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墓穴
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今、僕は最寄り駅から、自転車で家に帰っている。
遠征試合中は、打撃は好調を維持できた。しかし、速球のいいピッチャーがいて、力負けするという課題が残った。
明日、小百合さんに相談するつもりだ。
すると、スマホが鳴った。僕は自転車を止めて、端に寄り、スマホを取り出した。
姉ちゃんからで、一通り話した。
電話を切った。
何なんだ、今の電話は?もしかして、して欲しいのか?でも、明日は、小百合さんに会うし。
そう言えば、いつまで小百合さんって呼ぶんだ。そろそろ小百合って言っても良いんじゃないか?この前の一件で、ちゃんと付き合うってことになったんだから。
でも、呼び捨てってのもなぁ。さゆちゃん?さーちゃん?さゆりん?りんりん?これは違うか。
僕の楓くんってのも止めてもらおう。楓、これでいい。
そう言えば、旅行以来、姉ちゃんとしてないな。僕は小百合さんと2回もしたけど。
変な電話してきたから、いちおう確認してみるか。
家に着き、玄関を開ける。見慣れた光景が広がる。はぁ、やっぱり我が家はいい。着替えを洗濯機の脇の籠に入れてから、リビングに行った。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「はぁ、疲れた」テーブルの椅子に座った。
「何よ。おじさん臭い」
「しょうがないだろ。夜まで自主練させられたんだから」
「あぁ、そうなの。お疲れ様」
「姉ちゃんは?」
「まだよ」
「ふ~ん」
「お腹空いてるなら、先に食べてる?」
「ううん、みんなと食べる。父さんは?」
「少し買物頼んだから。もう少しで帰ってくると思うわ」
「着替えてくる」
僕は自分の部屋に行き、着替えた。
部屋から出ると、父さんと姉ちゃんが一緒に帰って来た。
「お帰りなさい」僕は声をかけた。
「あぁ、楓、帰ってたのか。お帰り」と父が言った。
「ただいま」
「楓、お帰りなさい」姉ちゃんも特に変わったところはないようだ。
「姉ちゃんも、お帰りなさい」
僕たちはリビングに入った。
「ちょうど、花音が歩いてるのが見えたから、乗せてきた」父さんは買ってきたものを母さんに渡した。
「荷物あったから、助かったわ」
「じゃあ、ご飯にする?」
姉ちゃんはキッチンに行った。
僕も手伝おうと思うが、邪魔にされるのが分かっているので、素直に椅子に座って待った。
「いただきます」
「うん。母さんの料理が一番だ」僕は嬉しくなった。
「あら?嬉しいわ」
そういえば、小百合さんって料理できるのかな?食べてみたいな。公園で小百合さんのお弁当食べるのもいいかもしれない。今度頼んでみよう。
「それで、試合はどうだったんだ?」父は言った。
「3試合で、打率は4割ちょいってところかな。ホームランは、3本。でも、ストレートのいいピッチャーがいて、歯が立たなかった」
「いいピッチャーが調子がいいと、なかなか打てんな」
「でも、プロになったら、そんなのばっかりでしょ。なんとかしないと」
「まぁ、そうだな。ただ自分のバッティングを崩したら、本末転倒だ。自分のバッティングを高めるしかないな」
「それは分かってるんだけどね」
「まだ2年以上あるんだ。コツコツやりなさい」
「は~い」
「スーパーコーチに頼めばいいじゃない」姉ちゃんは突然言った。
僕は何を言い出すんだ、という顔をした。
「スーパーコーチ?」母さんが不思議そうに言った。
「あぁ、もっ、もちろん。相談するよ」僕は慌てた。
「それなら解決できるわよ」姉ちゃんが更に言った。どういうつもりなんだ!とハラハラした。
「だから、スーパーコーチって、何なのよ」とまた母さん言った。
この流れはマズイ!
