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夜伽
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「ミャーコは、お前に愛されて、化け猫になった」美弥の姿の子猫は言った。
「ミャーコが?」
「化け猫は、飼い主に愛されながら長生きした猫がなる」
「化け猫って死なないんじゃ?」
「いくら何でもそれは無理じゃ。自然の摂理に反しておる。肉体には限界があるんじゃ。しがみつけば腐ってドロドロに溶け始める。その前に肉体を捨てて、新しい肉体に宿るんじゃ」
「残った肉体は?」
「消えてなくなる。何もなかったように」
そうか、だから鍵のかかった部屋からいなくなったのか。
「もし肉体にしがみついて、体が無くなったら?」
「妖力が使えなくなる。口がなくなるからな。そうすると、他の肉体に宿るのは不可能になるんじゃ」
「ん?何かツッコミどころはありそうだけど」
「そんなものはない。それが事実じゃ」
「でも、ミャーコは幸せだったんだね」
「だから、化け猫になれたんじゃ」
「そっか。良かった」僕の目には嬉し涙が浮かんでいた。
女の子は、僕の目を覗き込んだ。
「お前は本当に優しいのぉ」
「ミャーコは、何処かにいるんだよね?」
「あぁ、子猫になって誰かに飼われているはずじゃ。お前のことも覚えている」
「そっか、何処かで会えるかな」
「ただし、新しい飼い主がいい人間とは限らない」
「えっ?」
「悪い飼い主に飼われてしまうと、化け猫としての資質は失われていってしまう。だから、次に会った時に、お前のことを覚えているかは分からん」
「でも、君は」
「ワシは、かれこれ500年は生きている。だから、いい飼い主かどうかくらい分かる」
「でも、捨てられたんじゃ?」
「飼い主本人は良かったんじゃが、タイミングが悪くてな。飼い始めて、すぐに親と一緒にアメリカに行くことになってしまった」
「それでも捨てなくても良くない?」
「まだ小さい子供なんじゃ。ワシを捨てるときも大泣きして、ごめんなさい、ごめんなさいと言っていた」
「そんなことがあったんだ。それで僕?」
「あぁ、残った妖力を使って、お前を近くに呼び寄せた」
「あっ!フェンス!」
「そんなことは妖力を使えば簡単なことじゃ」
手荒過ぎないかと思ったが、
「まぁ、いい。君の命が助かったんだから」
また女の子はマジマジと僕の顔を見た。
「本当にお人好しじゃな。今までの飼い主の中でも一番かもしれんな」
「あっ、僕で何人目なの?」
「そうじゃな~、初めは、侍の家じゃった。あぁ!もう忘れた!」
「長生きしたんだね。凄いや」
「中には先に飼い主の方が死んでしまったこともある」
「そっか。ちょっと待って、その姿って他の人にも?」
「家族がいる飼い主では見せない。必要がないからな。相手もいない寂しい独り身だけじゃ」
「寂しいか。僕にピッタリだ」
「お前は、どっちがいい?猫の姿とこの姿と」
「どっちでもいいよ。君であることに代わりはないんだから」
「なんじゃ、この姿なら色々とできるぞ。夜伽もお前が満足するまで相手してやっても良い」
「夜伽!」僕は顔が赤くなった。
「あぁ、昔の飼い主も好きな女の姿で相手をしてやった。飼ってもらっているせめてもの礼じゃ」
「そっ、そんなこと、必要ないよ」
「そうか。初めてだから、優しくしてやろうと思ったんじゃが」
「なっ、何でそれを!」と言って、自分の頭を手で押さえて、頭を振った。
「昨日も優しくワシの身体を洗ってくれたじゃないか?この姿で洗ってもいいんだぞ」
「考えさせて欲しい」
「なんだ?添い寝してる時も、あんなに嬉しそうにしておったのに」
確かに猫だと思えば、裸で一緒に風呂に入っても、ベッドで並んで寝てもいいのに、人間の姿をしてるからできないというのは、僕だけの問題でしかない。
でも、何か一線を越えてしまう気がした。
それが、童貞を捨てることなのか?猫とそういうことをすることなのか?どっちなのか、よく分からない。でも、人間の姿をしているんだから、考え過ぎなのか?
