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焼き肉
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真田さんからのラインの通りに店に着いた。私達の方が先に着いてしまったらしい。
真田さんの名前を出して、個室に案内された。
楓は早速メニューを出して、中を見ている。まぁ、3人社会人なんだ。楓がお腹いっぱい食べても大丈夫だろう。
少し遅れて真田さんたちが来た。
「ごめんね。待った?」
「ううん、少しだけ」
楓は不機嫌な顔になった。
「楓、そんな顔しても、私は真司と結婚するからね」
「分かってるよ。姉ちゃんが幸せになるなら、僕は邪魔しない。そう約束したからね」
「楓くん」真田さんは、今にも泣き出しそうだ。
「少しだけ飲みましょう」小百合さんは言った。
「私頼みます。真司と楓はビールね。小百合さんは?」
「私はウーロンハイにしようかな」
「はい。楓、何頼むの?」
「えっ!どれにしようかな?」
「食べられるんなら、いっぱい食べて」真田さんは言った。
楓は一瞬、嫌そうな顔をしたが、
「はい、遠慮なくいただきます」と笑顔で言った。
そして、飲み物が来て、乾杯した。
網の上が肉で隙間がなくなっている。
「まさか真司と花音ちゃんが寄りを戻すとは思わなかったわ。楓くんから聞いた時は、目が飛び出そうになった」
「すいません。あんな大騒ぎしたのに」
「ううん。私としては花音ちゃん、大歓迎よ。うちの両親も喜ぶわ。半ば、諦めてたみたいだから」
「そうなんですか?」
「それだけ真司が受けた傷が深いと思ってるのよ。ねぇ、真司」
「まぁ、花音とこうなってなかったら、無理だったかな。見合いとかしても」
「まぁ、これでうちの会社も安泰ね。4代目も産まれそうだし」
「うちの会社って、小百合さんの勤めてる会社のことですか?」
「えっ、真司、話してないの?」
「話すタイミングがなかったんだよ。結婚も楓くんの卒業の後だって花音が言うから、まだいいかなって」
「まだって、結婚することに変わりはないでしょ。全く弟はこれだから。少しは後継ぎの自覚持ちなさいよ」
「姉さんは、僕が産まれたから、自由にできてるんじゃないか!少しは感謝してくれてもいいんじゃない?」真田さんの口調が強くなる。こんな真田さん、初めて見た。うちもそうだが、兄弟だとこんなものなのだろう。
「そう思ってるから、あなたの相手を引き受けたんでしょ。真田家の長女として」小百合さんも口調が強くなった。
そろそろヤバいと思い、間に入る。
「ちょっ、ちょっと待ってください。嫌な予感しかしないんですけど。真田家とか、後継ぎとか」
小百合さんは、肘で真田さんを突付いた。
隣で楓の箸も止まっている。私は冷静に火を止めた。
「黙ってるつもりはなかったんだ。今の会社の人もみんな知ってることだし、花音が知らない方がビックリしたよ」
「えっ、みんな知ってるんですか?」私も気が動転してるのか、口調が会社モードになった。
「僕のところに女子社員がよく来てるでしょ」
「はい、いつも誰かしらいますね」
「あれは僕のことを見てるんじゃなくて、社長夫人となった自分を見てるんだよ」
「社長夫人?どうして?」私はキョトンとした。
「あぁ、まどろっこしいわね、はっきり言いなさい!」小百合さんがイライラしながら言った。
「うるさいなぁ、今から言うから!」
私は隣の楓の手をテーブルの下で握った。
「僕達の父親は、◯▲エレクトロニクスの社長なんだよ」
「えっ!えぇ~!」私は気を失いそうになった。そんな話聞いたこともない。まぁ、私が知ったところで、立候補なんてするわけでもないから、興味は示さないが。
「◯▲エレなんとかって?」真司はピンときてないようだ。野球以外興味ないから、仕方がない。
「私が働いてる会社の系列会社よ。系列の中でも、2番目か3番目」
「ふ~ん」
「やっぱりいいな。2人とも。普通にしてくれて」
「いやいや、私は普通にしてられない。真司がそこの社長に?」
「もともとは、おじいちゃんが始めた会社があって、そこが、系列に加わったという感じだね。だから、僕で3代目」