「えっ、楓の彼女」姉ちゃんはあっさりと言った。
「えっ!いつの間にそんな人できたのよ!」
僕は姉ちゃんを睨んだ。
姉ちゃんは隠すほうが変でしょ、ちゃんと言いなさいという手振りをした。
「最近だよ。まだ付き合い始めたばかり」
「えっ?コーチって、野球のよね?」
「昔、実業団で野球やってた人で、今は男の方の野球のスカウトやってる」
「えっ?スカウトって、社会人野球のか?」普段は口を出してこない父さんまで、話に入って来た。
「そうだよ」面倒くさそうに言っだ。
「どうやって、知り合ったんだ?」
「姉ちゃんの元カレのお姉さんだよ」
僕は、やり返した。
姉ちゃんは、やっと自分でやったことの意味が分かったようだ。顔色が明らかに変わった。
案の定、父さんは、
「えっ!そんな話聞いてないぞ。母さんは知ってたのか?」
母はもう無理だとばかりに頷いたが、
「元ってことは、別れたってこと?いつよ」
マズイ、母さんは、昨日泊まったのも彼氏だと思っている。
「じゃあ、昨日は誰と泊まったのよ」
あぁ、やっぱり、この流れになるよね。
「えっ!姉ちゃん、昨日泊まったの?誰だよ。今日、早苗さんと一緒にいたのも嘘なの!」
あぁ、もうダメだ。計画が台無しだ。私も余計なことを言わなければ良かった。
「昨日、寄りを戻したのよ。このまま結婚する」眠る名探偵に証拠を突きつけられたかのように、私は観念して罪を告白した。
「えっ!冗談だろ。1か月前にあんな事があって、もう元通り?どうしたんだよ、姉ちゃん!」
「真司さんは、私のこと、ちゃんと愛してくれてる。それが分かったの。楓には迷惑かけたと思うけど、お互いに一緒に居たいのよ。
でも、先に楓と小百合さんに結婚してほしくて、黙ってた。ごめん」
楓は何か言いたげだが、ここで話せることは限られる。
「姉ちゃん、後で部屋行く」
「分かった」
「落ち着いた?私からも聞いていい?」
私と楓は顔を見合わせてから、頷いた。
「まず、花音。結婚って言ったけど、相手のご両親とは会ったの?」
「まだ。実際に結婚するのは、楓が卒業した後にするつもりだったから」
「分かった。相手の人も結婚したいと言ってるのね?」
「うん」
「それならいいわ。次は楓。相手の人はいくつなの?確か花音の相手は、花音の3つ上よね?そのお姉さんなんでしょ」
「確か、32って言ってた。でも年齢なんて僕は全然気にしないよ」
「男の方が、そう思ってても、女の方はそうもいかないのよ。相手の人は、あなたが相手で大丈夫なの?」
「僕が説得する。必ず結婚する」
「楓、私はダメと言ってるんじゃないの。相手が無理してないか心配してるの。勘違いしないでね」
「分かってるよ」
「私は2人が結婚したいなら、喜んでお祝いするわ。でも、相手が少しでも嫌だと思ってるなら、祝うことはできない。結婚は無理してするものじゃないし、もし、ダメになったら、相手の人は、年齢的にもう結婚できなくなる可能性が高いの。だから、失敗して欲しくないの。楓がしたいから、するって言う程、簡単なものじゃないのよ」
「分かった」
「はい、私からは以上よ。お父さんは?」
「母さんの言った通りだ。楓はまだ若いから失敗もできるが、相手の方は、そうもいかないだろう。少しでも、楓が相手に安心を与えられるようになりなさい。そうすれば望んでいるようになる」
「分かったよ。姉ちゃん、そろそろいい?」
「いいわよ」私達は部屋に向かった。
「どっちの部屋?」
「もちろん花音の部屋」
「何でよ」
「ぼくの部屋、汚いから」
「分かったわよ!」
部屋に入って、私はベッドに、楓は床に座った。
「どういうつもりなんだよ。寄りを戻すなんて」
「さっきも言った通りよ。真司は、ちゃんと私のことを愛してくれてる。私が怒ったことなんて、些細なことなの」
「でも、姉ちゃんのことブスだと思ってるんだろ?」
「別にいいじゃない。事実なんだから」
「そんなの、イヤだよ」
「真司さんは、顔なんて見てない。私の中を見てるの。それが分かったのよ、そんな風に私を愛してくれる人なんて、2度と現れない。真司はイケメンだけど、そんなことで全然浮かれてないし、とっても優しい。だから、私も真司のことを愛してる。お互いに好きなんだから結婚する。当然の流れよ」
「僕だって、花音のこと、顔も中身も全部好きだよ」
「そういうこと言うと思ったから、黙ってたのよ。楓は小百合さんといれば、私は必要ないでしょ。実際に旅行以来、何も言ってこないし」
「・・・」楓は反論しない。
「良かったわ、出来てなくて」私はお腹をさすった。
「真司も私が一緒にいれば、小百合さんには何もしない。楓も、その方がいいでしょ?」
「それは、そうだけど」
「私も応援するから、楓と小百合さんが結婚できるように」
「うん。明日は会うの?」
「うん」
「一回4人で会わない?小百合さんも知らないんでしょ。姉ちゃん達のこと」
「真司には黙ってるように言ってあるから、多分、知らない」
「僕もこれから、小百合さんに言う」
「姉ちゃんも、あの人に言っておいて」
「分かったわ」
真司は部屋を出ていった。
はぁ、まさか自分の不注意で台無しになるとは。幸せボケしてしまっていたのだろうか?
