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2番目の姉
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その後は、楓の野球の話で盛り上がった。
父親も中学生から野球をやっていて、まだ先代が社長をやっている頃は、真田さんたちを草野球や、プロ野球に連れて行っていたらしい。
ただ、私の父さんと同じく自分からは野球をやって欲しいと言ったことはないと主張している。
「真司には私の後を継いでもらう必要があったから、それまでは好きなことをやって欲しかった」
「そうなの?確かに僕や姉さんに、直接やってとは言わなかったけど、そうして欲しかったんでしょ?』
「それはそうだな」
「確信犯だよね?」
「それはどうかな?なぁ、母さん」
「はいはい」
すると、玄関から
「ただいま~!」と声が聞こえた。
両親の顔がハッとして、強張る。
真田さんも、
「こんな時に」と呟いた。
私がリビングの扉の方を見ると、佳代さんが扉から出る後ろ姿が見えた。
小百合さんを見ると、やっぱり顔を強張らせていた。
「渚お嬢様、どうされたんですか?』
「えっ、自分の家に帰ってきちゃダメなの?あれ?みんないるの?珍しいわね。パーティーでもあるの?』
「ちょっとお嬢様、今はリビングはダメてす。自分のお部屋へ行ってください」
「えっ!みんないるんでしょ。久しぶりなんたから、顔くらい見ないと」
「ダメです。お嬢様」
「ちょっとどいてよ。私もこの家の娘なんだからね」
「あぁ、ダメです。お嬢様」
そういった声が聞こえた後、リビングの扉が開いた。
金髪の女性が入ってきた。白いシャツのボタンは閉められてはなく、中の赤いタンクトップが丸見えになっている。そのタンクトップからは谷間がけっこう見えていた。
下は太ももの半分が丸見えになっている白いタイトなミニスカートを履いていた。
「あら?パーティーってわけじゃなさそうね」
「はぁ、渚、なんてカッコしてるの!お客さん達がいるから、部屋に行ってちょうだい」
「えっ!いいじゃん。誰?まさか真司のお嫁さんとか?」
渚さんは真田さんの顔を見た。真田さんは目を合わせない。
「嘘!ホントなの?良かったじゃない!やっと人を好きになることができたのね」
「ここにいて欲しくないんだけど」真田さんは吐き捨てるように言った。
渚さんは無視して、
「あら?こっちは可愛い坊やじゃない」と楓の方に近づいた。
小百合が立ち上がって間に入る。
「えっ!嘘でしょ。姉さんの彼氏なの?冗談でしょ」
「渚、帰ってくるのはいいけど、私達には近づかないで」
えっ!小百合さんがそんなことを言ったことに、私はビックリした。
「坊や、どう?姉さんより気持ちよくさせてあげるわよ」とタンクトップの胸のところを下げた。下着が見えた。
「楓、部屋行こう」小百合さんは両親を見た。2人とも唸いた。
小百合さんは楓の手を取った。楓は立ち上がって、
「初めまして、山上楓です。小百合さん以外好きになることはないので、残念ながら、渚さんのお誘いには応じられません」
「いいのよ。好きじゃなくても、気持ちよければ」
「僕は小百合さん以外とすることはありえませんので、失礼します」と楓は少し頭を下げ、小百合さんとともに、出ていった。
こういう真っ直ぐなところは、我が弟ながら誇らしい。
「僕達も部屋に行こうか?』真田さんも両親を見た。
両親はしょうがないというように、頷いた。
真田さんは立ち上がって、私の手を取った。
「えっ!何で?兄弟なんでしょ?」
「この人は別だよ。僕は家族だと思ってない」
「そんな!おかしいよ!真司。私もこの家に来たら兄弟になるんだよ。ちゃんと話したい。お祝いして欲しい」
「大丈夫、この人は結婚式には来ないから」
「ダメだよ!そんなの!」
「花音さん、真司の言うことを聞いてあげて」と母親は言った。
「お母様」
「はいはい、分かったわ。出てくわよ」渚さんは荷物を持ち、背中を向けて、玄関へと歩き始めた。
両親と真田さんから、深いため息が漏れた。
「花音さん、ごめんなさい。あの子のことは忘れて」
「えっ、そんな」
「花音、うちの問題だから」真田さんは言った。
私はカチンと来た。
「えっ!私もこの家の家族になるんだよ。そんなこと言うなら、本当の家族になれないよ」
「あっ、え~と、そうなんだけど」
「もういい!」
私は立ち上がって渚さんの後を追いかけた。
「はぁ、花音らしいと言えば、花音らしいんだけど」
