死んでる場合じゃない 〜小学生とエリートスパイとの奇妙な共同作戦〜

ぱるゆう

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そして、土曜日、公園に来た。

一通りのメニューをこなした後、
『これまでで相当動くための筋力が付いた。次のステップに行く』と白虎は言った。

『えっ?筋力を増やすだけじゃないの?』

『別にお前を重量挙げの選手にするつもりはない。あくまでも早く動くために必要だったんだ。これからは早く動くための動作を覚えてもらう』

『速く走るってこと?』

『それももちろん重要だ。しかし、これからは、俊敏な動きを学んでもらう。まぁ、口で言っても難しいだろうから、やってみる』

『うん』青龍は目を閉じた。

そして、少し釣り上がった目が開く。
『いいか、ここから2メートル先にある物陰に隠れたいとする』

『うん』

『普通なら走るだろうが、目の前で拳銃を構えられてるとしたら、悠長に走ったら、すぐに狙われてズドンだ』

『そうなるかもね』

『だから』白虎はそう言って、前にジャンプして、両手を突き、頭を両手の間に入れて前転した。跳び前転である。

『こうやるんだ』

『えっ!そんなの無理だよ』

『まぁ、初めてだと土の上じゃ怖いだろうから、できればマットか畳の上がいいんだがな』

『学校?家だとそんなスペースないよ』

『そうなんだよなぁ、まぁ、これができると』と白虎は鉄棒の上に乗った。

『えっ!何するの!』

『まぁ、見てろって』白虎は鉄棒からジャンプして、同じように前転した。

『こういうこともできる。多少高いところからでも降りられるようになる』

『止めてよぉ~、心臓止まるかと思ったぁ』と青龍は情けない声を出した。

『ポイントは着地の時にしっかり腕で支えてから倒れることだ。今のお前の筋力ならできる』

『でも・・・』

『最近だとパルクールとも言われてるようだな』

『あっ!雑誌で読んだことある。なるほど、受け身みたいだなぁって思ったんだ』

『ほぉ、受け身か!青龍、この辺で柔道を教えてくれるところはないか?』

『う~ん、聞いたことないなぁ。父さんと母さんなら、昔から住んでるから知ってるかも』

『さっそく今日にでも聴いてみてくれ』

『分かったけど、僕が柔道?基本的に僕よりみんな大きいから、そんな相手を投げられるとは思えないし、全然イメージ沸かない』

『とりあえず受け身だけだ。誰かを投げ飛ばすのは考えなくていい』

『うん、そうする』



そして、家に帰って、昼食の時間となった。3人でテーブルを囲む。

「いただきます」と言ってから食べ始めた。

『うん、今日も美味い』

白虎は相変わらず言っている。

「ねぇ、お父さん」

「何だ?」

「この辺で柔道教えてくれるところない?」

父は箸を持ったまま動きを止めた。

「クックックッ」と笑っている声が聞こえた。見ると、お母さんが箸を持った手の甲を口に当てて、お父さんを見ながら笑っていた。

父は、青龍を見ながら、
「どうして柔道をやりたいんだ?」

「僕は背が低いから、変な奴に絡まれるかもしれない」

「そういう時は逃げるんだ」

「僕が一人なら、もちろんそうするけど、もし僕が好きになった人が一緒だったら、逃げられない」

「そういう時は、警察に・・・」

「お父さん!」と母は強く、少し呆れたように言い、
「いい加減にして。青龍がやりたいって言ってるのよ」

「はぁ~」と父はため息をつき、真剣な顔になった。
「いいかい、青龍?」
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