「今の会社は?」
「30までは好きなことさせてくれって言ったんだ。それ以降は、親父の後を継ぐからって」
「30ってもうすぐじゃない」
「うん、来年には、今の会社を辞めて、親父の会社に行く」
「私は、どうすればいいの?」
「僕の希望としては、来年中に結婚式をやって、働きたいなら、いまのままでもいいし。親父の会社に来てもいい。プログラミングをやる部署はあるから。でも、子供が産まれたら、しばらくは仕事は辞めてほしい」
「リアル王子様じゃん。かっこいいのに、金持ちって」楓もなんとなく理解したらしい。
「僕は僕だよ。会社も僕が大きくしたわけじゃないし、お金も自分で稼いだ分で生活している。社長になる僕と結婚したいんなら、お断りだよ。
その点、花音は、本当の僕を愛してくれてる。こんなに嬉しいことはない。
それに、もし楓くんがプロになったら、それは僕の何十倍も凄いことさ。君自身が手に入れたんだから。
僕は目の前に置かれたものを拾うだけだ。全然違うよ」
「本当に嫌味なくらいかっこいいな。真司さんは」
「あっ、名前、嬉しいな」
「その代わり、小百合は僕がもらうからね。真司さんに負けないくらい幸せにする」
私達は小百合さんを見た。
「本当にいいの?まだまだ可愛いい子とか綺麗な人とかいっぱい出会うんだよ」
「その点は真司さんと同じかな。ちゃんと僕を見てくれるのは、小百合以外に考えられない」
「うん、信じるわ。楓の言葉」
「はぁ、良かった。まずは、今、僕のできることをちゃんとやる。先のことは分からないけど、小百合となら乗り越えられるよ」
「うん。そうだね」
私は2人を祝ってあげたいが、それどころではない。
「はぁ~。私に社長夫人なんて務まらないわよ。どうしようかしら?」
「えっ!ちょっと待って。そんなことで、イヤだよ」
「私にとっては、そんなことじゃないわよ。早く教えてよ~」
「教えたら、どうしたんだよ」
「考え直す・・・かも」
「それじゃ、話さなくて正解じゃない」
「はぁ、気が重い」
「大丈夫よ。私もいるし、両親とも大歓迎になるのは間違いないし、ドラマにあるようなイジメとかもないから。フフフッ」
「はぁ、そうですか」
「花音は花音らしくしてれば、いいよ」
「はぁ、分かりました」
「ねぇ、花音。楓くんの卒業を待つ予定だったけど、もう障害もないし、早めてもいいよね?」
「えっ!真司のご両親に会うってこと?」
「そうだね」
「僕も行っていい?ちゃんと小百合と結婚前提に付き合うと言いたい」
「うん。いいわよ。お父さんは特に野球好きだから」
「そうなの?なんか小百合との生活がくっきりと見えてきた」
「大袈裟ね」小百合は少し呆れたように言った。
「ということだから、花音もいいでしょ?」真司は期待を込めて言った。
「もうダメって言えないじゃない。真司と離れられないんだから」
「良かった」真司は心からホッとした声で言った。
「ということは、私と真司も花音ちゃんの家に行くのよね?」
「そうなるね」とまた食べ始めた楓が言う。
「うちの両親、そんな家の相手と結婚するなんて分かったら、目が飛び出すわよ」私は想像して、少し可笑しくなった。
「家のことは本当に気にしないで。ただ、結婚式は、僕達の自由にはならないから、それだけは覚悟しておいて」
「はい、分かりました」とは言ったものの、こんなの少女漫画レベルだ。でも、その主人公の役を演じるのは、やっぱり気が重い。もっと違う華やかな人生を生きてきた人であるべきだ。
私以外は、未来に希望を抱き、楓のお腹が満たされたので、お開きとなった。
来た時とは違う、真司と私、楓と小百合さんで別れた。
「少し歩こうか」
「うん」
真司は私の腰に手を回した。
私も真司の腰に手を回して、肩に頭をつける。
「そんなにイヤ?」
「目立ちたくないってことが、正直な気持ちかな。あんまり注目されたくない」
「そう?仕事のときとか生き生きしてるけど」
「全然違うよ。みんな顔のこと言うんだから」
「そう?別に顔が綺麗じゃなくても堂々としてる人なんて、山ほどいると思うけど。それに、花音の魅力は、僕は顔も全部好きだよ、花音の一番の魅力はそこじゃないじゃん。顔の良さが自慢なんて、中身が空っぽの人が言うことだよ」
