18 / 58
決してストーカーではありません②
しおりを挟む
「電車だとやっぱ早いなぁ」
電車を降りた私は小声で関心の声を上げ、ペアルックカップルの数十m後ろをバレないように歩く。
隣の車両だったこともあり、二人の様子は見れなかったけど……この二人の感じ的に話せてないな?ていうかそもそも話そうとしてないな?お互いがお互いに話されたら応える、という姿勢なのか知らないけど、傍から見ると変人カップルだよ?ペアルックしてるくせに話さないのは流石に違和感がありすぎる……。
駅からドリームまちまで少しだけ距離があるのでその間に「少しでも会話をしてくれ!」という願いを込めて手を握るワタシだったけれど、結局なにも話すことはなかった。けれどドリームまちに入ってすぐに勇が声をかける。
「服を見るのはGEで大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です」
「「……」」
「やった!」というワタシの気持ちは儚く散り、絶望が湧き上がってくる。
もう会話終わったの?付き合いたてのカップルならもうちょっと会話を広げようとするんだけどなぁ?彼女さんの方はまだ確信は持ててないからわからないけど、相当お互いのこと嫌いだよね。嫌いなら別れればいいのに。
なんて考えにワタシは頭を振って否定する。
別れたらワタシが困るんだから絶対に阻止しないと......!これはなんだかの運命なのだからこのチャンスを無駄にしたらダメだ!
うんうん、と頷いているといつの間にかフードコートの上にあるGEに到着していた。
遠目に2人がGEに入るのを見届け、ワタシも店内に入っては2人の死角からどんな服を選ぶのか観察する。
まず、彼女が手に持ったのは白色のパーカー。「今来ているのも白色のパーカーなのに!?」って現場を見ていない人ならそう言うかもしれない。だけど彼女が見ているのは白いパーカーなどではなく、その奥にある薄ピンクのロングスカートだった。
多分気になるものを目につけているのだと思う。実際ワタシもお金がない時は気に入った服には目をつけている。彼女さんは勇と今の自分の格好で買える服が限られているので目をつけているのだとワタシは考える。
そんな憶測を立てていると、勇も黒のパーカーを持ちながら別の場所へと視線を向ける。
ワタシもそっちに目を向けてみると、そこにはいくつかの靴下が並べてあった。
そういえばこの前靴下が破けたって勇が言ってたっけ?
数日前のことを思い出しながら2人の方に視線を戻してみると、彼女さんは薄ピンクのロングスカートに合うコーデを考えているのか、顎に手を当てている。そして勇もどんなものがいいのかすごく悩んでいる。
そんな二人を見ながらワタシは溜息を吐いて言葉をこぼす。
「類は友を呼ぶって言うのはこの事を言うんだね……」
コーデや靴下が決まってもなお、次に次にと別のものを見る2人は小一時間が経ってやっと満足したのか、どちらからともなく近づいては「フードコートに行きますか?」と勇が提案し「そうですね」と彼女さんが頷く。
そうして2人はGEを後にし、二階にあるフードコートに向かう。ワタシも2人を追いかけるように距離は開け、急いでエスカレーターを降りる。
電車を降りた私は小声で関心の声を上げ、ペアルックカップルの数十m後ろをバレないように歩く。
隣の車両だったこともあり、二人の様子は見れなかったけど……この二人の感じ的に話せてないな?ていうかそもそも話そうとしてないな?お互いがお互いに話されたら応える、という姿勢なのか知らないけど、傍から見ると変人カップルだよ?ペアルックしてるくせに話さないのは流石に違和感がありすぎる……。
駅からドリームまちまで少しだけ距離があるのでその間に「少しでも会話をしてくれ!」という願いを込めて手を握るワタシだったけれど、結局なにも話すことはなかった。けれどドリームまちに入ってすぐに勇が声をかける。
「服を見るのはGEで大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です」
「「……」」
「やった!」というワタシの気持ちは儚く散り、絶望が湧き上がってくる。
もう会話終わったの?付き合いたてのカップルならもうちょっと会話を広げようとするんだけどなぁ?彼女さんの方はまだ確信は持ててないからわからないけど、相当お互いのこと嫌いだよね。嫌いなら別れればいいのに。
なんて考えにワタシは頭を振って否定する。
別れたらワタシが困るんだから絶対に阻止しないと......!これはなんだかの運命なのだからこのチャンスを無駄にしたらダメだ!
うんうん、と頷いているといつの間にかフードコートの上にあるGEに到着していた。
遠目に2人がGEに入るのを見届け、ワタシも店内に入っては2人の死角からどんな服を選ぶのか観察する。
まず、彼女が手に持ったのは白色のパーカー。「今来ているのも白色のパーカーなのに!?」って現場を見ていない人ならそう言うかもしれない。だけど彼女が見ているのは白いパーカーなどではなく、その奥にある薄ピンクのロングスカートだった。
多分気になるものを目につけているのだと思う。実際ワタシもお金がない時は気に入った服には目をつけている。彼女さんは勇と今の自分の格好で買える服が限られているので目をつけているのだとワタシは考える。
そんな憶測を立てていると、勇も黒のパーカーを持ちながら別の場所へと視線を向ける。
ワタシもそっちに目を向けてみると、そこにはいくつかの靴下が並べてあった。
そういえばこの前靴下が破けたって勇が言ってたっけ?
数日前のことを思い出しながら2人の方に視線を戻してみると、彼女さんは薄ピンクのロングスカートに合うコーデを考えているのか、顎に手を当てている。そして勇もどんなものがいいのかすごく悩んでいる。
そんな二人を見ながらワタシは溜息を吐いて言葉をこぼす。
「類は友を呼ぶって言うのはこの事を言うんだね……」
コーデや靴下が決まってもなお、次に次にと別のものを見る2人は小一時間が経ってやっと満足したのか、どちらからともなく近づいては「フードコートに行きますか?」と勇が提案し「そうですね」と彼女さんが頷く。
そうして2人はGEを後にし、二階にあるフードコートに向かう。ワタシも2人を追いかけるように距離は開け、急いでエスカレーターを降りる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる