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似たもの同士は引き合う②
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ワタシはソファーに、そして男は椅子に対面に座り直した後、ワタシ達は作戦会議を始める。
「正直このままだと自然崩壊しそうなんだよね」
ワタシがそう言うと男も頷きながら口を開ける。
「確かにそうですね。デートだと言うのに全く会話してないですし」
「そこなんだよねぇ……」
うーん、とワタシが悩んでいると、男がリセットをするかのように話を変えてくる。
「とりあえず自己紹介します?相手のことをなにも知らずに作戦会議するってのもなんですし」
「おーありだね」
男の提案に関心しながら言葉を口にすると、不服気な顔をこちらに向けてくる。だけどそんなことは無視してワタシは自己紹介を始める。
「ワタシは聡善千咲。聡善勇の妹ね。14歳で中学3年生。あんたは?」
「星澤匠海、さっきも言ったけど星澤紗夜の弟。歳と学年はあなたと一緒ですね」
「なんて呼んだらいい?」
「星澤さんでも星澤でもなんでもいいですよ」
「りょうかーい。ワタシのことも聡善さんでも聡善でもなんでもいいよー」
「了解です」
あっという間に自己紹介が終わってしまい、ワタシ達の間には静寂が訪れてしまう。
このままだと勇達の二の舞いになりそうになったのでワタシは言葉を探しながら口を開く。
「そういえばお姉さんのあれってメイクだよね?」
「え、分かったんですか?自分で言うのもなんですけどかなり自信はあったんですがね……」
「いやいやすごいよ?ワタシは同じことをやってるから気づいただけで、なにも知らない人が見ればわからないよ」
少し悔しそうな顔をしてくるので慌ててフォローに回るワタシだったけど、すぐに星澤さんは表情をキラキラとさせてワタシとの距離をグイッと近づけてくる。
「もしかして聡善さんもお兄さんのメイクしてるんですか!?」
「え、うん、まぁ……」
いきなり距離を詰められたことに戸惑いながらも肯定すると、関心したようにワタシから離れて背もたれに体重を預ける。
「すごいですね。肌の荒れ感と言いますかデコボコ感と言いますか……あそこまでリアルに再現できるもんなんですね」
星澤さんからの褒め言葉に次はワタシが食いついてしまい、机に体を乗り出して星澤さんとの距離を詰める。
「わかる!?そうなのよ!やっと分かってくれる人と出会えた……!」
「ちょっ……近い、ですって……」
引き気味に腰を引いた星澤さんが苦笑を浮かべながらワタシの顔を見てくる。
正気に戻ったワタシは「あっ……」と声を漏らしながら気まづそうにソファーに体重を預けてしまう。
「今のはごめん。でも言い訳させて?」
言い訳は良くないと分かってはいるが、このことについては1つだけ物申したいことがある。
「いいですよ?」
了承を得たワタシはゆっくりと星澤さんに指を向けながら口を開く。
「距離が近かったのは星澤さんもだからね?あとワタシはこれがふつーだから慣れてね」
ワタシの言い訳を聞いた星澤さんは先程までの自分の行動を思い出したのか「あー」と納得したかのように声を漏らしたあと、次は不安そうな顔を向けてくる。
「オレも無意識にしていたことは謝ります。ちなみにですけど、僕もこれが普通なんですよね……」
不安そうな顔を浮かべる理由がわからなかったワタシは小首をかしげながらも言葉を放つ。
「ならいいじゃん。似た者同士仲良くしよ。あと敬語はのけていいよ」
「あー……おっけ。仲良くしよな」
やっぱり不安そうな顔を向けてくる星澤さんだったけど、本当に理由がわからなかったワタシは元の話に戻す。
「それじゃあ作戦会議に戻ろっか」
「そうだな」
改めて作戦会議が始まり、ワタシ達の表情は難問にぶつかったような険しい表情を浮かべる。
そしてワタシは今日のデートが始まってから気になっていることを星澤さんに問いかける。
「お姉さんって勇のこと嫌っているよね?」
「そうだね。すっごい嫌ってる。家でよく愚痴を吐かれてるよ」
「だー!やっぱりそうかー!」
ワタシは頭を抱えながら机にグリグリと頭を押し当てる。
「その反応ってことは……お兄さんもそうなんだ……」
「いえす……ワタシも愚痴吐かれてる……」
肯定すると、星澤さんも机に頭を当てて深い溜息を吐く。
この溜息にはワタシも同情し、同じように溜息を吐く。
絶望的だと思われたこの状況だけど、
「明日大雨で警報出るかもしれないって~」
「あら珍しい。この地域では雨で警報が出るだなんて早々ないのにね~」
「ほんとね~」
ワタシ達の横を歩いていったママさん方の言葉で二人の仲を縮める良い案を思いつく。
