旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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小百合のお泊り 10 奪い合い

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小百合は、乾燥ひじきを水を張ったボールの中に入れた。

その間に、人参と油揚げを千切りにする。そして、醤油や味醂、和風だし、酒、砂糖で合わせ調味料を作った。

「やっぱり作る相手が、優一だと楽しいな」

小百合は微笑みながら手を動かした。

残った人参はシャトー切りにしておく。カリフラワー、ほうれん草も切っておく。

まだ、乾燥ひじきが戻らないので、米を研いで、炊飯器にセットした。

まだか・・・、ひじきを見る。

あの人も、こうして料理を作ってるんだろう。メモを見る限り、何でも作れそうだ。



母親も料理は好きで、ドラマや映画の撮影がないオフの時は、小さい頃から隣で手伝った。少しでも母親と一緒にいたかった。

母親が忙しくて家にいない時は、習慣から、お手伝いさんの隣に行くようになった。初めは多分、邪魔だと思われていたかもしれない。でも、そのうち、諦めたのか、色々と教えてくれるようになった。

相手はある意味、家事のプロである、自然と手際の良さも学ぶことになった。

何でこんなことをしていたのか?というと、一番の理由は、外は危ないからだ。誘拐もそうだが、マスコミ、ファン、何があるか分からない。

必然的に、同じ状況の優一の家に行くしかなくなる。

優一の家は、父親がほとんどいないことが多く、母親、2人の姉と一緒にいたので、小さい頃から、女の子にイタズラもしないし、悪口も絶対に言わなかった。

それに加えて、顔も女の子っぽく整っていて、無口だったので、幼稚園では女の子の間で奪い合いになった。

しかし、小百合は家に帰れば独占できるのだ。わざわざ幼稚園で争う必要もない。幼稚園では、あなたといると他の子に嫌われるから、と他の子に聞こえるように言って、優一から離れようとした。しかし、優一は無言で小百合の近くに来た。当の優一がそうしているんだから、他の子も何も言えなくなった。

しかし、結局、優一が嫌だと言わないから、他の子達は諦めるという結論にならない。小百合よりも気に入られようと、プレゼントを渡してくる。そんなことがあると、優一は全て小百合に言った。

小百合は、よく分からないことは、優一の姉達に相談した。姉達は面白がっている部分もかなりあったが、小百合に色々と教えてあげた。こんな関係だから、今も妹のように小百合を可愛がっている。

こうして、小百合が解決すると、優一は増々小百合に頼るようになった。

もちろん小百合が困っている時は、率先して助けた。

こんな関係がずっと続いた。

しかし、残念ながら、優一が恋愛感情を持つことはなかった。小百合だけでなく、誰に対しても。

ただ小百合だけは特別な存在ではあった。何も飾らない自分を見せることができる唯一無二の存在。何も考えなくてもいい面倒くさくない相手というだけでは済まされない存在だった。小百合に何かあれば、すぐに助けに行く。そんなことは優一にとって当たり前だった。




なぜ私が面倒をみれるように仕向けたんだろう?

大人だから?

メモを残すってことは、私とのことは全部聞いてるんだろう。もし、私が優一としたら、嫌な気持ちにならないんだろうか?

優一は結婚したいと思っているが、少なくとも相手はそう思っていない。

もしかして人妻?優一は夫と別れさせようとしているのか?

いや、それなら、毎週の週末泊まるなんてことはできないだろう。夫が出張で家を空ける。うちの父親みたいな職業なら、長期の泊まり込みなんてこともなくはいだろうが。



ひじきは、そろそろ良さそうだ。水を切っておく。鍋に少しサラダ油を入れて人参を炒める。少ししんなりしたら、ひじきを入れてまた炒める。最後に油揚げと合わせ調味料を入れ、タイマーをセットして弱火で煮込む。


まだハンバーグを作るには早過ぎるな。


またメモを手に取る。
何処かで見たような少し癖のある文字。

あっ?

小百合はスマホを取り出して、メモを写真に撮った。

うん、これなら、持ち歩かなくてもいい。明日、買い物をするときに参考にしよう。


テーブルに座り、参考書を開いた。

う~ん。この部屋の空気にも馴染んできたけど、何か物足りない。

小百合はスーツケースを開いて、アロマキャンドルを取り出して、テーブルに置き、火をつけた。

「う~ん、いい匂い」
小百合は、参考書に集中した。

しかし、すぐにキッチンのタイマーが鳴った。鍋を覗いてみると、できていそうだった。箸で一摘み食べてみると、いい感じになっていたので、皿に移した。

隙間を開けてラップをして、熱が逃げるようにする。

まだ夕飯を作るには早い。参考車に戻った。参考者には間違えたところだけ、付箋を貼ってある。また、頭をリセットさせて、イチから考える。

「これ、絶対にこっちでも合ってるわよ」と不満を言ってみる。

「違うよ。ちゃんと答えは書いてある。間違わないようになってる」優一が覗き込んだ。

    
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