まぁ、電話するしかない。
「あぁ、真司、ごめんね」
「ううん。どうした?」
「実は、楓にバレちゃって」
「あっ!そうなんだ」
「それで、明日、4人で会おうって」
「4人で会う?別にいいよ。えっ、うん。多分、姉さんも大丈夫だと思う」
「もしかして一緒にいる?」
「えっ!あぁ、うん。なんか珍しく姉さんからしたいって言ってきて」
「ふ~ん。まぁ、いいわ。じゃあ、明日ね」
「ちょっと待って。楓くん、焼肉好き?」」
「もちろん好きだけど」
「いい店があるんだ。花音だと太るとか言いそうだったから、連れて行けなかったけど、楓くんなら喜ぶと思って」
「買収するつもり?」
「違うよ。僕の弟になるんだから、兄さんとして、奢ってあげないと」
「小百合さんと楓が結婚したら、兄になるんじゃない?」
「あっ!まぁ、どっちでもいい。お昼くらいの集合で、場所は後でラインで送るよ」
「うん、分かったわ」
「あぁぁ。ちょっと、姉さん、ダメだって」電話が切れた。
すると。楓が部屋に戻ってきた。
「姉ちゃん、したい」
まぁ、こうなるわよね。
「もうしょうがないわね。一回だけだからね」
「うん、分かった」
楓は私の服の中に手を入れて、愛撫してくる。
あぁ、こうならなくていいようにしたかったのに。
楓と久しぶりだから、体が反応してしまう。あぁ、ゴツゴツしてるのに、そんなに優しく触られると・・・。
「姉ちゃん、下、凄いよ」
「バカ!そういうこと言わないの」
「ごめんよ」楓は顔を埋めて、舌を動かす、
「はぁぁん」私は体を捩じる。
「姉ちゃん、挿れるよ」
「ゴム付けて」
「あぁ、忘れてた」楓は抑揚のないように言った。私はゴムを付けるのを確認してから、枕を顔を当てた 。
楓が中に入ってきた。
「んんっ!」
「やっぱり姉ちゃんの中、気持ちいい」
私は仰け反った。あぁ、楓のは、やっぱりダメだ。すぐにいってしまう。
楓の腰が早まる。
「姉ちゃん、凄い気持ちいい。すぐ出ちゃう」
楓は腰を止めて、舌を絡め。乳首を舐める。
「楓、早く」
「このまましたら、すぐ終わっちゃう。もっと中にいたい」
いいところなのだ。完全にいきそうなのに。
「またしていいから」
「えっ、ホント!」
「早く!」
楓はフィニッシュへと腰を動かした。
「あっ、ダメぇ、いくぅ、いっちゃう」私は、仰け反りながら、枕に顔を押し付けた。
「姉ちゃん、出る!」楓は射精した。
「はぁはぁ、姉ちゃん、ありがとう」
「もういい?」
「イヤだ。していいって言ったじゃん」
「分かったわよ」
楓は舌を絡めてから、抜かずに動き始めた。
「はぁぁん」全然小さくなっていない。
「ヤバい、気持ち良すぎる。姉ちゃん、やっぱり、ずっとしたい」
「ダメよ。小百合さんがいるでしょ」
「たまにでいいから」
「私の幸せは邪魔しない約束でしょ」
「わかったよ。でも気持ちいい」
楓の腰が早まった。
あぁ、ダメだ。擦られすぎて、すぐにいってしまう。
「早く、出して!」私はビクンビクンとしながら言った。
「姉ちゃん、もう少し」
楓が私の腰を掴んで、自分の腰に力強く引き寄せる。
「あぁぁぁぁ」私は、もう仰け反ったままだ。
「姉ちゃん、出る!」
楓は何度か腰を押し付けて震えた。
「早く抜いて」
楓は、ゴムを外して、見せた。
「こんなに出た」
でも、まだ、中にいるようだ。
「もうしない」
「分かってるよ」
「姉ちゃんの体、ヤバ過ぎるよ」
「比べないでよ」
「分かってるけど」
比べるなと言った私は、落ち着いてできる真田さんの方がいいと思っていたが。
「明日、焼き肉行こうって」
「えっ!肉!」楓は一段高い声を出した。
「いっぱい食べなさい。奢りだから」
「えっ!」状況が飲み込めたようだ。声が不機嫌になる。
「嫌なら断るわよ」