「そう割り切らないと、真司のそばにいられないのね」
「そんなに嫌なら、僕の顔に傷でも付ける?それなら花音は安心できる?」
「止めてよ。そんなことして欲しくない」
「一番花音が顔にこだわってるんじゃない?」
「真司には分からないわよ、私の辛い気持ちなんて」
「僕はどうすればいい?どうすれば、安心できる?僕がそばにいるだけじゃダメ?」
「私にも分かんないよ。後ろの方でこっそり生きてきたのに、いきなり表舞台に出されるなんて。どうしたらいいかなんて分かんない」
「僕、花音を苦しめてる?そんなに嫌なら、真田家を出ていくよ」
「えっ!そんなのダメ!絶対にダメ!ご両親が悲しむよ」
「僕は花音の方が大切だよ。システムエンジニアなら、どこでも働けるし、生活できるだけ稼げるし」
「そうだけど・・・、ダメだよ。私なんかのために」
「花音だから、そうするんだよ。花音がいれば、他に何もいらない」
「ありがとう。真司。ねぇ、ホテル行こ」
「うん、分かった」
ホテルで、私は全て忘れたい思いで、乱れた。真司もそれに突き動かれたのか、生で中に挿れた。
「花音、子供作ろう」真司は、私の態度に不安を抱いたのかもしれない。だから、子供を作れば繋ぎ止められると。
「ダメ!こんな気持ちで作れない」
「ごめん、花音。後でいっぱい謝るから」
真田さんの腰が早まった。
「ダメぇ、はぁぁん、いく!いっちゃう!」
真田さんは中で射精した。私の奥に精子が当たっている。
「花音、僕から逃げないで」
「こんなことしなくても、私はもう離れられないって言ったでしょ」
「ごめん」
「もう、しょうがないなぁ」私は下から両手を広げた。
真田さんは繋がったまま、体を倒してきたので、首の後ろに手を回した。
長い間、舌を絡めた。
「はぁん、また大っきくなった」
「また出していい?」
「世間は、私が真司を騙して、妊娠したって思うんだよ」
「そうなのかな?それじゃ、順番を守るよ」
「今更かもしれないけど、そうして」
そして、お腹の上に射精した。
「はぁ、落ち着いたわ。もう大丈夫だから、小百合さんと話を進めて」
「うん」
そして、私は自宅に帰ってきた。
楓が帰ってきたら、一緒に話すと両親に言った。
真田さんの名前を出して、個室に案内された。
楓は早速メニューを出して、中を見ている。まぁ、3人社会人なんだ。楓がお腹いっぱい食べても大丈夫だろう。
少し遅れて真田さんたちが来た。
「ごめんね。待った?」
「ううん、少しだけ」
楓は不機嫌な顔になった。
「楓、そんな顔しても、私は真司と結婚するからね」
「分かってるよ。姉ちゃんが幸せになるなら、僕は邪魔しない。そう約束したからね」
「楓くん」真田さんは、今にも泣き出しそうだ。
「少しだけ飲みましょう」小百合さんは言った。
「私頼みます。真司と楓はビールね。小百合さんは?」
「私はウーロンハイにしようかな」
「はい。楓、何頼むの?」
「えっ!どれにしようかな?」
「食べられるんなら、いっぱい食べて」真田さんは言った。
楓は一瞬、嫌そうな顔をしたが、
「はい、遠慮なくいただきます」と笑顔で言った。
そして、飲み物が来て、乾杯した。
網の上が肉で隙間がなくなっている。
「まさか真司と花音ちゃんが寄りを戻すとは思わなかったわ。楓くんから聞いた時は、目が飛び出そうになった」
「すいません。あんな大騒ぎしたのに」
「ううん。私としては花音ちゃん、大歓迎よ。うちの両親も喜ぶわ。半ば、諦めてたみたいだから」
「そうなんですか?」
「それだけ真司が受けた傷が深いと思ってるのよ。ねぇ、真司」
「まぁ、花音とこうなってなかったら、無理だったかな。見合いとかしても」
「まぁ、これでうちの会社も安泰ね。4代目も産まれそうだし」
「うちの会社って、小百合さんの勤めてる会社のことですか?」
「えっ、真司、話してないの?」
「話すタイミングがなかったんだよ。結婚も楓くんの卒業の後だって花音が言うから、まだいいかなって」
「まだって、結婚することに変わりはないでしょ。全く弟はこれだから。少しは後継ぎの自覚持ちなさいよ」
