魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

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試験 2

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「やり過ぎじゃない?」ハルカは言った。

「まぁまぁ、先生をこてんぱんにするのは、他に任せたので」

「あら?楽しみだわ」

「きちんと不様にやっつけてくださいよ」と言いながら、ユウタは剣を前に走り出した。

 斬りかかるが、ハルカは上に浮かんで躱す。裕太もゆっくりと浮き上がり、また斬りかかる。

 ハルカは、横に飛んで躱す。それに向かって、初級魔法を放つ。ハルカは手で払いのける。

 近づいて、また斬りつけようとするが、魔力切れという理由で地面に下りることにした。両膝に手をついて、荒い息をする真似をする。

 ハルカが近づいてきた。
「まぁ、こんなものね」

「他のDランクの2人に希望を持たせられましたかね?」

「ボッコボコにはされないって安心したんじゃない?」

「それなら良かった」裕太はゆっくりと歩いて帰っていった。



「さぁ次は?」ハルカは言った。
 裕太の戦いを見て、安心したのか、次々と手が上がった。

 みんなが次々と、それぞれ考えていた戦法で、ハルカに挑んだ。しかし、健闘虚しくハルカを驚かせることはなかった。

しかし、
「なかなか、今年はみんな良かったわよ」とハルカは言った。

「先生、俺を忘れてもらっちゃ困るな」ケンタだった。

「忘れてないわよ」

「最後に出るつもりだったんだが、タカシの奴が見つからなくてな。もしかしたら逃げたのかもな、ハッハッハッ」

「どうする?待つの?」

「逃げたやつを待つつもりはない」

「じゃあ、全力でかかってきなさい」

 ケンタは強力な火炎魔法を放った。
 ハルカは防御魔法で防ぐ。
 ケンタは、その陰から大剣で斬りかかる。

「大振りし過ぎ、力はあるんだから、コンパクトに振ることを優先しなさい」

「これなら?」火炎魔法を連発してくる。そして斬りかかる。

「同じよ。剣を振り上げた時に隙ができてるの」

「それなら」と、タカシは極大魔法を作り始めた。

「あなた、接近戦と遠隔攻撃、どっちでいくの?そんな魔法、時間がかかって隙だらけになるわよ」ハルカは氷魔法で火の玉を打ち消した。

「何!」ケンタはもう一度、極大魔法を作ろうとした。しかし、魔力切れだ。

「はぁ~、あなたは本当はタンクが一番向いてるんだけど。じっと耐えて、みんなが弱体化させた相手に、最後にとどめを刺す役目。その性格じゃ無理そうね。残念だわ」

「タンク?俺は、前線で違う戦士だ!」

「はいはい、分かったわ。来年の試験を期待してる」

 ケンタは不満そうに去っていった。



「次!」とハルカは叫んだ。

 タカシが飛んできた。
「先生、よろしくお願いします」

「あら?あなたにしては、戦闘なのに珍しく感情が出てるわね」
 
「自分の力を試せるのが楽しいんです」

「相変わらず真面目なのは変わらないのね」

「買い被り過ぎです。僕は正しいことが好きなだけです」

「分かった。始めるわよ」

「では、行きます」

タカシは、小さい火炎魔法を連発して目眩ましをした。

その隙にハルカの脇に出た。ハルカが向いたら、また同じ目眩ましをした。

そして、別の所に移る。
 
ハルカには全てスローモーションに見えているので、見失うことはない、とハルカは思っていた。

そして、真正面でまたタカシは目眩ましをした。

次は、どこ?同じことを繰り返しても・・・、あれ?どこ?

ハルカはキョロキョロした。
しかし、タカシは動いていなかった。

そのまま真正面にいた。

「へぇ~、考えたわね。でも」

真正面のタカシは何もしてこない。

「えっ?」

タカシは剣を持っていなかった。

タカシは指を動かした。

ハルカの頭上に浮いた剣が、ハルカ目掛けて斬り掛かってきた。

ハルカは反射的に後ろに飛んだ、しかし、「キン」と甲高い音がした。ハルカの体の周りを薄く包んでいる防御魔法に剣がギリギリ当たった音だ。

「さすがね。私に当てるなんて」

「当たったんですか?」

「うん、数ミリってところかしら。でも、目眩ましをして動かないなんて、驚いたわ。それに移動している途中で剣を浮かせておくなんて」

タカシは苦笑いしながら、こめかみを掻いた。

「どうしたの?嬉しくないの?」

「いや~、嬉しいは嬉しいんですけど、この作戦はユウタが考えたので」

「えっ!そうなの?」

「はい、僕は嘘はつきません」

本当に父親に似てバカ正直なのね、とハルカは笑いそうになったが堪えた。

「でも、それを実行できた、あなたも凄いと思うわよ」

「ありがとうございます」

「もしかして、サユリさんに作戦使われた?」

「えっ!何で分かったんですか?」

「やっぱり。サユリさんにしては実戦的すぎるなって思ってたのよ」

「あぁ、なるほど」

「それでユウタくんが助けたのね」

「はい、元々考えてた作戦に近かったので、やりやすかったです」

「じゃあ、2人の勝利ね」

「はい!ありがとうございます!」とタカシは礼をして去っていった。




少し時間を巻き戻す。

「タカシ、作戦なんだけど」ユウタは言った。

「うん」

「先生は、多分、僕達の動きがよく見えてるんだと思う。だから、サユリが目眩ましをしても、余裕でかわした。
だから、逆に動かないってことで、先生はびっくりして隙ができると思うんだ」

「なるほど」

「それでも目の前で剣を振れば、先生のスピードなら逃げられてしまう。だから、見えないところ」ユウタは空中を指差して、
「で、剣を振るう」

「魔法で剣を振るってこと?」

ユウタは頷いて、
「僕に魔力があれば、こうしたいなって」

「うん、面白い。ありがとう、ユウタ。練習してくる」

タカシは急いで飛んで行った。

「さてと、僕は時間稼ぎでもしようかな」とユウタは呟き、
「サユリ、行ってくる」と言った。

「うん、頑張ってね」





こうして、今年の1年生の試験は終了した。

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