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エピローグ 1
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夏休みの旅行から4日目の朝、小百合は、スーツケースいっぱいに荷物を持ってきた。
小百合は部屋を見回して、優一が嘘をついていないことに満足した。
荷物をアチコチにしまいながら、
「そう言えば、おじ様に電話した?」
「あっ!忘れてた!」
「はぁ~、今すぐに電話しなさい!」
「えっ?後でいいよ」
「早くしなさい!」と小百合は強い口調で言った。
渋々優一はスマホを手に取った。
「もしもし、今、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。どうした?」
「小百合と付き合うことになった」
「あぁ、そうか。良かったな」父は落ち着いた声で言った。
「それで、小百合から聞いたんだけど、美杉先生の婿探しやんなくていいから」
「えっ?どうしてだ?」父の慌てた声が聞こえた。
「アメリカの元恋人が迎えに来たらしくて、結婚するって」
「えっ!ホントか!」父の驚いた声が聞こえた。
「ホントだよ」優一は少し可笑しくなった。
「あぁ、そうかぁ・・・」と落胆した声がした。
「まさか、もう探してた?」優一は少し心配になって言った。
「まだ本人達には言ってないんだが、何人かは考えてたんだ」
「マジで?」
「あぁ、元恋人かぁ・・・」
「野球場で会っただけでしょ?」
「それはもちろんそうなんだが、なんだろうな、不思議とずっと話をしていたいというか、色んなことを話してみたい、どう思うか聞いてみたい。う~ん、なんて言ったらいいのか、物事をキチンと見ていて、話していると、今何が一番必要なのか、何をすべきなのか、それを目に見えるように形にして見せてくれる。まぁ、女性でと言ったら、今はいけないのかもしれないが、こんなこと女性に対して思ったのは、母さん以来かもしれない。だから、社員達が成長できるような気がしてたんだ」
「へぇ~、父さんも人を見る目あるんだ?」
「ハッハッハッ、そうだな。そうじゃないと、会社が潰れてしまうからな。まぁ、なんだな、お前があの先生を選んだ理由は分かるような気がした」
「うん、先生から大切なことをたくさん学んだ」
「そうか。でも、お前には小百合ちゃん、先生は結婚か。丸く収まったんじゃないか?」
「うん、そうだね。次は、父さんから学ばないと」
「まだ早い。今は他のことをたくさん学びなさい。無駄なことなんて何もない。失敗しても失敗したことを学ぶことが大切だ」
「それ、受験生に言う?」
「あぁ、そうだったな。悪かった。先生のことは残念だが、お前のことは安心した。小百合ちゃんならお前のことを任せられる」
「うん、僕も小百合に迷惑かけ過ぎないようにするよ。じゃあ、仕事頑張ってね」
「あぁ」
優一は電話を切った。
「なんだ、ちゃんと話せるんじゃん」
「なんか面倒くさいというか、恥ずかしいというか・・・」
「仲が悪いんじゃなくて良かった」
「別に、そういうんじゃないよ」
少しずつベッドのシーツや食器類等を買っていった。どんどん部屋に新しいものが増えていった。
特に優一には拘りがなかったので、部屋の雰囲気は、かなり変わっていった。
それから、ほとんど小百合は部屋にいるようになった。たまに荷物を取りに帰るくらいだった。
小百合の両親は、一人で部屋で勉強しているよりかは、優一に勉強をみてもらっている方が安心だと言っていると、小百合が言っていた。
実際には2人で模試を受けまくった。
優一は、相変わらずトップスリーから落ちることはなかった。
小百合は、模試で見つかった弱い部分を集中的に優一に教わって、どんどんと順位を上げていき、余裕で合格できる位置にまで来た。
このため、優一が唯一一人になれる時間は、ジムだけとなった。
でも、掃除も洗濯も食事も、2人で分担するから、楽になったように優一は感じていた。
それに、詩織の時は平日は我慢しなくてはならなかったが、今はいつでもできるので、逆にする回数は減った。
悪くなった点は、小百合が話しかけてくるので、難しい論文を集中して読めなくなったことくらいだ。
そして、夏休みの終わりが見えてきた頃、詩織から小百合のスマホに、籍を入れた証明書の写真付きでメールが来た。
『結婚おめでとうございます』という言葉と共に、2人の模試の結果の写真を送った。
『ありがとう。2人とも頑張ってるみたいだから安心した』と返事が来た。
詩織は、アメリカに発つ前に、校長に入籍すること、今年度いっぱいで退職したい旨を伝えていた。
