、学校で球技大会の行事が行われることになった。

必ずどれかの競技には参加しなければならなく、今、青龍はサッカーのグラウンドに立っている。しかし、ボールのある場所とは程遠く、ハーフウェーラインだ。

相手チームはサッカー部の人が何人かいるクラスで、青龍のクラスは防戦一方だが、何とか失点しないで済んでいる。今も青龍のクラスのゴール前で攻防が繰り広げろれている。

もちろんオフサイドの反則は知っている。相手チームのディフェンダー1人とキーパーは僕よりも相手側にいる。

『行かないのか?』と白虎が言った。

『僕がいても邪魔になるだけだから』

『そうか』


すると、
「青龍!頼む!」と大きな声が聞こえた。

気がつくと、味方ゴール前からクリアされたボールが大きな弧を描いて飛んできていた。

「えっ!」

『青龍、リズムを刻め!』と白虎は言った。

振り返ると、敵ディフェンダーは動き始めていた。

僕の方が速い!と青龍もボールの着地点と思われる敵ゴールエリアへ走った。

『青龍、ボールのリズムと走るリズム、そして蹴るリズムを一つにするんだ』

リズムって分かりづらいんだよな、と青龍は思った。

そうだ!

ボールが落ちてくるのは緩やかに吹く風、走るのは激しい戦闘、蹴るのは攻撃、それをまとめる!

ボールの着地点にいち早く到着した青龍は右足を後ろに振り上げた。

僕は作者だ!

グラウンドに落ちる直前のボールを捉えた足を前に押し出す。

ボールは相手ゴールの左隅へと真っすぐに進み、ジャンプしたキーパーの右手を越えて、ゴールネットに突き刺さった。

「えっ」と青龍は呟いた。

『やったぞ!青龍!』と白虎は叫んだ。

「うそ・・・」青龍は呆然と立ち尽くした。

青龍の首に後ろから誰かが腕を絡みつけた。

「すげぇー!青龍!」

他の皆も青龍を揉みくちゃにした。

「マグレだよ・・・」と青龍は信じられない気持ちのまま言った。

「それでもすげぇーよ。あんなシュートが打てるなんて!」

「早く戻りなさい」と審判の先生が言った。

僕達は自分達の陣地に戻り、試合が再開された。

『どうだ?リズムは?』白虎は言った。

『よく分かんなかったけど、上手く言った』

『相手の動き、今回はボールだな。それをよく見て、自分がどれだけ動けるのかをよく知って、それを合わせる。よくできてたぞ』

激しい戦闘には不釣り合いな優しい風、それを感じられるほど落ち着いていた主人公。そして、一気に相手を倒すために攻撃を始める。僕には、そんな感じかな。

『うん、これからは感じるようにする』

無事に無失点まま味方ゴールは守られ、勝利することができた。


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