「姉さんは、僕が産まれたから、自由にできてるんじゃないか!少しは感謝してくれてもいいんじゃない?」真田さんの口調が強くなる。こんな真田さん、初めて見た。うちもそうだが、兄弟だとこんなものなのだろう。
「そう思ってるから、あなたの相手を引き受けたんでしょ。真田家の長女として」小百合さんも口調が強くなった。
そろそろヤバいと思い、間に入る。
「ちょっ、ちょっと待ってください。嫌な予感しかしないんですけど。真田家とか、後継ぎとか」
小百合さんは、肘で真田さんを突付いた。
隣で楓の箸も止まっている。私は冷静に火を止めた。
「黙ってるつもりはなかったんだ。今の会社の人もみんな知ってることだし、花音が知らない方がビックリしたよ」
「えっ、みんな知ってるんですか?」私も気が動転してるのか、口調が会社モードになった。
「僕のところに女子社員がよく来てるでしょ」
「はい、いつも誰かしらいますね」
「あれは僕のことを見てるんじゃなくて、社長夫人となった自分を見てるんだよ」
「社長夫人?どうして?」私はキョトンとした。
「あぁ、まどろっこしいわね、はっきり言いなさい!」小百合さんがイライラしながら言った。
「うるさいなぁ、今から言うから!」
私は隣の楓の手をテーブルの下で握った。
「僕達の父親は、◯▲エレクトロニクスの社長なんだよ」
「えっ!えぇ~!」私は気を失いそうになった。そんな話聞いたこともない。まぁ、私が知ったところで、立候補なんてするわけでもないから、興味は示さないが。
「◯▲エレなんとかって?」真司はピンときてないようだ。野球以外興味ないから、仕方がない。
「私が働いてる会社の系列会社よ。系列の中でも、2番目か3番目」
「ふ~ん」
「やっぱりいいな。2人とも。普通にしてくれて」
「いやいや、私は普通にしてられない。真司がそこの社長に?」
「もともとは、おじいちゃんが始めた会社があって、そこが、系列に加わったという感じだね。だから、僕で3代目」
「今の会社は?」
「30までは好きなことさせてくれって言ったんだ。それ以降は、親父の後を継ぐからって」
「30ってもうすぐじゃない」
「うん、来年には、今の会社を辞めて、親父の会社に行く」
「私は、どうすればいいの?」
「僕の希望としては、来年中に結婚式をやって、働きたいなら、いまのままでもいいし。親父の会社に来てもいい。プログラミングをやる部署はあるから。でも、子供が産まれたら、しばらくは仕事は辞めてほしい」
「リアル王子様じゃん。かっこいいのに、金持ちって」楓もなんとなく理解したらしい。
「僕は僕だよ。会社も僕が大きくしたわけじゃないし、お金も自分で稼いだ分で生活している。社長になる僕と結婚したいんなら、お断りだよ。
その点、花音は、本当の僕を愛してくれてる。こんなに嬉しいことはない。
それに、もし楓くんがプロになったら、それは僕の何十倍も凄いことさ。君自身が手に入れたんだから。
僕は目の前に置かれたものを拾うだけだ。全然違うよ」
「本当に嫌味なくらいかっこいいな。真司さんは」
「あっ、名前、嬉しいな」
「その代わり、小百合は僕がもらうからね。真司さんに負けないくらい幸せにする」
私達は小百合さんを見た。
「本当にいいの?まだまだ可愛いい子とか綺麗な人とかいっぱい出会うんだよ」
「その点は真司さんと同じかな。ちゃんと僕を見てくれるのは、小百合以外に考えられない」
「うん、信じるわ。楓の言葉」
「はぁ、良かった。まずは、今、僕のできることをちゃんとやる。先のことは分からないけど、小百合となら乗り越えられるよ」
「うん。そうだね」
私は2人を祝ってあげたいが、それどころではない。
「はぁ~。私に社長夫人なんて務まらないわよ。どうしようかしら?」
「えっ!ちょっと待って。そんなことで、イヤだよ」
「私にとっては、そんなことじゃないわよ。早く教えてよ~」
「教えたら、どうしたんだよ」
「考え直す・・・かも」
「それじゃ、話さなくて正解じゃない」
「はぁ、気が重い」
「大丈夫よ。私もいるし、両親とも大歓迎になるのは間違いないし、ドラマにあるようなイジメとかもないから。フフフッ」
「はぁ、そうですか」
「花音は花音らしくしてれば、いいよ」