ただ、僕が他の人とそういうことをすることは一生ないと思っていた。
「あのことか」と子猫は言った。
「そのことも知ってるんだ・・・」僕は唇を噛み締めた。
「お前は悪くない。お前が自分の人生に枷を嵌める必要はないではないか」
「それでも僕は許せないんだ・・・」
「ミャーコが?」
「化け猫は、飼い主に愛されながら長生きした猫がなる」
「化け猫って死なないんじゃ?」
「いくら何でもそれは無理じゃ。自然の摂理に反しておる。肉体には限界があるんじゃ。しがみつけば腐ってドロドロに溶け始める。その前に肉体を捨てて、新しい肉体に宿るんじゃ」
「残った肉体は?」
「消えてなくなる。何もなかったように」
そうか、だから鍵のかかった部屋からいなくなったのか。
「もし肉体にしがみついて、体が無くなったら?」
「妖力が使えなくなる。口がなくなるからな。そうすると、他の肉体に宿るのは不可能になるんじゃ」
「ん?何かツッコミどころはありそうだけど」
「そんなものはない。それが事実じゃ」
「でも、ミャーコは幸せだったんだね」
「だから、化け猫になれたんじゃ」
「そっか。良かった」僕の目には嬉し涙が浮かんでいた。
女の子は、僕の目を覗き込んだ。
「お前は本当に優しいのぉ」
「ミャーコは、何処かにいるんだよね?」
「あぁ、子猫になって誰かに飼われているはずじゃ。お前のことも覚えている」
「そっか、何処かで会えるかな」
「ただし、新しい飼い主がいい人間とは限らない」
「えっ?」
「悪い飼い主に飼われてしまうと、化け猫としての資質は失われていってしまう。だから、次に会った時に、お前のことを覚えているかは分からん」
「でも、君は」
「ワシは、かれこれ500年は生きている。だから、いい飼い主かどうかくらい分かる」
「でも、捨てられたんじゃ?」
「飼い主本人は良かったんじゃが、タイミングが悪くてな。飼い始めて、すぐに親と一緒にアメリカに行くことになってしまった」
「それでも捨てなくても良くない?」
「まだ小さい子供なんじゃ。ワシを捨てるときも大泣きして、ごめんなさい、ごめんなさいと言っていた」
「そんなことがあったんだ。それで僕?」
「あぁ、残った妖力を使って、お前を近くに呼び寄せた」
「あっ!フェンス!」
「そんなことは妖力を使えば簡単なことじゃ」
手荒過ぎないかと思ったが、
「まぁ、いい。君の命が助かったんだから」
また女の子はマジマジと僕の顔を見た。
「本当にお人好しじゃな。今までの飼い主の中でも一番かもしれんな」
「あっ、僕で何人目なの?」
「そうじゃな~、初めは、侍の家じゃった。あぁ!もう忘れた!」
「長生きしたんだね。凄いや」
「中には先に飼い主の方が死んでしまったこともある」
「そっか。ちょっと待って、その姿って他の人にも?」
「家族がいる飼い主では見せない。必要がないからな。相手もいない寂しい独り身だけじゃ」
「寂しいか。僕にピッタリだ」
「お前は、どっちがいい?猫の姿とこの姿と」
「どっちでもいいよ。君であることに代わりはないんだから」
「なんじゃ、この姿なら色々とできるぞ。夜伽もお前が満足するまで相手してやっても良い」
「夜伽!」僕は顔が赤くなった。
「あぁ、昔の飼い主も好きな女の姿で相手をしてやった。飼ってもらっているせめてもの礼じゃ」
「そっ、そんなこと、必要ないよ」
「そうか。初めてだから、優しくしてやろうと思ったんじゃが」
「なっ、何でそれを!」と言って、自分の頭を手で押さえて、頭を振った。
「昨日も優しくワシの身体を洗ってくれたじゃないか?この姿で洗ってもいいんだぞ」
「考えさせて欲しい」
「なんだ?添い寝してる時も、あんなに嬉しそうにしておったのに」
確かに猫だと思えば、裸で一緒に風呂に入っても、ベッドで並んで寝てもいいのに、人間の姿をしてるからできないというのは、僕だけの問題でしかない。
でも、何か一線を越えてしまう気がした。
それが、童貞を捨てることなのか?猫とそういうことをすることなのか?どっちなのか、よく分からない。でも、人間の姿をしているんだから、考え過ぎなのか?
ただ、僕が他の人とそういうことをすることは一生ないと思っていた。
「あのことか」と子猫は言った。
「そのことも知ってるんだ・・・」僕は唇を噛み締めた。
「お前は悪くない。お前が自分の人生に枷を嵌める必要はないではないか」
「それでも僕は許せないんだ・・・」
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