机から顔を上げたワタシはスマホの天気予報アプリを開きながら星澤さんに今後の作戦について伝え始める。
「正直このままだと自然崩壊しそうなんだよね」
ワタシがそう言うと男も頷きながら口を開ける。
「確かにそうですね。デートだと言うのに全く会話してないですし」
「そこなんだよねぇ……」
うーん、とワタシが悩んでいると、男がリセットをするかのように話を変えてくる。
「とりあえず自己紹介します?相手のことをなにも知らずに作戦会議するってのもなんですし」
「おーありだね」
男の提案に関心しながら言葉を口にすると、不服気な顔をこちらに向けてくる。だけどそんなことは無視してワタシは自己紹介を始める。
「ワタシは聡善千咲。聡善勇の妹ね。14歳で中学3年生。あんたは?」
「星澤匠海、さっきも言ったけど星澤紗夜の弟。歳と学年はあなたと一緒ですね」
「なんて呼んだらいい?」
「星澤さんでも星澤でもなんでもいいですよ」
「りょうかーい。ワタシのことも聡善さんでも聡善でもなんでもいいよー」
「了解です」
あっという間に自己紹介が終わってしまい、ワタシ達の間には静寂が訪れてしまう。
このままだと勇達の二の舞いになりそうになったのでワタシは言葉を探しながら口を開く。
「そういえばお姉さんのあれってメイクだよね?」
「え、分かったんですか?自分で言うのもなんですけどかなり自信はあったんですがね……」
「いやいやすごいよ?ワタシは同じことをやってるから気づいただけで、なにも知らない人が見ればわからないよ」
少し悔しそうな顔をしてくるので慌ててフォローに回るワタシだったけど、すぐに星澤さんは表情をキラキラとさせてワタシとの距離をグイッと近づけてくる。
「もしかして聡善さんもお兄さんのメイクしてるんですか!?」
「え、うん、まぁ……」
いきなり距離を詰められたことに戸惑いながらも肯定すると、関心したようにワタシから離れて背もたれに体重を預ける。
「すごいですね。肌の荒れ感と言いますかデコボコ感と言いますか……あそこまでリアルに再現できるもんなんですね」
星澤さんからの褒め言葉に次はワタシが食いついてしまい、机に体を乗り出して星澤さんとの距離を詰める。
「わかる!?そうなのよ!やっと分かってくれる人と出会えた……!」
「ちょっ……近い、ですって……」
引き気味に腰を引いた星澤さんが苦笑を浮かべながらワタシの顔を見てくる。
正気に戻ったワタシは「あっ……」と声を漏らしながら気まづそうにソファーに体重を預けてしまう。
「今のはごめん。でも言い訳させて?」
言い訳は良くないと分かってはいるが、このことについては1つだけ物申したいことがある。
「いいですよ?」
了承を得たワタシはゆっくりと星澤さんに指を向けながら口を開く。
「距離が近かったのは星澤さんもだからね?あとワタシはこれがふつーだから慣れてね」
ワタシの言い訳を聞いた星澤さんは先程までの自分の行動を思い出したのか「あー」と納得したかのように声を漏らしたあと、次は不安そうな顔を向けてくる。
「オレも無意識にしていたことは謝ります。ちなみにですけど、僕もこれが普通なんですよね……」
不安そうな顔を浮かべる理由がわからなかったワタシは小首をかしげながらも言葉を放つ。
「ならいいじゃん。似た者同士仲良くしよ。あと敬語はのけていいよ」
「あー……おっけ。仲良くしよな」
やっぱり不安そうな顔を向けてくる星澤さんだったけど、本当に理由がわからなかったワタシは元の話に戻す。
「それじゃあ作戦会議に戻ろっか」
「そうだな」
改めて作戦会議が始まり、ワタシ達の表情は難問にぶつかったような険しい表情を浮かべる。
そしてワタシは今日のデートが始まってから気になっていることを星澤さんに問いかける。
「お姉さんって勇のこと嫌っているよね?」
「そうだね。すっごい嫌ってる。家でよく愚痴を吐かれてるよ」
「だー!やっぱりそうかー!」
ワタシは頭を抱えながら机にグリグリと頭を押し当てる。
「その反応ってことは……お兄さんもそうなんだ……」
「いえす……ワタシも愚痴吐かれてる……」
肯定すると、星澤さんも机に頭を当てて深い溜息を吐く。
この溜息にはワタシも同情し、同じように溜息を吐く。
絶望的だと思われたこの状況だけど、
「明日大雨で警報出るかもしれないって~」
「あら珍しい。この地域では雨で警報が出るだなんて早々ないのにね~」
「ほんとね~」
ワタシ達の横を歩いていったママさん方の言葉で二人の仲を縮める良い案を思いつく。
机から顔を上げたワタシはスマホの天気予報アプリを開きながら星澤さんに今後の作戦について伝え始める。
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