「分かったよ。行くよ。僕が言い出したんだから」
買収成功ね。私は心の中でニヤニヤした。
そして、私はお風呂に入って寝た。
遠征試合中は、打撃は好調を維持できた。しかし、速球のいいピッチャーがいて、力負けするという課題が残った。
明日、小百合さんに相談するつもりだ。
すると、スマホが鳴った。僕は自転車を止めて、端に寄り、スマホを取り出した。
姉ちゃんからで、一通り話した。
電話を切った。
何なんだ、今の電話は?もしかして、して欲しいのか?でも、明日は、小百合さんに会うし。
そう言えば、いつまで小百合さんって呼ぶんだ。そろそろ小百合って言っても良いんじゃないか?この前の一件で、ちゃんと付き合うってことになったんだから。
でも、呼び捨てってのもなぁ。さゆちゃん?さーちゃん?さゆりん?りんりん?これは違うか。
僕の楓くんってのも止めてもらおう。楓、これでいい。
そう言えば、旅行以来、姉ちゃんとしてないな。僕は小百合さんと2回もしたけど。
変な電話してきたから、いちおう確認してみるか。
家に着き、玄関を開ける。見慣れた光景が広がる。はぁ、やっぱり我が家はいい。着替えを洗濯機の脇の籠に入れてから、リビングに行った。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「はぁ、疲れた」テーブルの椅子に座った。
「何よ。おじさん臭い」
「しょうがないだろ。夜まで自主練させられたんだから」
「あぁ、そうなの。お疲れ様」
「姉ちゃんは?」
「まだよ」
「ふ~ん」
「お腹空いてるなら、先に食べてる?」
「ううん、みんなと食べる。父さんは?」
「少し買物頼んだから。もう少しで帰ってくると思うわ」
「着替えてくる」
僕は自分の部屋に行き、着替えた。
部屋から出ると、父さんと姉ちゃんが一緒に帰って来た。
「お帰りなさい」僕は声をかけた。
「あぁ、楓、帰ってたのか。お帰り」と父が言った。
「ただいま」
「楓、お帰りなさい」姉ちゃんも特に変わったところはないようだ。
「姉ちゃんも、お帰りなさい」
僕たちはリビングに入った。
「ちょうど、花音が歩いてるのが見えたから、乗せてきた」父さんは買ってきたものを母さんに渡した。
「荷物あったから、助かったわ」
「じゃあ、ご飯にする?」
姉ちゃんはキッチンに行った。
僕も手伝おうと思うが、邪魔にされるのが分かっているので、素直に椅子に座って待った。
「いただきます」
「うん。母さんの料理が一番だ」僕は嬉しくなった。
「あら?嬉しいわ」
そういえば、小百合さんって料理できるのかな?食べてみたいな。公園で小百合さんのお弁当食べるのもいいかもしれない。今度頼んでみよう。
「それで、試合はどうだったんだ?」父は言った。
「3試合で、打率は4割ちょいってところかな。ホームランは、3本。でも、ストレートのいいピッチャーがいて、歯が立たなかった」
「いいピッチャーが調子がいいと、なかなか打てんな」
「でも、プロになったら、そんなのばっかりでしょ。なんとかしないと」
「まぁ、そうだな。ただ自分のバッティングを崩したら、本末転倒だ。自分のバッティングを高めるしかないな」
「それは分かってるんだけどね」
「まだ2年以上あるんだ。コツコツやりなさい」
「は~い」
「スーパーコーチに頼めばいいじゃない」姉ちゃんは突然言った。
僕は何を言い出すんだ、という顔をした。
「スーパーコーチ?」母さんが不思議そうに言った。
「あぁ、もっ、もちろん。相談するよ」僕は慌てた。
「それなら解決できるわよ」姉ちゃんが更に言った。どういうつもりなんだ!とハラハラした。
「だから、スーパーコーチって、何なのよ」とまた母さん言った。
この流れはマズイ!
