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引っ越し3
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部屋に戻った。
ベッドは出来上がっていた。
布団が袋に入ったまま、マットの上に置かれている。
「今、ソファー運んでもらってる」
キッチンの上に買ってきた物を置いた。真司に缶コーヒーを渡した。私はお茶を一口飲む。
「布団干すね」
「手伝うよ」2人で窓の近くまで運ぶ。
窓を開けると、風が吹き込んだ。
ここは12階だ。一軒家とは勝手が違う。
「止めといた方が良さそうね。落としたら怖い」
「そうだね」
後で知ったのだが、干してはいけないらしい。
「ソファー来たら、かけて置こうか」
「うん」
とりあえず布団を戻す。他のものも開封し、シーツを掛けた。ベッド下の方は完成した。枕を並べる。
真司を見ると、私を見ていた。
目を逸らす。
ここで、夜、すると思うと、恥ずかしい。
替え用の物を空いている部屋に持って行く。
すると、ソファーが来た。私はタオルで拭いて、小百合さんに座ってもらった。
そして、テーブル、椅子、TV台等が次々と運び込まれた。
「お品物、お間違いはございませんか?」と配達員の一人が言った。
「はい」
「では、お受取のサインをお願いします」
真司は伝票に書き込む。
「もしご使用していて、お気になる部分がございましたら、ご連絡ください」
「分かりました」
帰ろうとする配達員たちに、飲み物を選んでもらい、出ていった。
「あっ、ごめんなさい。スリッパ」母さんから渡されていたのを忘れていた。
「大丈夫よ。まだきれいだから」小百合さんが言った。
とりあえず玄関に持って行く。
「次は電化製品だ。午後になるから、少し早いけど、お昼にしようか」
「何処に行こうか?」私は言った。
「小百合姉さんが、もう決めてるから」
「良さそうなイタリアンがあったの。歩いて行けるから」
戸締まりを確認して、部屋を出た。
店は近かった。
中に入ると、良さそうな雰囲気だった。まだお昼には少し早いので店内は空いていた。
「小百合さん。休みなのに、ありがとうございます」
「両親にも言われて来たのよ。真司じゃ心配だからって。本当は佳代さんを寄こすつもりだったんだから」
「うわっ、それは、助かりました」
「そのうち、来ると思うわよ」
「はい、頑張ってきれいにします」
「いいのよ。佳代さんは、やり甲斐がある方が燃えるから」
「そうは言っても」
「佳代さんは姑じゃないし、ダメ出ししないから、安心して」
「そうだよ。花音、あんまり気負わなくて大丈夫だから」
「なんか気ばかり焦っちゃう」
「場所が変わるだけで、生活は何も変わらない。今までも僕と一緒に泊まったりもしてんだから、その延長だよ」
「うん、そう思うようにする」
「ほら、早く頼みましょう」
楓は既にメニューに釘付けになっている。本当に素直だ。
「楓、遠慮しなくていいからね。たまにしか、御馳走できないんだから」真司が言う。
「うん、真司兄さん」
真司は、まだぎこちないが、そのうち慣れるだろう。
楓のお陰で、色んなものを味見できそうだ。
食事を終えて、部屋に戻る。段ボールから出して、詰め始める。
「そろそろ帰るわ」と小百合さんが言った。
確かに、することはない。
「えっ、もう少しいようよ」楓は別れるのが嫌そうだ、
「他のところに行きましょう」と小百合さんが言った。
「うん!」楓は満面の笑みだ。
おいおい、大丈夫なのか?朝、出してから、そんなに時間経ってないぞ。でも、小百合さんの前では伝えられない。
「じゃあ、姉ちゃん、帰るね」
「ありがとうございました。整理が終わったら、改めて来てください」
「うん、分かったわ」
玄関まで見送った。
ベッドは出来上がっていた。
布団が袋に入ったまま、マットの上に置かれている。
「今、ソファー運んでもらってる」
キッチンの上に買ってきた物を置いた。真司に缶コーヒーを渡した。私はお茶を一口飲む。
「布団干すね」
「手伝うよ」2人で窓の近くまで運ぶ。
窓を開けると、風が吹き込んだ。
ここは12階だ。一軒家とは勝手が違う。
「止めといた方が良さそうね。落としたら怖い」
「そうだね」
後で知ったのだが、干してはいけないらしい。
「ソファー来たら、かけて置こうか」
「うん」
とりあえず布団を戻す。他のものも開封し、シーツを掛けた。ベッド下の方は完成した。枕を並べる。
真司を見ると、私を見ていた。
目を逸らす。
ここで、夜、すると思うと、恥ずかしい。
替え用の物を空いている部屋に持って行く。
すると、ソファーが来た。私はタオルで拭いて、小百合さんに座ってもらった。
そして、テーブル、椅子、TV台等が次々と運び込まれた。
「お品物、お間違いはございませんか?」と配達員の一人が言った。
「はい」
「では、お受取のサインをお願いします」
真司は伝票に書き込む。
「もしご使用していて、お気になる部分がございましたら、ご連絡ください」
「分かりました」
帰ろうとする配達員たちに、飲み物を選んでもらい、出ていった。
「あっ、ごめんなさい。スリッパ」母さんから渡されていたのを忘れていた。
「大丈夫よ。まだきれいだから」小百合さんが言った。
とりあえず玄関に持って行く。
「次は電化製品だ。午後になるから、少し早いけど、お昼にしようか」
「何処に行こうか?」私は言った。
「小百合姉さんが、もう決めてるから」
「良さそうなイタリアンがあったの。歩いて行けるから」
戸締まりを確認して、部屋を出た。
店は近かった。
中に入ると、良さそうな雰囲気だった。まだお昼には少し早いので店内は空いていた。
「小百合さん。休みなのに、ありがとうございます」
「両親にも言われて来たのよ。真司じゃ心配だからって。本当は佳代さんを寄こすつもりだったんだから」
「うわっ、それは、助かりました」
「そのうち、来ると思うわよ」
「はい、頑張ってきれいにします」
「いいのよ。佳代さんは、やり甲斐がある方が燃えるから」
「そうは言っても」
「佳代さんは姑じゃないし、ダメ出ししないから、安心して」
「そうだよ。花音、あんまり気負わなくて大丈夫だから」
「なんか気ばかり焦っちゃう」
「場所が変わるだけで、生活は何も変わらない。今までも僕と一緒に泊まったりもしてんだから、その延長だよ」
「うん、そう思うようにする」
「ほら、早く頼みましょう」
楓は既にメニューに釘付けになっている。本当に素直だ。
「楓、遠慮しなくていいからね。たまにしか、御馳走できないんだから」真司が言う。
「うん、真司兄さん」
真司は、まだぎこちないが、そのうち慣れるだろう。
楓のお陰で、色んなものを味見できそうだ。
食事を終えて、部屋に戻る。段ボールから出して、詰め始める。
「そろそろ帰るわ」と小百合さんが言った。
確かに、することはない。
「えっ、もう少しいようよ」楓は別れるのが嫌そうだ、
「他のところに行きましょう」と小百合さんが言った。
「うん!」楓は満面の笑みだ。
おいおい、大丈夫なのか?朝、出してから、そんなに時間経ってないぞ。でも、小百合さんの前では伝えられない。
「じゃあ、姉ちゃん、帰るね」
「ありがとうございました。整理が終わったら、改めて来てください」
「うん、分かったわ」
玄関まで見送った。
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