退職について、校長は残念がってくれた。しかし、フレッドのことを話すと校長は驚いて、いつか会わせてくれと言った。実はスポーツ全般好きらしい。快く引き受けた。
そして、夏休みも終わり、二学期が始まった。
詩織の授業も受験対策を取り入れ、最新のアメリカの新聞記事とヒアリングが中心となった。
優一は小百合と付き合っているという噂が本当になった、と改めて思った。噂が出だした頃は、嘘だったはずなのに。
数日後、優一と小百合は一緒に、授業が終わった後の詩織に、放課後に相談したいことがあると告げた。
放課後、優一と小百合は相談室で、
「結婚おめでとうございます」と改めて詩織に言った。
「ありがとう」と微笑む詩織の左薬指には指輪が光っていた。
「それで相談と言うか、お願いというか・・・」小百合が話し始めた。
「何?」詩織は嫌な予感がして、眉間にシワを寄せた。
「フフフッ、先生、怖がらないでください」と小百合は笑った。
「嫌な予感しかしないんだけど」
「えぇ~、そんなこと言わないでくださいよぉ」
「それで、何なの?」
小百合は恥ずかしそうに優一を見てから、
「実は優一と婚約しようと思って」
「あぁ、いいんじゃない」と詩織は、そんなことかとホッとして、
「結婚は流石にね」と続けた。
「そうなんです。それで、先生に・・・」
「えっ?何?まだあるの?」また詩織は眉間にシワを寄せた。
「フフフッ、仲人になってもらいたいんです」小百合は笑顔で言った。
「えっ?ちょっと待って。私は2人の邪魔になるって言ったでしょ?」
「そんなことないです。先生は私達のキューピットです。だから、お願いします」と小百合と共に、優一も頭を下げた。
「えっ?・・・、ご両親はなんて言ってるの?」
「先生が先で、まだ話してませんけど、今、私、優一の部屋に住んでるんで」
「それは別に構わないけど、本当に私達でいいの?後で後悔しない?」
「後悔なんて絶対にしません。逆に先生との繋がりができて、嬉しいです」と小百合は笑顔で続けた。
「分かった。フレッドにも言っておく」
「やったぁ!」と優一と小百合はハイタッチしながら喜んだ。
「何かやるの?」と詩織は言った。
「う~ん、家が隣で親も仲いいんで、特に考えてはないんですけど、もし親が何か言ったら知らせます」
「うん、分かった」
しばらくした後、小百合から、
「優一の親も私の親も、分かったけど受験が終わってから、ということになりました」と連絡があった。
そりゃそうだろう、と詩織は思った。
小百合は部屋を見回して、優一が嘘をついていないことに満足した。
荷物をアチコチにしまいながら、
「そう言えば、おじ様に電話した?」
「あっ!忘れてた!」
「はぁ~、今すぐに電話しなさい!」
「えっ?後でいいよ」
「早くしなさい!」と小百合は強い口調で言った。
渋々優一はスマホを手に取った。
「もしもし、今、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。どうした?」
「小百合と付き合うことになった」
「あぁ、そうか。良かったな」父は落ち着いた声で言った。
「それで、小百合から聞いたんだけど、美杉先生の婿探しやんなくていいから」
「えっ?どうしてだ?」父の慌てた声が聞こえた。
「アメリカの元恋人が迎えに来たらしくて、結婚するって」
「えっ!ホントか!」父の驚いた声が聞こえた。
「ホントだよ」優一は少し可笑しくなった。
「あぁ、そうかぁ・・・」と落胆した声がした。
「まさか、もう探してた?」優一は少し心配になって言った。
「まだ本人達には言ってないんだが、何人かは考えてたんだ」
「マジで?」
「あぁ、元恋人かぁ・・・」
「野球場で会っただけでしょ?」
「それはもちろんそうなんだが、なんだろうな、不思議とずっと話をしていたいというか、色んなことを話してみたい、どう思うか聞いてみたい。う~ん、なんて言ったらいいのか、物事をキチンと見ていて、話していると、今何が一番必要なのか、何をすべきなのか、それを目に見えるように形にして見せてくれる。まぁ、女性でと言ったら、今はいけないのかもしれないが、こんなこと女性に対して思ったのは、母さん以来かもしれない。だから、社員達が成長できるような気がしてたんだ」
「へぇ~、父さんも人を見る目あるんだ?」
「ハッハッハッ、そうだな。そうじゃないと、会社が潰れてしまうからな。まぁ、なんだな、お前があの先生を選んだ理由は分かるような気がした」
「うん、先生から大切なことをたくさん学んだ」
「そうか。でも、お前には小百合ちゃん、先生は結婚か。丸く収まったんじゃないか?」
