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トラブル旅行? 1
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そして旅行当日となった。特に旦那にはわざわざ言わなかった。
何度も終電の時間は調べてきた。ちゃんと1時間前にアラームが鳴るようにセットしてある。
どうせいつもの『お願い』でなんとかなると思っているのだろう。
でも、旅行自体は久しぶりなので、ワクワクはしてしまう。でも、旦那と子供で行きたいというのが本音だ。
駅で待ち合わせる。車で行くようなところは時間が読めないから、良かった。
すぐに、スーツ姿の白石が現れた。
「出張じゃないのよ」
「そう言わないと無理なんですよ。これでも、かなり怪しまれたんですから」
「本当に何やってるの?」
「しょうがないじゃないですか。スミレさんが会ってくれないから」
「ふ~ん、全部、私のせいなんだ?」
「あっ、いやっ、違います。僕が全部悪いんです。スミレさんに悪いところなんて何も無いです」
「そのはずよね?」
「はい、もちろんです」
白石は右腕と体に隙間を作った。
「何やってるの?」
「えっ、今日一日は夫婦のつもりで」
「フフフッ。分かったわ。あなた」私は腕を組んだ。
「今日は素敵な旅にしようね。スミレ」
調子に乗っていると思ったが、面白いので続けることにした。
「はい、あなた」
「堪らない」と旦那役がぼそっと言った。
いい年のおっさんが、お水系とすぐ分かる若い女の子を連れて歩いている姿は、みっともないを通り越して、連れてる方も、連れられてる方も救いようがないと思っていたが、今は自分がやっている。おかしくて、吹き出してしまいそうだ。
しかも、連れられているのは自分の方なのだ。私はセックスよりも温泉が楽しみで仕方がない。あっ、連れられてる女の子の同じか。
「フフフッ」つい口に出てしまった。
「どうしたんですか?楽しそうですね」
「温泉が楽しみだなって」
「僕はスミレさんと」
「もうキャラ設定はいいの?」
白石はハッとした顔になり、
「ワシは、お前と入る温泉が楽しみだ」
誰なんだ?とツッコミたくなったが、ほっといた。
「私は温泉だけ」
「おいおい、せっかくの貸し切りなのに」
「水着持ってきたわよ」
「えっ!ちょっと待ってください。どういうことですか?」凄い慌てている。
「だって、ビキニが見たいって」
「確かに言いましたけど。それはプールの話で」
「貸し切りなら、一人で見れるわよ」
「それはそうかもしれないですけど。温泉は違いますよ」
「そんな昼間っから見せられるような体じゃないわ」
「そんなことないです。スミレさんは綺麗ですよ」
「そんなことより、どこで乗るのよ。切符あなたしか持ってないのよ」
「あぁ、ついつい浮かれてしまった」
切符をみる。
「良かった。この次のホームです」
「もう、設定はいいの?」
「次のホームじゃ。あぁ、めんどくさい。もう終わりでいいです」
「フフフッ、わかったわ。あなた、早く行きましょう。少し売店も見てみたいな。何か美味しそうなものあるかしら?」私は白石の手を取った。
「うぅっ、可愛い!はい!・・・そうだな。少し見てみるか?・・・なんかうまくできないな」
もう私の耳には届いていないけど。
買い出しをして、僕達は席に座った。
「あぁ、こんなことなら朝食食べてこなければよかったわ」スミレさんは少し膨れている。それも可愛い。
それでも、お摘み、お菓子を中心に色々と買った。
「お昼、良さそうなところ考えてますから」
「ホントに?」
機嫌が直ってはしゃいでいる。全てを捨ててみたくもなる。ただスミレさんは迷惑なだけだが。
僕は缶ビールを出して、前の椅子の背中から出したトレーに置く。スミレさんは隣で、
「どれにしようかな~」と悩んでいる。
「キスしていいですか?」
「摘みにはなりません。却下」
「はぁ、やっぱり」僕は下を向く。
「もう、しょうがないわね。はい、あなた」
顔を上げると、目を瞑ったスミレさんが口を尖らせている。
僕は体を背もたれから離して、顔を近づけて、唇が触れた途端に舌を入れた。
逃げるスミレさんを背もたれに押し込む。諦めたスミレさんも舌を絡めてくる。
すると、いきなり両手で僕の胸を押し出した。
