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似たもの同士は引き合う
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2人が絶対に座らないであろう1人席に腰を掛けたワタシはワクドナルドの前で短い会話を交わした後、ワクドナルドの店員に注文している2人を見守る。
流石に距離が離れすぎて会話の内容は聞こえなかったけど、すっごく短い会話だったってのはすぐに分かった。どうせ勇が「なにか食べますか?」とか言ったんでしょ?……まぁ別々に注文しているから奢る気はないんだろうけど。
そんな勇に苦笑を浮かべながらワタシは別の方向へと目を向ける。
あの赤髪の男、ずっとついてきてるよね?視線は勇たちの方を向いてるけど……。
手に顎を乗せ、赤髪の男と勇たちを交互に目を向けながら考えること数秒。ワタシは分かってしまった。
もしかして彼女さんのメイクを見破ってストーカーしてる!?
気づいてしまったワタシは立ち上がり、足早に赤髪の男の方へと向かっていく。
どうして気づいたのか、あなたも同じようなメイクをしているのか、とかを話し合ってみたいという気持ちがなかったかと言われれば嘘になる。だけど、勇と彼女さんの関係にヒビを入れそうなことは無視できない。
心を固めたワタシは少々力を込めて男の肩を掴む。
「あの人に何かようですか?」
ワタシがそう尋ねると、男性は帽子のつばの下から睨みつけてくる。
「あなたこそあの人達に何かようですか?」
「はい?」
まさか質問を質問で返されるとは思ってもいなかったワタシは男を見下ろしながら睨み、力強い声を返してしまう。
微かにだけど、ワタシとこの男の間に火花が散った気がする。
「駅からずっとついてきてましたよね?」
「それはあんたもでしょ?」
「オレには理由がありますからいいんです」
「そんな格好している人が言う理由ってストーカーぐらいしかないですよね?」
「それは偏見すぎません?あとあなたも同じ格好してますけど」
男の正論パンチにワタシは思わず半歩下がってしまい、男から目を逸らしてしまう。
それをチャンスと見たのか、男は逆にワタシの手を掴んでワタシの逃げ道を潰しにかかってくる。
「残念ながら逃げ場はないですよ?」
手を掴まれた驚きと周りからの視線に冷静になったワタシは微かに苦笑を浮かべながら男に話しかける。
「逃げませんから手を離してくれます?」
「嫌です」
「少しは周りの目線を気にしてください……」
すると男は険しい顔をワタシに向けながらも周りを確認する。
数秒周りを見渡した後、男はやっとこの状況を察してくれたようで、苦笑を浮かべてゆっくりとワタシの顔を見上げてくる。
「どうしましょうか」
「とりあえず手を離してください。そして帽子を脱いで周りに向かって深く頭を下げましょう。ワタシも一緒にしますから」
そうワタシが提案すると、案外あっさりと手を離してくれた。
そしてワタシ達は帽子を脱ぎ、周りに向かって深々と頭を下げる。
ここで警察なんて呼ばれたら本当に困る。学校にも連絡行ってしまうし、もちろん勇にも迷惑をかけてしまう。できればこれで見逃してほしいんだけど……。
心のなかで願っていると5秒が経過しており、ワタシと男は同時に頭を上げて周りを見渡す。
ワタシの提案が成功したのか、周りのママさん方や中高生の皆さんは立ち去っていく。
「「よかったぁ……」」
二人して声を揃わせ、ゆっくりと同じソファーに背中を預ける。
帽子を脱いだのは正直賭けだった。数十m離れたら勇がいるこの状況。もしかしたら勇達がこちらを見ていたかもしれない。
だけど勇達にはワタシ達のことは見えていなかったようで、なにも知らない勇達は揃いも揃ってポテトをつまんでいた。
勇達に見られていないと分かったワタシは安心し、帽子をかぶり直してもう一度男に問い直す。
「それでなんでついてきてたの?」
男もこりたのか、今回は素直に答えてくれる。
「姉ちゃんがデートするって言ってたから彼氏のことを見に来たんだよ」
「ほーん」
「それであなたは?もしかしてあの彼氏の妹?」
「正解。理由はあんたと全く同じ」
ワタシがそう答えると、男はクスクスと笑いながら口を開く。
「ブラコンかよ」
「あんたもでしょ!」
「ちょ、声でかいって……」
思わず声を張ってしまったワタシはまたもや周りに頭を下げながら不服そうに男を睨みつける。
「で、あの2人の恋愛を邪魔しに来たわけ?」
「なんでそんな顔するんだよ……今のはあなたが悪いって……」
「うるさいなぁ。早くワタシの質問に答えて?」
「はいはい。別に邪魔するつもりはないよ。どちらかといえばもっと仲良くなってほしい」
その答えにワタシは目を輝かせながら男の右手を両手で握る。
「それほんと!?ワタシも同じなんだけど!」
いきなり手を握ったことに驚きながらも男はニヤリと悪い笑みを浮かべる。
その意図を汲み取ったワタシも悪い笑みを浮かべる。
「ここであったのもなんだし、結託するか?」
「もちろん。早速作戦会議と行きましょう」
ワタシ達はお互いにうなずき合い、握った手を握手の形に作り直すのだった。
流石に距離が離れすぎて会話の内容は聞こえなかったけど、すっごく短い会話だったってのはすぐに分かった。どうせ勇が「なにか食べますか?」とか言ったんでしょ?……まぁ別々に注文しているから奢る気はないんだろうけど。
そんな勇に苦笑を浮かべながらワタシは別の方向へと目を向ける。
あの赤髪の男、ずっとついてきてるよね?視線は勇たちの方を向いてるけど……。
手に顎を乗せ、赤髪の男と勇たちを交互に目を向けながら考えること数秒。ワタシは分かってしまった。
もしかして彼女さんのメイクを見破ってストーカーしてる!?
