僕の彼女は、男子高校生

ぱるゆう

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アキノの文化祭

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勇吏のお陰で、アキノの大学生活は平穏なものになるはずだった。

しかし、
「ねぇ、彼氏、今度いつ来るの?」

「彼氏と友達と、コンパしようよ」

と今度は女子が集まるようになった。

そのことを勇吏に伝えると、
「いつでもいいよ。でも、日本に友達いないし、アメリカの友達にはマジックは秘密だから連れていけないよ」

「友達はどうでもいいのよ。あなたが来れば」

「でも、一人だと不安だな」

「私がいても?」

「もちろん、あ~ちゃんがいてくれれば大丈夫だけど、不自然にならないようにしないと」

「そうなのよねぇ。そこが難しい」

「日本の大学って。フェスティバルってあるの?」

「フェスティバル?お祭り的なこと?」

「うん、学生が運営して、演奏とかいろいろやったりするんだ」

「あっ!学園祭か」

「多分、それ。その時は行くようにするよ。本物の彼氏とは違う日に」

「そうね。逆に一緒じゃないと不自然ね」

「そうだね」

「うん、ありがとう。また連絡する」

「いつでも助けに行くからね」





そして、学園祭初日となった。
風斗は、春花、夏樹、冬樹と一緒に来るようにした。

夏樹は相変わらずの服装で、アキノは嫌だと最後まで抵抗したのだが、お店の宣伝と言われて、夏樹の強引さで店の服を着ることになった。

ただでさえ目立つのに、アキノはずっと下を向いて歩いた。

みんなが驚いた顔をしてすれ違っていく。

夏樹は楽しそうにしている。春花は普通の服を着て、無表情で夏樹の服を着せられた冬樹の手を引いている。

普通の服を着た風斗は、大学というものが珍しい様子で、アキノと手を繋ぎながらキョロキョロしている。

まぁ、弟にしか見えないだろうと、アキノは思っていた。

夏樹がいつものように写真を安請け合いすると、いつの間にか順番待ちになった。

春花は、冬樹を夏樹に任せ、風斗と一緒に端に寄った。
「はぁ~、外に出るとホントに落ち着かない」春花は頭を振った。

「春花さん、諦めなよ。夏ちゃんには敵わないんだから」

「いつか飽きると思ってるんだけど、無駄なのよね」

「夏ちゃんが楽しそうにしてるのはいいんだけど、あ~ちゃんまで巻き込まないで欲しい」

「アキノが就職するまでは、それこそ諦めなさい」

「はぁ~」と2人は同時にため息をついた。

「でも、春花さんって、あ~ちゃんがお腹にいなかったら、大学行ってたんだよね?」

「そうね。あの時は大学に行くもんだと思ってたわ」

「大学に来てみて、残念とか思わないの?」

「今となっては、何で行こうと思ったのか疑問に思うわ。アキノは法律の勉強がしたい。あなたは建設の勉強がしたい。ちゃんと目的があるけど、私は大学に入れる学力があったから行く、そういうレベルだったから。今は行かなかったことを何とも思わないわ」

「春花さんって男前だよね」

「止めて。夏樹があんな感じなのよ。私までできると思う?」

「性別逆だったら、どうなったのかな?」

「今と変わらないわよ。妊娠するのが私から夏樹に変わるだけ。私は絶対に夏樹を離さなかったと思うわ」

「兄ちゃん、えらいところに巻き込まれてるな」と風斗はボソッと言った。

「何!」と春花が睨む。

「何でもないです・・・。でも、あ~ちゃんが春花さんに似て良かった。それはずっと思ってる」

春花は顔を赤くした。

「えっ?何か変なこと言いました?」

「バカ!」春花は少し頬を膨らませた。

「なんかすいません・・・」




それから、何とか一通り回りきり、アキノは休憩所でグッタリとした。

「もう、嫌!」アキノは小さく叫んだ。

「何でよ。いつもと同じじゃない」夏樹は言った。

「みんな知ってる人なのよ。学校でずっと会うの!」

「別に似合ってて、可愛いんだからいいじゃん」

「そういう問題じゃないの!」

「ゆ~ちゃんは楽しんでるのに。ねぇ?」

「うん、夏ちゃん、楽しい」スカート姿の冬樹は言った。

「はぁ~、うちの家、性別おかしいよ」アキノは呆れた。

「可愛いものに、性別は関係ない」夏樹は真面目な顔で言った。

「はいはい」アキノは無駄な会話だと思い、諦めた。

アキノは、自分が目立ちたい人間だと勘違いされるのが一番嫌だった。

帝都大学にもミスコンはある。何回も誘われて、大学にそういうことをするために来たんじゃない、と断っていた。それを信じてもらえなくなる可能性が高い。

「もう帰ろう」とアキノは言い、立ち上がった。春花も風斗も立ち上がった。

「もう少し」と夏樹は抵抗したが、アキノは歩き始めた。

「ちょっと待って」
夏樹は、冬樹の手を引いて後に続いた。


そして2日目となった。
    
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