「えっ、楓の彼女」姉ちゃんはあっさりと言った。
「えっ!いつの間にそんな人できたのよ!」
僕は姉ちゃんを睨んだ。
姉ちゃんは隠すほうが変でしょ、ちゃんと言いなさいという手振りをした。
「最近だよ。まだ付き合い始めたばかり」
「えっ?コーチって、野球のよね?」
「昔、実業団で野球やってた人で、今は男の方の野球のスカウトやってる」
「えっ?スカウトって、社会人野球のか?」普段は口を出してこない父さんまで、話に入って来た。
「そうだよ」面倒くさそうに言っだ。
「どうやって、知り合ったんだ?」
「姉ちゃんの元カレのお姉さんだよ」
僕は、やり返した。
姉ちゃんは、やっと自分でやったことの意味が分かったようだ。顔色が明らかに変わった。
案の定、父さんは、
「えっ!そんな話聞いてないぞ。母さんは知ってたのか?」
母はもう無理だとばかりに頷いたが、
「元ってことは、別れたってこと?いつよ」
マズイ、母さんは、昨日泊まったのも彼氏だと思っている。
「じゃあ、昨日は誰と泊まったのよ」
あぁ、やっぱり、この流れになるよね。
「えっ!姉ちゃん、昨日泊まったの?誰だよ。今日、早苗さんと一緒にいたのも嘘なの!」
あぁ、もうダメだ。計画が台無しだ。私も余計なことを言わなければ良かった。
「昨日、寄りを戻したのよ。このまま結婚する」眠る名探偵に証拠を突きつけられたかのように、私は観念して罪を告白した。
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「真司さんは、私のこと、ちゃんと愛してくれてる。それが分かったの。楓には迷惑かけたと思うけど、お互いに一緒に居たいのよ。
でも、先に楓と小百合さんに結婚してほしくて、黙ってた。ごめん」
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私と楓は顔を見合わせてから、頷いた。
「まず、花音。結婚って言ったけど、相手のご両親とは会ったの?」
「まだ。実際に結婚するのは、楓が卒業した後にするつもりだったから」
「分かった。相手の人も結婚したいと言ってるのね?」
「うん」
「それならいいわ。次は楓。相手の人はいくつなの?確か花音の相手は、花音の3つ上よね?そのお姉さんなんでしょ」
「確か、32って言ってた。でも年齢なんて僕は全然気にしないよ」
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「僕が説得する。必ず結婚する」
「楓、私はダメと言ってるんじゃないの。相手が無理してないか心配してるの。勘違いしないでね」
「分かってるよ」
「私は2人が結婚したいなら、喜んでお祝いするわ。でも、相手が少しでも嫌だと思ってるなら、祝うことはできない。結婚は無理してするものじゃないし、もし、ダメになったら、相手の人は、年齢的にもう結婚できなくなる可能性が高いの。だから、失敗して欲しくないの。楓がしたいから、するって言う程、簡単なものじゃないのよ」
「分かった」
「はい、私からは以上よ。お父さんは?」
「母さんの言った通りだ。楓はまだ若いから失敗もできるが、相手の方は、そうもいかないだろう。少しでも、楓が相手に安心を与えられるようになりなさい。そうすれば望んでいるようになる」
「分かったよ。姉ちゃん、そろそろいい?」
「いいわよ」私達は部屋に向かった。
「どっちの部屋?」
「もちろん花音の部屋」
「何でよ」
「ぼくの部屋、汚いから」
「分かったわよ!」
部屋に入って、私はベッドに、楓は床に座った。
「どういうつもりなんだよ。寄りを戻すなんて」
「さっきも言った通りよ。真司は、ちゃんと私のことを愛してくれてる。私が怒ったことなんて、些細なことなの」
「でも、姉ちゃんのことブスだと思ってるんだろ?」
「別にいいじゃない。事実なんだから」
「そんなの、イヤだよ」
「真司さんは、顔なんて見てない。私の中を見てるの。それが分かったのよ、そんな風に私を愛してくれる人なんて、2度と現れない。真司はイケメンだけど、そんなことで全然浮かれてないし、とっても優しい。だから、私も真司のことを愛してる。お互いに好きなんだから結婚する。当然の流れよ」
「僕だって、花音のこと、顔も中身も全部好きだよ」
「そういうこと言うと思ったから、黙ってたのよ。楓は小百合さんといれば、私は必要ないでしょ。実際に旅行以来、何も言ってこないし」
「・・・」楓は反論しない。
「良かったわ、出来てなくて」私はお腹をさすった。
「真司も私が一緒にいれば、小百合さんには何もしない。楓も、その方がいいでしょ?」
「それは、そうだけど」
「私も応援するから、楓と小百合さんが結婚できるように」
「うん。明日は会うの?」
「うん」
「一回4人で会わない?小百合さんも知らないんでしょ。姉ちゃん達のこと」
「真司には黙ってるように言ってあるから、多分、知らない」
「僕もこれから、小百合さんに言う」
「姉ちゃんも、あの人に言っておいて」
「分かったわ」
真司は部屋を出ていった。
はぁ、まさか自分の不注意で台無しになるとは。幸せボケしてしまっていたのだろうか?