「はぁ、分かりました」
「ねぇ、花音。楓くんの卒業を待つ予定だったけど、もう障害もないし、早めてもいいよね?」
「えっ!真司のご両親に会うってこと?」
「そうだね」
「僕も行っていい?ちゃんと小百合と結婚前提に付き合うと言いたい」
「うん。いいわよ。お父さんは特に野球好きだから」
「そうなの?なんか小百合との生活がくっきりと見えてきた」
「大袈裟ね」小百合は少し呆れたように言った。
「ということだから、花音もいいでしょ?」真司は期待を込めて言った。
「もうダメって言えないじゃない。真司と離れられないんだから」
「良かった」真司は心からホッとした声で言った。
「ということは、私と真司も花音ちゃんの家に行くのよね?」
「そうなるね」とまた食べ始めた楓が言う。
「うちの両親、そんな家の相手と結婚するなんて分かったら、目が飛び出すわよ」私は想像して、少し可笑しくなった。
「家のことは本当に気にしないで。ただ、結婚式は、僕達の自由にはならないから、それだけは覚悟しておいて」
「はい、分かりました」とは言ったものの、こんなの少女漫画レベルだ。でも、その主人公の役を演じるのは、やっぱり気が重い。もっと違う華やかな人生を生きてきた人であるべきだ。
私以外は、未来に希望を抱き、楓のお腹が満たされたので、お開きとなった。
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「少し歩こうか」
「うん」
真司は私の腰に手を回した。
私も真司の腰に手を回して、肩に頭をつける。
「そんなにイヤ?」
「目立ちたくないってことが、正直な気持ちかな。あんまり注目されたくない」
「そう?仕事のときとか生き生きしてるけど」
「全然違うよ。みんな顔のこと言うんだから」
「そう?別に顔が綺麗じゃなくても堂々としてる人なんて、山ほどいると思うけど。それに、花音の魅力は、僕は顔も全部好きだよ、花音の一番の魅力はそこじゃないじゃん。顔の良さが自慢なんて、中身が空っぽの人が言うことだよ」
「そう割り切らないと、真司のそばにいられないのね」
「そんなに嫌なら、僕の顔に傷でも付ける?それなら花音は安心できる?」
「止めてよ。そんなことして欲しくない」
「一番花音が顔にこだわってるんじゃない?」
「真司には分からないわよ、私の辛い気持ちなんて」
「僕はどうすればいい?どうすれば、安心できる?僕がそばにいるだけじゃダメ?」
「私にも分かんないよ。後ろの方でこっそり生きてきたのに、いきなり表舞台に出されるなんて。どうしたらいいかなんて分かんない」
「僕、花音を苦しめてる?そんなに嫌なら、真田家を出ていくよ」
「えっ!そんなのダメ!絶対にダメ!ご両親が悲しむよ」
「僕は花音の方が大切だよ。システムエンジニアなら、どこでも働けるし、生活できるだけ稼げるし」
「そうだけど・・・、ダメだよ。私なんかのために」
「花音だから、そうするんだよ。花音がいれば、他に何もいらない」
「ありがとう。真司。ねぇ、ホテル行こ」
「うん、分かった」
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「ダメ!こんな気持ちで作れない」
「ごめん、花音。後でいっぱい謝るから」
真田さんの腰が早まった。
「ダメぇ、はぁぁん、いく!いっちゃう!」
真田さんは中で射精した。私の奥に精子が当たっている。
「花音、僕から逃げないで」
「こんなことしなくても、私はもう離れられないって言ったでしょ」
「ごめん」
「もう、しょうがないなぁ」私は下から両手を広げた。
真田さんは繋がったまま、体を倒してきたので、首の後ろに手を回した。
長い間、舌を絡めた。
「はぁん、また大っきくなった」
「また出していい?」
「世間は、私が真司を騙して、妊娠したって思うんだよ」
「そうなのかな?それじゃ、順番を守るよ」
「今更かもしれないけど、そうして」
そして、お腹の上に射精した。
「はぁ、落ち着いたわ。もう大丈夫だから、小百合さんと話を進めて」
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