「さっきの美幸さんのこともそうだけど、真司も大変な人を好きになったわね。フフフッ」
「全くだ。これは先が思いやられるな」
「ホントに。まぁ、僕が好きになった一番の理由ではあるんだけど」
父親も中学生から野球をやっていて、まだ先代が社長をやっている頃は、真田さんたちを草野球や、プロ野球に連れて行っていたらしい。
ただ、私の父さんと同じく自分からは野球をやって欲しいと言ったことはないと主張している。
「真司には私の後を継いでもらう必要があったから、それまでは好きなことをやって欲しかった」
「そうなの?確かに僕や姉さんに、直接やってとは言わなかったけど、そうして欲しかったんでしょ?』
「それはそうだな」
「確信犯だよね?」
「それはどうかな?なぁ、母さん」
「はいはい」
すると、玄関から
「ただいま~!」と声が聞こえた。
両親の顔がハッとして、強張る。
真田さんも、
「こんな時に」と呟いた。
私がリビングの扉の方を見ると、佳代さんが扉から出る後ろ姿が見えた。
小百合さんを見ると、やっぱり顔を強張らせていた。
「渚お嬢様、どうされたんですか?』
「えっ、自分の家に帰ってきちゃダメなの?あれ?みんないるの?珍しいわね。パーティーでもあるの?』
「ちょっとお嬢様、今はリビングはダメてす。自分のお部屋へ行ってください」
「えっ!みんないるんでしょ。久しぶりなんたから、顔くらい見ないと」
「ダメです。お嬢様」
「ちょっとどいてよ。私もこの家の娘なんだからね」
「あぁ、ダメです。お嬢様」
そういった声が聞こえた後、リビングの扉が開いた。
金髪の女性が入ってきた。白いシャツのボタンは閉められてはなく、中の赤いタンクトップが丸見えになっている。そのタンクトップからは谷間がけっこう見えていた。
下は太ももの半分が丸見えになっている白いタイトなミニスカートを履いていた。
「あら?パーティーってわけじゃなさそうね」
「はぁ、渚、なんてカッコしてるの!お客さん達がいるから、部屋に行ってちょうだい」
「えっ!いいじゃん。誰?まさか真司のお嫁さんとか?」
渚さんは真田さんの顔を見た。真田さんは目を合わせない。
「嘘!ホントなの?良かったじゃない!やっと人を好きになることができたのね」
「ここにいて欲しくないんだけど」真田さんは吐き捨てるように言った。
渚さんは無視して、
「あら?こっちは可愛い坊やじゃない」と楓の方に近づいた。
小百合が立ち上がって間に入る。
「えっ!嘘でしょ。姉さんの彼氏なの?冗談でしょ」
「渚、帰ってくるのはいいけど、私達には近づかないで」
えっ!小百合さんがそんなことを言ったことに、私はビックリした。
「坊や、どう?姉さんより気持ちよくさせてあげるわよ」とタンクトップの胸のところを下げた。下着が見えた。
「楓、部屋行こう」小百合さんは両親を見た。2人とも唸いた。
小百合さんは楓の手を取った。楓は立ち上がって、
「初めまして、山上楓です。小百合さん以外好きになることはないので、残念ながら、渚さんのお誘いには応じられません」
「いいのよ。好きじゃなくても、気持ちよければ」
「僕は小百合さん以外とすることはありえませんので、失礼します」と楓は少し頭を下げ、小百合さんとともに、出ていった。
こういう真っ直ぐなところは、我が弟ながら誇らしい。
「僕達も部屋に行こうか?』真田さんも両親を見た。
両親はしょうがないというように、頷いた。
真田さんは立ち上がって、私の手を取った。
「えっ!何で?兄弟なんでしょ?」
「この人は別だよ。僕は家族だと思ってない」
「そんな!おかしいよ!真司。私もこの家に来たら兄弟になるんだよ。ちゃんと話したい。お祝いして欲しい」
「大丈夫、この人は結婚式には来ないから」
「ダメだよ!そんなの!」
「花音さん、真司の言うことを聞いてあげて」と母親は言った。
「お母様」
「はいはい、分かったわ。出てくわよ」渚さんは荷物を持ち、背中を向けて、玄関へと歩き始めた。
両親と真田さんから、深いため息が漏れた。
「花音さん、ごめんなさい。あの子のことは忘れて」
「えっ、そんな」
「花音、うちの問題だから」真田さんは言った。
私はカチンと来た。
「えっ!私もこの家の家族になるんだよ。そんなこと言うなら、本当の家族になれないよ」
「あっ、え~と、そうなんだけど」
「もういい!」
私は立ち上がって渚さんの後を追いかけた。
「はぁ、花音らしいと言えば、花音らしいんだけど」
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