続・クラスイチ(推定)ブスだった私が、浮気しない真面目なイケメン彼氏と別れた理由

ぱるゆう

文字の大きさ
6 / 29

焼き肉

しおりを挟む
真田さんからのラインの通りに店に着いた。私達の方が先に着いてしまったらしい。

真田さんの名前を出して、個室に案内された。
楓は早速メニューを出して、中を見ている。まぁ、3人社会人なんだ。楓がお腹いっぱい食べても大丈夫だろう。

少し遅れて真田さんたちが来た。
「ごめんね。待った?」

「ううん、少しだけ」

楓は不機嫌な顔になった。
「楓、そんな顔しても、私は真司と結婚するからね」

「分かってるよ。姉ちゃんが幸せになるなら、僕は邪魔しない。そう約束したからね」

「楓くん」真田さんは、今にも泣き出しそうだ。

「少しだけ飲みましょう」小百合さんは言った。

「私頼みます。真司と楓はビールね。小百合さんは?」

「私はウーロンハイにしようかな」

「はい。楓、何頼むの?」

「えっ!どれにしようかな?」

「食べられるんなら、いっぱい食べて」真田さんは言った。

楓は一瞬、嫌そうな顔をしたが、
「はい、遠慮なくいただきます」と笑顔で言った。

そして、飲み物が来て、乾杯した。

網の上が肉で隙間がなくなっている。

「まさか真司と花音ちゃんが寄りを戻すとは思わなかったわ。楓くんから聞いた時は、目が飛び出そうになった」

「すいません。あんな大騒ぎしたのに」

「ううん。私としては花音ちゃん、大歓迎よ。うちの両親も喜ぶわ。半ば、諦めてたみたいだから」

「そうなんですか?」

「それだけ真司が受けた傷が深いと思ってるのよ。ねぇ、真司」

「まぁ、花音とこうなってなかったら、無理だったかな。見合いとかしても」

「まぁ、これでうちの会社も安泰ね。4代目も産まれそうだし」

「うちの会社って、小百合さんの勤めてる会社のことですか?」

「えっ、真司、話してないの?」

「話すタイミングがなかったんだよ。結婚も楓くんの卒業の後だって花音が言うから、まだいいかなって」

「まだって、結婚することに変わりはないでしょ。全く弟はこれだから。少しは後継ぎの自覚持ちなさいよ」

「姉さんは、僕が産まれたから、自由にできてるんじゃないか!少しは感謝してくれてもいいんじゃない?」真田さんの口調が強くなる。こんな真田さん、初めて見た。うちもそうだが、兄弟だとこんなものなのだろう。

「そう思ってるから、あなたの相手を引き受けたんでしょ。真田家の長女として」小百合さんも口調が強くなった。

そろそろヤバいと思い、間に入る。
「ちょっ、ちょっと待ってください。嫌な予感しかしないんですけど。真田家とか、後継ぎとか」

小百合さんは、肘で真田さんを突付いた。

隣で楓の箸も止まっている。私は冷静に火を止めた。

「黙ってるつもりはなかったんだ。今の会社の人もみんな知ってることだし、花音が知らない方がビックリしたよ」

「えっ、みんな知ってるんですか?」私も気が動転してるのか、口調が会社モードになった。

「僕のところに女子社員がよく来てるでしょ」

「はい、いつも誰かしらいますね」

「あれは僕のことを見てるんじゃなくて、社長夫人となった自分を見てるんだよ」

「社長夫人?どうして?」私はキョトンとした。

「あぁ、まどろっこしいわね、はっきり言いなさい!」小百合さんがイライラしながら言った。

「うるさいなぁ、今から言うから!」

私は隣の楓の手をテーブルの下で握った。

「僕達の父親は、◯▲エレクトロニクスの社長なんだよ」

「えっ!えぇ~!」私は気を失いそうになった。そんな話聞いたこともない。まぁ、私が知ったところで、立候補なんてするわけでもないから、興味は示さないが。

「◯▲エレなんとかって?」真司はピンときてないようだ。野球以外興味ないから、仕方がない。

「私が働いてる会社の系列会社よ。系列の中でも、2番目か3番目」

「ふ~ん」

「やっぱりいいな。2人とも。普通にしてくれて」

「いやいや、私は普通にしてられない。真司がそこの社長に?」

「もともとは、おじいちゃんが始めた会社があって、そこが、系列に加わったという感じだね。だから、僕で3代目」

「今の会社は?」

「30までは好きなことさせてくれって言ったんだ。それ以降は、親父の後を継ぐからって」

「30ってもうすぐじゃない」

「うん、来年には、今の会社を辞めて、親父の会社に行く」

「私は、どうすればいいの?」

「僕の希望としては、来年中に結婚式をやって、働きたいなら、いまのままでもいいし。親父の会社に来てもいい。プログラミングをやる部署はあるから。でも、子供が産まれたら、しばらくは仕事は辞めてほしい」

「リアル王子様じゃん。かっこいいのに、金持ちって」楓もなんとなく理解したらしい。

「僕は僕だよ。会社も僕が大きくしたわけじゃないし、お金も自分で稼いだ分で生活している。社長になる僕と結婚したいんなら、お断りだよ。
その点、花音は、本当の僕を愛してくれてる。こんなに嬉しいことはない。
それに、もし楓くんがプロになったら、それは僕の何十倍も凄いことさ。君自身が手に入れたんだから。
僕は目の前に置かれたものを拾うだけだ。全然違うよ」

