旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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小百合と優一の火曜日 2 久しぶり

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夕飯を食べてから洗濯物を干して、風呂に入ることになった。

優一のシャツのボタンを小百合が外した以外は、優一は一人で服を脱いで、風呂場へと行った。

小百合は、念の為、寝室で水着に着替えて、風呂場に入った。

「やっぱり変だよ。風呂場で、水着なんて」

「しょうがないでしょ。ほら、洗うから」

「もう自分で洗えるよ」

「大人しくしなさい」

小百合はいつも通り、優一の身体を洗った。その後、優一は湯船に入った。

「あぁぁ、久しぶり。やっぱり全然違う。疲れが取れる」

「フフフッ、おじいちゃんみたいね」小百合は水着の上から体を洗っている。

「小百合は毎日入っんてたんだから分かんないよ」

「はいはい、そうですね。痛くない?」

「うん、大丈夫」と言いながら、優一は内出血を見て、指で押してみた。

「止めて!痛そうだから」小百合が顔をしかめる。

「ううん、全然痛くない。明日からは指のリハビリだな」

「明日、先生達にも言いに行く?」

「担任に言うからいいよ。弁当も明日まで作って」

「うん。入るわよ」

小百合は泡を流し終わって言った。

優一は足を抱える。そのスペースに小百合は入った。
「ふぅ~、気持ちいい」

「小百合、ありがとう。小百合のお陰で早く良くなった」

「うん」

小百合はもう、この時間が長くないことに心が痛んだ。

「小百合、今まで通り、デートは続けよう」

「うん。でも、日曜日まではいていい?日曜日には絶対に帰るから」

仕方ないか、これくらいのワガママは聞いてあげよう。

「うん。でも、月曜のこともあるんだから、そんなに遅くまではダメだよ」

「うん」残り泊まるのは今日を含めて5回か。どうしよう?思い切ってしまおうか?でも、やっぱり、この部屋は嫌。


優一が、湯船に少し沈めた掌を合わせて、握ったり開いたりを繰り返す。親指の付け根の空いた隙間から、水が勢いよく飛び出す。

「懐かしい!まだできるんだ」

「手が大きくなったから、こんなこともできる」と小百合の顔に水がかかった。

「こら!もぉ~」小百合は顔を両手で拭った。

「フフフッ、昔はこんなに飛ばなかった」

小百合は優一の片手を自分の方に引き寄せて、自分の掌と合わせた。

「こんなに違っちゃったね」

「こんなに背が伸びるとは思わなかった」

「そうよね。誰に似たのかしら?おじ様はそんなに高いほうじゃないわよね?」

「まぁ、母さんが高い方なのかな。姉ちゃん達は低いから、僕だけってのも変な感じする。もしかして、僕だけ父親がちがうとか」

「それはない」と小百合は即座に否定した。

「何でだよ」

「身長以外は、そっくりよ。おじ様と。あっ、社交性は違うわね」

「それは小百合がやってくれてるだろ」

「はいはい、そうね。私がいないと、どうなるか分かってるわよね?」

「分かってるよ。でも、今までも、そうだっただろ」

「ねぇ、私が別の人と結婚しても、やらなくちゃならないの?」

「そっ、それは・・・」

「その人は、あなたのこと、どれくらい理解しているの?」

「そんなの、これからだってできるよ」

「ふ~ん。あなたは、そういう所、全部見せられるの?」

確かに、どう思っているのだろうか?甘えん坊なことは嫌と言うほど理解していると思うが、それ以外のことは・・・。

『全然私の話聞いてくれない』詩織の言葉が頭に蘇る。

「僕が大人になればいいことだろ」

「確かにその通りよ。次の生徒会、一人でやってみる?」

「そっ、それは・・・」優一は口籠った。

「まぁ、いいわ。そろそろ出ましょ。明日も学校あるんだから」

小百合は立ち上がって、タオルを取りに行き、浴槽から出た優一に渡した。

「服は着れる?」

「うん、大丈夫だと思う」

「じゃあ、私は身体洗うから」



優一は風呂場を出た。

タオルを籠に入れ、ドライヤーを手に取るが、スイッチが上手く押せない。

「小百合、ドライヤーのスイッチが動かせない」

「えっ!ちょっと待ってて」

少しして、水着を着た小百合が出てきた。

小百合はドライヤーを受け取ると、スイッチを入れた。

「終わったら、コンセント抜いて」

「分かった」

小百合は、また風呂場の中に消えた。

ドライヤーで髪を乾かしていると、シャワーの音がした。

詩織なら間違いなく扉を開けるが、小百合だとそういう気も起きない。

小百合がいなくても、僕はうまくやれるのだろうか?小百合と旅行が終わったら、真剣に話し合わないとならないかもしれない。

乾かし終わると、言われた通りドライヤーのコンセントを抜いた。

服を着て、テーブルの椅子に座った。
疲れ易いのもなくなっている。
指を動かしてみる。

「うん、大丈夫そうだ」

冷蔵庫からお茶を出して飲んだ。

そんなに時間もかからずに、小百合は出てきた。またドライヤーで髪を乾かしている。

「なんか無性に切りたくなってきた」と小百合は少しイライラしたように言った。

「小百合の髪は綺麗だけど、そんなに大変だとは思わなかった。短くなったからって。小百合の良さがなくなるわけじゃないんだから」

「分かったわよ。もう切るわ。30センチくらい」

「また伸ばしたくなったら、伸ばせばいいじゃん」

「そうね」

「お茶飲む?」

「うん、少し」

優一は新しいコップに入れて、小百合
の前に置いた。

「ありがとう。痛み止め、どうする?」

「今は止めとく。もし痛くなったら飲むから」

「起こしていいからね」

「ありがと」

2人はベッドに向かった。


昨日ほどではないが、やっぱり小百合の心臓は高鳴った。

しかし、昨日と同じように。何もなかった。
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