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020209【世界】
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「先輩は今からわたしをするんですよね」
彼女はわたしに放課後の教室で質問した。
「ああ、そうだ。そうしなければならないよ」
濃いオレンジ色が窓から入って、陰との濃淡をより一層強めている。
「わたしは特に未練は無いですよ? 唯我独尊ただただわたしはわたしの為に生きてきて、わたしのために先輩にそうされるんですから」
誰かの机に座り、窓に腕を乗せて外を見ている。
「わたしの人生ってなんなのでしょうかね。ていうより、人生って何ですかね? どう思います? 先輩」
「難しいことは分からないよ。ただ一つ言えるのは、君は許されないことをしようとしているということだ」
まるで可笑しい事を言った時のように彼女は笑った。
「へへ、許されないですか? わたしはただこの惨めで残酷で救いようがない世界を終わらせようとしてるだけじゃあないですか。世界はこんなにもくっだらないじゃあないですか」
「いや、そんな事ないよ。皆んな一生懸命生きてるし、思ってるより悪くはないと思う」
彼女はスカートのポケットからタバコを取り出して、慣れない手つきで火をつけた。
「こんなのをうまいうまいと吸っている人がいるなんて吃驚しちゃいますね。つまらないこの世界にはそろそろ終わりを見せてやらないとなあ」
そう言って、指をぱちんと弾いた。瞬間、外は真っ暗になって、教室だけが世界に残っているようだった。
「ほら、こんなにも簡単に壊れるじゃあないですか。これで、今世界にはわたしと先輩だけですよ」
「考えを改める気は、無いのか?」
「みんながみんな分かり合えるなんて幻想を信じてるわけじゃあないでしょう? 分かり合えたなんて勘違いしてる人はその陰で誰かが耐え忍んでいるこもなんて微塵も考えてないんですよ。でも、先輩、先輩とわたしは分かり合えると思ったんですけどねえ」
「どうして?」
「だって、先輩だって薄々分かっているんでしょう? 先輩はわたしが作ったんですもん。だって考えてみてくださいよ。わたしの世界で先輩だけ独立して存在してるなんて不合理じゃあないですか。まさか自分自身は特別で個として独立してる、なんて思っていたわけじゃあないでしょう?」
わたしは目の前の彼女に震える手で銃口を向けた。
「ついにやるんですね。ほら、良いですよ。わたしはどちらでも構わないんです。わたしが終わらせるか、先輩が終わらせるかの違いだけですから」
彼女は机から降りて、わたしと真っ直ぐ対面した。
「先輩、何で泣いてるんですか」
「タバコの煙が沁みてるだけだよ」
「そうですか」
「君は?」
「え?」
「君は何で泣いてるの?」
「いや、タバコの煙がですね」
わたしは銃口を下ろして、思い切り抱きしめた。わたしの世界は確かに醜悪で下劣で見るに耐えないものだ。ただ、それでもわたしはわたしを抱きしめて生きていくことが出来る。いや、そうする他ないのじゃないかと思うから。
彼女はわたしに放課後の教室で質問した。
「ああ、そうだ。そうしなければならないよ」
濃いオレンジ色が窓から入って、陰との濃淡をより一層強めている。
「わたしは特に未練は無いですよ? 唯我独尊ただただわたしはわたしの為に生きてきて、わたしのために先輩にそうされるんですから」
誰かの机に座り、窓に腕を乗せて外を見ている。
「わたしの人生ってなんなのでしょうかね。ていうより、人生って何ですかね? どう思います? 先輩」
「難しいことは分からないよ。ただ一つ言えるのは、君は許されないことをしようとしているということだ」
まるで可笑しい事を言った時のように彼女は笑った。
「へへ、許されないですか? わたしはただこの惨めで残酷で救いようがない世界を終わらせようとしてるだけじゃあないですか。世界はこんなにもくっだらないじゃあないですか」
「いや、そんな事ないよ。皆んな一生懸命生きてるし、思ってるより悪くはないと思う」
彼女はスカートのポケットからタバコを取り出して、慣れない手つきで火をつけた。
「こんなのをうまいうまいと吸っている人がいるなんて吃驚しちゃいますね。つまらないこの世界にはそろそろ終わりを見せてやらないとなあ」
そう言って、指をぱちんと弾いた。瞬間、外は真っ暗になって、教室だけが世界に残っているようだった。
「ほら、こんなにも簡単に壊れるじゃあないですか。これで、今世界にはわたしと先輩だけですよ」
「考えを改める気は、無いのか?」
「みんながみんな分かり合えるなんて幻想を信じてるわけじゃあないでしょう? 分かり合えたなんて勘違いしてる人はその陰で誰かが耐え忍んでいるこもなんて微塵も考えてないんですよ。でも、先輩、先輩とわたしは分かり合えると思ったんですけどねえ」
「どうして?」
「だって、先輩だって薄々分かっているんでしょう? 先輩はわたしが作ったんですもん。だって考えてみてくださいよ。わたしの世界で先輩だけ独立して存在してるなんて不合理じゃあないですか。まさか自分自身は特別で個として独立してる、なんて思っていたわけじゃあないでしょう?」
わたしは目の前の彼女に震える手で銃口を向けた。
「ついにやるんですね。ほら、良いですよ。わたしはどちらでも構わないんです。わたしが終わらせるか、先輩が終わらせるかの違いだけですから」
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「タバコの煙が沁みてるだけだよ」
「そうですか」
「君は?」
「え?」
「君は何で泣いてるの?」
「いや、タバコの煙がですね」
わたしは銃口を下ろして、思い切り抱きしめた。わたしの世界は確かに醜悪で下劣で見るに耐えないものだ。ただ、それでもわたしはわたしを抱きしめて生きていくことが出来る。いや、そうする他ないのじゃないかと思うから。
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