監獄の部屋

hyui

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王様の王国

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とある時代のとある王国。
長年国を治めていた王が倒れ、その息子が次代の王として即位しました。

「父王のやり方はもう古い。私は私のやり方でやってやる。」


新国王はまず、長年先王に仕えていた大臣たちを追い出し、もともと自分と親しい仲だった取り巻きを登用していきました。
当然、前大臣たちは大反対。しかし、新国王はこの反対を押しのけ、無理やりに自分の意見を押し通したのでした。


次に新国王が目を向けたのは税金でした。国の収入であり、自分たちの収入である税金。そりゃ多い方がいいに決まってる。
新国王は変革を建前に、国民たちに重税を課しました。反発の声ももちろん上がりましたが、知ったこっちゃありません。


日に日に国民の生活が苦しくなる一方で、国王とその臣下は贅沢ざんまい。国民の不満も増す一方でした。これを危惧した国王は一計を案じます。

「今のこの苦しい情勢は、実は隣国によるものなのだ。隣国が全ての原因なのだ。」


そんなわけがないのは火を見るよりも明らかなのですが、情報の出回らない時代、国民は真実を知る由もありません。
新国王は隣国の根も葉もない嘘を吹いて回り、自分たちへの敵意を反らそうとしました。


ところがそうはうまくいきません。これに反論するものが現れました。先王の臣下たちです。

「現国王が主張している隣国の情報は全て真っ赤な嘘だ。今のこの苦しい生活は、あの国王が私腹を肥やすために我々から税金を巻き上げたために他ならない。」


この発言により、国王への不満は一気に爆発。国王への反乱が起こりました。
国王はこの反乱を収めるよう、軍に討伐を命じましたが、聞き入れられません。何故なら彼らの給料も、ほとんど国王やその臣下の懐に入っていたからです。もはや王国内に国王の味方をする者は、国王とその取り巻きだけとなっておりました。


反乱はみるみるうちに増大し、ついには国王の城を取り囲むまでとなりました。
反乱を率いてきた先王の臣下たちは、城内にて国王と対峙しました。

「王よ、ここまでです。おとなしく降伏なされよ。」
「無礼な!私は王だぞ!誰かこやつらを捕らえよ!」


王の命令も虚しく響くだけ。誰もその言葉に耳を傾けません。

「おのれ、役立たずどもめ!王を守るのが貴様らの仕事であろう!王に逆らうのか!」
「王を守るのが我々の仕事であるなら、あなたの仕事は国を守ることです。国を守ることをせず、ただただおのれのために国を利用するあなたは最早王ではありません。」
「黙れ!私は先王の血を引くれっきとした王だ!誰がなんと言おうと私は王だ!」
「…いたしかたありませんな。」
反乱軍は国王をその場で拘束しました。
「それほどまで王にこだわるならば、我々が新しい国を用意いたしましょう。あなたが治めるに相応しい国を…。」


そうして王は王国から遠く離れた離れ小島に送られました。
そこには人は一人もおりません。反乱軍の彼らが用意した国は無人の国なのでした。

そこには王のために料理を作る料理人も、楽しげな音楽を奏でる音楽家も、王を慰める娼婦もおりません。
そして王も、一人で生きていく術を何一つ持っておりませんでした。


たった一人きりの、孤独な王様の王国は数ヶ月と持たず、終わりを迎えたそうです…。


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