まぁ、電話するしかない。
「あぁ、真司、ごめんね」
「ううん。どうした?」
「実は、楓にバレちゃって」
「あっ!そうなんだ」
「それで、明日、4人で会おうって」
「4人で会う?別にいいよ。えっ、うん。多分、姉さんも大丈夫だと思う」
「もしかして一緒にいる?」
「えっ!あぁ、うん。なんか珍しく姉さんからしたいって言ってきて」
「ふ~ん。まぁ、いいわ。じゃあ、明日ね」
「ちょっと待って。楓くん、焼肉好き?」」
「もちろん好きだけど」
「いい店があるんだ。花音だと太るとか言いそうだったから、連れて行けなかったけど、楓くんなら喜ぶと思って」
「買収するつもり?」
「違うよ。僕の弟になるんだから、兄さんとして、奢ってあげないと」
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「うん、分かったわ」
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「ごめんよ」楓は顔を埋めて、舌を動かす、
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「姉ちゃん、挿れるよ」
「ゴム付けて」
「あぁ、忘れてた」楓は抑揚のないように言った。私はゴムを付けるのを確認してから、枕を顔を当てた 。
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「んんっ!」
「やっぱり姉ちゃんの中、気持ちいい」
私は仰け反った。あぁ、楓のは、やっぱりダメだ。すぐにいってしまう。
楓の腰が早まる。
「姉ちゃん、凄い気持ちいい。すぐ出ちゃう」
楓は腰を止めて、舌を絡め。乳首を舐める。
「楓、早く」
「このまましたら、すぐ終わっちゃう。もっと中にいたい」
いいところなのだ。完全にいきそうなのに。
「またしていいから」
「えっ、ホント!」
「早く!」
楓はフィニッシュへと腰を動かした。
「あっ、ダメぇ、いくぅ、いっちゃう」私は、仰け反りながら、枕に顔を押し付けた。
「姉ちゃん、出る!」楓は射精した。
「はぁはぁ、姉ちゃん、ありがとう」
「もういい?」
「イヤだ。していいって言ったじゃん」
「分かったわよ」
楓は舌を絡めてから、抜かずに動き始めた。
「はぁぁん」全然小さくなっていない。
「ヤバい、気持ち良すぎる。姉ちゃん、やっぱり、ずっとしたい」
「ダメよ。小百合さんがいるでしょ」
「たまにでいいから」
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「わかったよ。でも気持ちいい」
楓の腰が早まった。
あぁ、ダメだ。擦られすぎて、すぐにいってしまう。
「早く、出して!」私はビクンビクンとしながら言った。
「姉ちゃん、もう少し」
楓が私の腰を掴んで、自分の腰に力強く引き寄せる。
「あぁぁぁぁ」私は、もう仰け反ったままだ。
「姉ちゃん、出る!」
楓は何度か腰を押し付けて震えた。
「早く抜いて」
楓は、ゴムを外して、見せた。
「こんなに出た」
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「比べないでよ」
「分かってるけど」
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「いっぱい食べなさい。奢りだから」
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「嫌なら断るわよ」
「分かったよ。行くよ。僕が言い出したんだから」
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