気づいてしまったワタシは立ち上がり、足早に赤髪の男の方へと向かっていく。
どうして気づいたのか、あなたも同じようなメイクをしているのか、とかを話し合ってみたいという気持ちがなかったかと言われれば嘘になる。だけど、勇と彼女さんの関係にヒビを入れそうなことは無視できない。
心を固めたワタシは少々力を込めて男の肩を掴む。
「あの人に何かようですか?」
ワタシがそう尋ねると、男性は帽子のつばの下から睨みつけてくる。
「あなたこそあの人達に何かようですか?」
「はい?」
まさか質問を質問で返されるとは思ってもいなかったワタシは男を見下ろしながら睨み、力強い声を返してしまう。
微かにだけど、ワタシとこの男の間に火花が散った気がする。
「駅からずっとついてきてましたよね?」
「それはあんたもでしょ?」
「オレには理由がありますからいいんです」
「そんな格好している人が言う理由ってストーカーぐらいしかないですよね?」
「それは偏見すぎません?あとあなたも同じ格好してますけど」
男の正論パンチにワタシは思わず半歩下がってしまい、男から目を逸らしてしまう。
それをチャンスと見たのか、男は逆にワタシの手を掴んでワタシの逃げ道を潰しにかかってくる。
「残念ながら逃げ場はないですよ?」
手を掴まれた驚きと周りからの視線に冷静になったワタシは微かに苦笑を浮かべながら男に話しかける。
「逃げませんから手を離してくれます?」
「嫌です」
「少しは周りの目線を気にしてください……」
すると男は険しい顔をワタシに向けながらも周りを確認する。
数秒周りを見渡した後、男はやっとこの状況を察してくれたようで、苦笑を浮かべてゆっくりとワタシの顔を見上げてくる。
「どうしましょうか」
「とりあえず手を離してください。そして帽子を脱いで周りに向かって深く頭を下げましょう。ワタシも一緒にしますから」
そうワタシが提案すると、案外あっさりと手を離してくれた。
そしてワタシ達は帽子を脱ぎ、周りに向かって深々と頭を下げる。
ここで警察なんて呼ばれたら本当に困る。学校にも連絡行ってしまうし、もちろん勇にも迷惑をかけてしまう。できればこれで見逃してほしいんだけど……。
心のなかで願っていると5秒が経過しており、ワタシと男は同時に頭を上げて周りを見渡す。
ワタシの提案が成功したのか、周りのママさん方や中高生の皆さんは立ち去っていく。
「「よかったぁ……」」
二人して声を揃わせ、ゆっくりと同じソファーに背中を預ける。
帽子を脱いだのは正直賭けだった。数十m離れたら勇がいるこの状況。もしかしたら勇達がこちらを見ていたかもしれない。
だけど勇達にはワタシ達のことは見えていなかったようで、なにも知らない勇達は揃いも揃ってポテトをつまんでいた。
勇達に見られていないと分かったワタシは安心し、帽子をかぶり直してもう一度男に問い直す。
「それでなんでついてきてたの?」
男もこりたのか、今回は素直に答えてくれる。
「姉ちゃんがデートするって言ってたから彼氏のことを見に来たんだよ」
「ほーん」
「それであなたは?もしかしてあの彼氏の妹?」
「正解。理由はあんたと全く同じ」
ワタシがそう答えると、男はクスクスと笑いながら口を開く。
「ブラコンかよ」
「あんたもでしょ!」
「ちょ、声でかいって……」
思わず声を張ってしまったワタシはまたもや周りに頭を下げながら不服そうに男を睨みつける。
「で、あの2人の恋愛を邪魔しに来たわけ?」
「なんでそんな顔するんだよ……今のはあなたが悪いって……」
「うるさいなぁ。早くワタシの質問に答えて?」
「はいはい。別に邪魔するつもりはないよ。どちらかといえばもっと仲良くなってほしい」
その答えにワタシは目を輝かせながら男の右手を両手で握る。
「それほんと!?ワタシも同じなんだけど!」
いきなり手を握ったことに驚きながらも男はニヤリと悪い笑みを浮かべる。
その意図を汲み取ったワタシも悪い笑みを浮かべる。
「ここであったのもなんだし、結託するか?」
「もちろん。早速作戦会議と行きましょう」
ワタシ達はお互いにうなずき合い、握った手を握手の形に作り直すのだった。
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