「そんなにしなくても」とスミレさんを見ると、引きつった顔で通路を見上げていた。
何度も終電の時間は調べてきた。ちゃんと1時間前にアラームが鳴るようにセットしてある。
どうせいつもの『お願い』でなんとかなると思っているのだろう。
でも、旅行自体は久しぶりなので、ワクワクはしてしまう。でも、旦那と子供で行きたいというのが本音だ。
駅で待ち合わせる。車で行くようなところは時間が読めないから、良かった。
すぐに、スーツ姿の白石が現れた。
「出張じゃないのよ」
「そう言わないと無理なんですよ。これでも、かなり怪しまれたんですから」
「本当に何やってるの?」
「しょうがないじゃないですか。スミレさんが会ってくれないから」
「ふ~ん、全部、私のせいなんだ?」
「あっ、いやっ、違います。僕が全部悪いんです。スミレさんに悪いところなんて何も無いです」
「そのはずよね?」
「はい、もちろんです」
白石は右腕と体に隙間を作った。
「何やってるの?」
「えっ、今日一日は夫婦のつもりで」
「フフフッ。分かったわ。あなた」私は腕を組んだ。
「今日は素敵な旅にしようね。スミレ」
調子に乗っていると思ったが、面白いので続けることにした。
「はい、あなた」
「堪らない」と旦那役がぼそっと言った。
いい年のおっさんが、お水系とすぐ分かる若い女の子を連れて歩いている姿は、みっともないを通り越して、連れてる方も、連れられてる方も救いようがないと思っていたが、今は自分がやっている。おかしくて、吹き出してしまいそうだ。
しかも、連れられているのは自分の方なのだ。私はセックスよりも温泉が楽しみで仕方がない。あっ、連れられてる女の子の同じか。
「フフフッ」つい口に出てしまった。
「どうしたんですか?楽しそうですね」
「温泉が楽しみだなって」
「僕はスミレさんと」
「もうキャラ設定はいいの?」
白石はハッとした顔になり、
「ワシは、お前と入る温泉が楽しみだ」
誰なんだ?とツッコミたくなったが、ほっといた。
「私は温泉だけ」
「おいおい、せっかくの貸し切りなのに」
「水着持ってきたわよ」
「えっ!ちょっと待ってください。どういうことですか?」凄い慌てている。
「だって、ビキニが見たいって」
「確かに言いましたけど。それはプールの話で」
「貸し切りなら、一人で見れるわよ」
「それはそうかもしれないですけど。温泉は違いますよ」
「そんな昼間っから見せられるような体じゃないわ」
「そんなことないです。スミレさんは綺麗ですよ」
「そんなことより、どこで乗るのよ。切符あなたしか持ってないのよ」
「あぁ、ついつい浮かれてしまった」
切符をみる。
「良かった。この次のホームです」
「もう、設定はいいの?」
「次のホームじゃ。あぁ、めんどくさい。もう終わりでいいです」
「フフフッ、わかったわ。あなた、早く行きましょう。少し売店も見てみたいな。何か美味しそうなものあるかしら?」私は白石の手を取った。
「うぅっ、可愛い!はい!・・・そうだな。少し見てみるか?・・・なんかうまくできないな」
もう私の耳には届いていないけど。
買い出しをして、僕達は席に座った。
「あぁ、こんなことなら朝食食べてこなければよかったわ」スミレさんは少し膨れている。それも可愛い。
それでも、お摘み、お菓子を中心に色々と買った。
「お昼、良さそうなところ考えてますから」
「ホントに?」
機嫌が直ってはしゃいでいる。全てを捨ててみたくもなる。ただスミレさんは迷惑なだけだが。
僕は缶ビールを出して、前の椅子の背中から出したトレーに置く。スミレさんは隣で、
「どれにしようかな~」と悩んでいる。
「キスしていいですか?」
「摘みにはなりません。却下」
「はぁ、やっぱり」僕は下を向く。
「もう、しょうがないわね。はい、あなた」
顔を上げると、目を瞑ったスミレさんが口を尖らせている。
僕は体を背もたれから離して、顔を近づけて、唇が触れた途端に舌を入れた。
逃げるスミレさんを背もたれに押し込む。諦めたスミレさんも舌を絡めてくる。
すると、いきなり両手で僕の胸を押し出した。
「そんなにしなくても」とスミレさんを見ると、引きつった顔で通路を見上げていた。
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