「うん、そうだね。次は、父さんから学ばないと」
「まだ早い。今は他のことをたくさん学びなさい。無駄なことなんて何もない。失敗しても失敗したことを学ぶことが大切だ」
「それ、受験生に言う?」
「あぁ、そうだったな。悪かった。先生のことは残念だが、お前のことは安心した。小百合ちゃんならお前のことを任せられる」
「うん、僕も小百合に迷惑かけ過ぎないようにするよ。じゃあ、仕事頑張ってね」
「あぁ」
優一は電話を切った。
「なんだ、ちゃんと話せるんじゃん」
「なんか面倒くさいというか、恥ずかしいというか・・・」
「仲が悪いんじゃなくて良かった」
「別に、そういうんじゃないよ」
少しずつベッドのシーツや食器類等を買っていった。どんどん部屋に新しいものが増えていった。
特に優一には拘りがなかったので、部屋の雰囲気は、かなり変わっていった。
それから、ほとんど小百合は部屋にいるようになった。たまに荷物を取りに帰るくらいだった。
小百合の両親は、一人で部屋で勉強しているよりかは、優一に勉強をみてもらっている方が安心だと言っていると、小百合が言っていた。
実際には2人で模試を受けまくった。
優一は、相変わらずトップスリーから落ちることはなかった。
小百合は、模試で見つかった弱い部分を集中的に優一に教わって、どんどんと順位を上げていき、余裕で合格できる位置にまで来た。
このため、優一が唯一一人になれる時間は、ジムだけとなった。
でも、掃除も洗濯も食事も、2人で分担するから、楽になったように優一は感じていた。
それに、詩織の時は平日は我慢しなくてはならなかったが、今はいつでもできるので、逆にする回数は減った。
悪くなった点は、小百合が話しかけてくるので、難しい論文を集中して読めなくなったことくらいだ。
そして、夏休みの終わりが見えてきた頃、詩織から小百合のスマホに、籍を入れた証明書の写真付きでメールが来た。
『結婚おめでとうございます』という言葉と共に、2人の模試の結果の写真を送った。
『ありがとう。2人とも頑張ってるみたいだから安心した』と返事が来た。
詩織は、アメリカに発つ前に、校長に入籍すること、今年度いっぱいで退職したい旨を伝えていた。
退職について、校長は残念がってくれた。しかし、フレッドのことを話すと校長は驚いて、いつか会わせてくれと言った。実はスポーツ全般好きらしい。快く引き受けた。
そして、夏休みも終わり、二学期が始まった。
詩織の授業も受験対策を取り入れ、最新のアメリカの新聞記事とヒアリングが中心となった。
優一は小百合と付き合っているという噂が本当になった、と改めて思った。噂が出だした頃は、嘘だったはずなのに。
数日後、優一と小百合は一緒に、授業が終わった後の詩織に、放課後に相談したいことがあると告げた。
放課後、優一と小百合は相談室で、
「結婚おめでとうございます」と改めて詩織に言った。
「ありがとう」と微笑む詩織の左薬指には指輪が光っていた。
「それで相談と言うか、お願いというか・・・」小百合が話し始めた。
「何?」詩織は嫌な予感がして、眉間にシワを寄せた。
「フフフッ、先生、怖がらないでください」と小百合は笑った。
「嫌な予感しかしないんだけど」
「えぇ~、そんなこと言わないでくださいよぉ」
「それで、何なの?」
小百合は恥ずかしそうに優一を見てから、
「実は優一と婚約しようと思って」
「あぁ、いいんじゃない」と詩織は、そんなことかとホッとして、
「結婚は流石にね」と続けた。
「そうなんです。それで、先生に・・・」
「えっ?何?まだあるの?」また詩織は眉間にシワを寄せた。
「フフフッ、仲人になってもらいたいんです」小百合は笑顔で言った。
「えっ?ちょっと待って。私は2人の邪魔になるって言ったでしょ?」
「そんなことないです。先生は私達のキューピットです。だから、お願いします」と小百合と共に、優一も頭を下げた。
「えっ?・・・、ご両親はなんて言ってるの?」
「先生が先で、まだ話してませんけど、今、私、優一の部屋に住んでるんで」
「それは別に構わないけど、本当に私達でいいの?後で後悔しない?」
「後悔なんて絶対にしません。逆に先生との繋がりができて、嬉しいです」と小百合は笑顔で続けた。
「分かった。フレッドにも言っておく」
「やったぁ!」と優一と小百合はハイタッチしながら喜んだ。
「何かやるの?」と詩織は言った。
「う~ん、家が隣で親も仲いいんで、特に考えてはないんですけど、もし親が何か言ったら知らせます」
「うん、分かった」
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