「本当に嫌味なくらいかっこいいな。真司さんは」

「あっ、名前、嬉しいな」

「その代わり、小百合は僕がもらうからね。真司さんに負けないくらい幸せにする」

私達は小百合さんを見た。
「本当にいいの?まだまだ可愛いい子とか綺麗な人とかいっぱい出会うんだよ」

「その点は真司さんと同じかな。ちゃんと僕を見てくれるのは、小百合以外に考えられない」

「うん、信じるわ。楓の言葉」

「はぁ、良かった。まずは、今、僕のできることをちゃんとやる。先のことは分からないけど、小百合となら乗り越えられるよ」

「うん。そうだね」

私は2人を祝ってあげたいが、それどころではない。
「はぁ~。私に社長夫人なんて務まらないわよ。どうしようかしら?」

「えっ!ちょっと待って。そんなことで、イヤだよ」

「私にとっては、そんなことじゃないわよ。早く教えてよ~」

「教えたら、どうしたんだよ」

「考え直す・・・かも」

「それじゃ、話さなくて正解じゃない」

「はぁ、気が重い」

「大丈夫よ。私もいるし、両親とも大歓迎になるのは間違いないし、ドラマにあるようなイジメとかもないから。フフフッ」

「はぁ、そうですか」

「花音は花音らしくしてれば、いいよ」

「はぁ、分かりました」

「ねぇ、花音。楓くんの卒業を待つ予定だったけど、もう障害もないし、早めてもいいよね?」

「えっ!真司のご両親に会うってこと?」

「そうだね」

「僕も行っていい?ちゃんと小百合と結婚前提に付き合うと言いたい」

「うん。いいわよ。お父さんは特に野球好きだから」

「そうなの?なんか小百合との生活がくっきりと見えてきた」

「大袈裟ね」小百合は少し呆れたように言った。

「ということだから、花音もいいでしょ?」真司は期待を込めて言った。

「もうダメって言えないじゃない。真司と離れられないんだから」

「良かった」真司は心からホッとした声で言った。

「ということは、私と真司も花音ちゃんの家に行くのよね?」

「そうなるね」とまた食べ始めた楓が言う。

「うちの両親、そんな家の相手と結婚するなんて分かったら、目が飛び出すわよ」私は想像して、少し可笑しくなった。

「家のことは本当に気にしないで。ただ、結婚式は、僕達の自由にはならないから、それだけは覚悟しておいて」

「はい、分かりました」とは言ったものの、こんなの少女漫画レベルだ。でも、その主人公の役を演じるのは、やっぱり気が重い。もっと違う華やかな人生を生きてきた人であるべきだ。

私以外は、未来に希望を抱き、楓のお腹が満たされたので、お開きとなった。



来た時とは違う、真司と私、楓と小百合さんで別れた。

「少し歩こうか」

「うん」

真司は私の腰に手を回した。
私も真司の腰に手を回して、肩に頭をつける。

「そんなにイヤ?」

「目立ちたくないってことが、正直な気持ちかな。あんまり注目されたくない」

「そう?仕事のときとか生き生きしてるけど」

「全然違うよ。みんな顔のこと言うんだから」

「そう?別に顔が綺麗じゃなくても堂々としてる人なんて、山ほどいると思うけど。それに、花音の魅力は、僕は顔も全部好きだよ、花音の一番の魅力はそこじゃないじゃん。顔の良さが自慢なんて、中身が空っぽの人が言うことだよ」

「そう割り切らないと、真司のそばにいられないのね」

「そんなに嫌なら、僕の顔に傷でも付ける?それなら花音は安心できる?」

「止めてよ。そんなことして欲しくない」

「一番花音が顔にこだわってるんじゃない?」

「真司には分からないわよ、私の辛い気持ちなんて」

「僕はどうすればいい?どうすれば、安心できる?僕がそばにいるだけじゃダメ?」

「私にも分かんないよ。後ろの方でこっそり生きてきたのに、いきなり表舞台に出されるなんて。どうしたらいいかなんて分かんない」

「僕、花音を苦しめてる?そんなに嫌なら、真田家を出ていくよ」

「えっ!そんなのダメ!絶対にダメ!ご両親が悲しむよ」

「僕は花音の方が大切だよ。システムエンジニアなら、どこでも働けるし、生活できるだけ稼げるし」

「そうだけど・・・、ダメだよ。私なんかのために」

「花音だから、そうするんだよ。花音がいれば、他に何もいらない」

「ありがとう。真司。ねぇ、ホテル行こ」

「うん、分かった」



ホテルで、私は全て忘れたい思いで、乱れた。真司もそれに突き動かれたのか、生で中に挿れた。

「花音、子供作ろう」真司は、私の態度に不安を抱いたのかもしれない。だから、子供を作れば繋ぎ止められると。

「ダメ!こんな気持ちで作れない」

「ごめん、花音。後でいっぱい謝るから」

真田さんの腰が早まった。
「ダメぇ、はぁぁん、いく!いっちゃう!」

真田さんは中で射精した。私の奥に精子が当たっている。

「花音、僕から逃げないで」

「こんなことしなくても、私はもう離れられないって言ったでしょ」

「ごめん」

「もう、しょうがないなぁ」私は下から両手を広げた。

真田さんは繋がったまま、体を倒してきたので、首の後ろに手を回した。

長い間、舌を絡めた。

「はぁん、また大っきくなった」

「また出していい?」

「世間は、私が真司を騙して、妊娠したって思うんだよ」

「そうなのかな?それじゃ、順番を守るよ」

「今更かもしれないけど、そうして」

そして、お腹の上に射精した。

「はぁ、落ち着いたわ。もう大丈夫だから、小百合さんと話を進めて」

「うん」




そして、私は自宅に帰ってきた。
楓が帰ってきたら、一緒に話すと両親に言った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんとの親子丼をちょっと書きたくなっただけです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...