15 / 23
次のステップ
しおりを挟む
そして、土曜日、公園に来た。
一通りのメニューをこなした後、
『これまでで相当動くための筋力が付いた。次のステップに行く』と白虎は言った。
『えっ?筋力を増やすだけじゃないの?』
『別にお前を重量挙げの選手にするつもりはない。あくまでも早く動くために必要だったんだ。これからは早く動くための動作を覚えてもらう』
『速く走るってこと?』
『それももちろん重要だ。しかし、これからは、俊敏な動きを学んでもらう。まぁ、口で言っても難しいだろうから、やってみる』
『うん』青龍は目を閉じた。
そして、少し釣り上がった目が開く。
『いいか、ここから2メートル先にある物陰に隠れたいとする』
『うん』
『普通なら走るだろうが、目の前で拳銃を構えられてるとしたら、悠長に走ったら、すぐに狙われてズドンだ』
『そうなるかもね』
『だから』白虎はそう言って、前にジャンプして、両手を突き、頭を両手の間に入れて前転した。跳び前転である。
『こうやるんだ』
『えっ!そんなの無理だよ』
『まぁ、初めてだと土の上じゃ怖いだろうから、できればマットか畳の上がいいんだがな』
『学校?家だとそんなスペースないよ』
『そうなんだよなぁ、まぁ、これができると』と白虎は鉄棒の上に乗った。
『えっ!何するの!』
『まぁ、見てろって』白虎は鉄棒からジャンプして、同じように前転した。
『こういうこともできる。多少高いところからでも降りられるようになる』
『止めてよぉ~、心臓止まるかと思ったぁ』と青龍は情けない声を出した。
『ポイントは着地の時にしっかり腕で支えてから倒れることだ。今のお前の筋力ならできる』
『でも・・・』
『最近だとパルクールとも言われてるようだな』
『あっ!雑誌で読んだことある。なるほど、受け身みたいだなぁって思ったんだ』
『ほぉ、受け身か!青龍、この辺で柔道を教えてくれるところはないか?』
『う~ん、聞いたことないなぁ。父さんと母さんなら、昔から住んでるから知ってるかも』
『さっそく今日にでも聴いてみてくれ』
『分かったけど、僕が柔道?基本的に僕よりみんな大きいから、そんな相手を投げられるとは思えないし、全然イメージ沸かない』
『とりあえず受け身だけだ。誰かを投げ飛ばすのは考えなくていい』
『うん、そうする』
そして、家に帰って、昼食の時間となった。3人でテーブルを囲む。
「いただきます」と言ってから食べ始めた。
『うん、今日も美味い』
白虎は相変わらず言っている。
「ねぇ、お父さん」
「何だ?」
「この辺で柔道教えてくれるところない?」
父は箸を持ったまま動きを止めた。
「クックックッ」と笑っている声が聞こえた。見ると、お母さんが箸を持った手の甲を口に当てて、お父さんを見ながら笑っていた。
父は、青龍を見ながら、
「どうして柔道をやりたいんだ?」
「僕は背が低いから、変な奴に絡まれるかもしれない」
「そういう時は逃げるんだ」
「僕が一人なら、もちろんそうするけど、もし僕が好きになった人が一緒だったら、逃げられない」
「そういう時は、警察に・・・」
「お父さん!」と母は強く、少し呆れたように言い、
「いい加減にして。青龍がやりたいって言ってるのよ」
「はぁ~」と父はため息をつき、真剣な顔になった。
「いいかい、青龍?」
一通りのメニューをこなした後、
『これまでで相当動くための筋力が付いた。次のステップに行く』と白虎は言った。
『えっ?筋力を増やすだけじゃないの?』
『別にお前を重量挙げの選手にするつもりはない。あくまでも早く動くために必要だったんだ。これからは早く動くための動作を覚えてもらう』
『速く走るってこと?』
『それももちろん重要だ。しかし、これからは、俊敏な動きを学んでもらう。まぁ、口で言っても難しいだろうから、やってみる』
『うん』青龍は目を閉じた。
そして、少し釣り上がった目が開く。
『いいか、ここから2メートル先にある物陰に隠れたいとする』
『うん』
『普通なら走るだろうが、目の前で拳銃を構えられてるとしたら、悠長に走ったら、すぐに狙われてズドンだ』
『そうなるかもね』
『だから』白虎はそう言って、前にジャンプして、両手を突き、頭を両手の間に入れて前転した。跳び前転である。
『こうやるんだ』
『えっ!そんなの無理だよ』
『まぁ、初めてだと土の上じゃ怖いだろうから、できればマットか畳の上がいいんだがな』
『学校?家だとそんなスペースないよ』
『そうなんだよなぁ、まぁ、これができると』と白虎は鉄棒の上に乗った。
『えっ!何するの!』
『まぁ、見てろって』白虎は鉄棒からジャンプして、同じように前転した。
『こういうこともできる。多少高いところからでも降りられるようになる』
『止めてよぉ~、心臓止まるかと思ったぁ』と青龍は情けない声を出した。
『ポイントは着地の時にしっかり腕で支えてから倒れることだ。今のお前の筋力ならできる』
『でも・・・』
『最近だとパルクールとも言われてるようだな』
『あっ!雑誌で読んだことある。なるほど、受け身みたいだなぁって思ったんだ』
『ほぉ、受け身か!青龍、この辺で柔道を教えてくれるところはないか?』
『う~ん、聞いたことないなぁ。父さんと母さんなら、昔から住んでるから知ってるかも』
『さっそく今日にでも聴いてみてくれ』
『分かったけど、僕が柔道?基本的に僕よりみんな大きいから、そんな相手を投げられるとは思えないし、全然イメージ沸かない』
『とりあえず受け身だけだ。誰かを投げ飛ばすのは考えなくていい』
『うん、そうする』
そして、家に帰って、昼食の時間となった。3人でテーブルを囲む。
「いただきます」と言ってから食べ始めた。
『うん、今日も美味い』
白虎は相変わらず言っている。
「ねぇ、お父さん」
「何だ?」
「この辺で柔道教えてくれるところない?」
父は箸を持ったまま動きを止めた。
「クックックッ」と笑っている声が聞こえた。見ると、お母さんが箸を持った手の甲を口に当てて、お父さんを見ながら笑っていた。
父は、青龍を見ながら、
「どうして柔道をやりたいんだ?」
「僕は背が低いから、変な奴に絡まれるかもしれない」
「そういう時は逃げるんだ」
「僕が一人なら、もちろんそうするけど、もし僕が好きになった人が一緒だったら、逃げられない」
「そういう時は、警察に・・・」
「お父さん!」と母は強く、少し呆れたように言い、
「いい加減にして。青龍がやりたいって言ってるのよ」
「はぁ~」と父はため息をつき、真剣な顔になった。
「いいかい、青龍?」
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる